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クアドラのアカウントチームが始動! 設立メンバーが今後の展望を語る

ピラミッドフィルム クアドラ(以下、クアドラ)では、2023年9月からプロデューサー(Pr)とプロジェクトマネージャー(PM)を統合したAC(アカウント)チームを新設しました。実は2020年に入り、PrとPMをそれぞれ単独のチームへと分けて活動してきましたが、改めて同じチームへと統合して再始動となったわけです。

チームを分けていたPrとPMを、なぜ改めて統合したのでしょうか?

今回は、クアドラのACチームを設立した背景や今後の展望について、同チームに在籍するPrの溝渕和則、ならびにPMの清水龍輝にインタビュー。両者ともチームマネジメントも従事しており、マネジメント / 現場含めた様々な視点からお話しを聞きました。本コンテンツを通じて、みなさんに少しでもACチームの取り組みを知っていただけると嬉しいです。

参考:以前noteに公開した、両者それぞれが答えているインタビューコンテンツです。


メンバー紹介

溝渕和則
プロデューサー / アカウントチームマネージャー
広告業界のデジタル領域に魅力と可能性を感じ、2000年に当社の前身であるピラミッドフィルムへ入社。現在の代表取締役社長・篠原哲也らが立ち上げたデジタル制作部に配属された後、様々なデジタルコンテンツ制作に携わる。2007年に設立したクアドラに入社して17年目。


清水龍輝
プロジェクトマネージャー / アカウントチームマネージャー
新卒で入社した広告代理店の営業を経て、2015年にクアドラに入社。Webのみならず、デバイスから筐体、イベントまで多岐にわたる案件の進行管理を担当。

なぜPrとPMでチームを分けていたのか?

━━最初に、AC(アカウント)チームが新設されるまでの経緯をうかがいます。新設前は、なぜプロデューサー(以下Pr)とプロジェクトマネージャー(以下PM)のチームを分けていたのでしょうか?

溝渕_まずはクアドラという会社の起源に遡って話をしていきます。クアドラの前身で親会社のピラミッドフィルム(1978年設立)は、そもそもPrが中心となって構成された、テレビCMなどを中心とした映像を制作するプロダクションです。

清水_事業のベースには「いいクリエイティブ作りには、Prという存在が大切」という考えが定着しています。

溝渕_2000年代になるとWeb案件が飛躍的に増大して、時代にあわせてピラミッドフィルム内のデジタル制作部という部門を分社化。2007年にクアドラを創業しました。

━━クアドラの前提が、Prという役割への意識や思い入れが強い会社、ということですね。

溝渕_クアドラ創業以降も日々デジタル案件が増えるにつれて、社内メンバーも増加。クアドラとしてのブランドをしっかり育てるために、デザイナーやエンジニアなどの専門職メンバーも積極的に増やして、各チームが専門性を極めながら、チーム同士が有機的に連携する体制を確立し、今日までに約50名規模の精鋭集団へと進化していきます。

━━その過程の中で、PrチームとPMチームができたと?

溝渕_もともとはPrを目指す過程にPMがあると考え、同一チームで活動してきましたが、PMの業務が多岐にわたる昨今、Prを目指さずにPMに専業したい社員が増えたからです。PM自体の専門性を追い求める考えも尊重できるように、PrとPMをそれぞれに分けました。その時期が2020年初頭で、コロナ禍へと入る時期とも重なって、リモートワーク環境を含めて働き方を変える試みにもなったのです。

一度チームを分けて、改めてPrとPMが一緒になるまで

━━チームを分けて気づいたことは何でしたか?

清水_以前は、実際の現場でPrの背中を見ながらPMが仕事の進め方を学ぶ、みたいな職人気質の世界が漂っていました。でも今やPMという職務は多様で複雑化して、従来通りが通用しない時代です。PM単独のチーム化で、PMとしての基本や型をきちんと学べる体制を組めたのは、時代の変化にあわせてPMのあり方を見直す機会につながりました。

溝渕_PMという職種の専門性が高まり、PMの延長線上に必ずPrがあるという認識では厳しくなってきたわけです。PMだけでチームを設けたことで、清水くんが中心となってPM育成が充実し、OJT(On the job training)環境も提供しやすくなりましたね。

━━チームを分けた成果がある一方で、改めて統合したのはなぜでしょうか? 2023年9月、ACチームとしてPrとPMが再び同じチームでリスタートします。

溝渕_PrとPMは同じようなことをやっている、という印象を持つ人たちもいます。実際近しいこともしていますが、大きな違いが業務の向いているベクトルです。もちろん両者とも共通のゴールに向かっていますが、Prは顧客の意思決定や予算交渉などを司る立場だし、PMは現場やプロジェクトを中心に制作を進める立場で、言わば両者がプロジェクトの両輪となって支えています。

統合した要因は、PrとPMを別チームにした結果、互いに何をやっているのかがつかみづらくなったからです。PrとPMが同一チームにいないことで、お互いの仕事ぶりが伝わりづらい体制へと変質した点を問題視しました。

━━先ほどPrがPMに背中を見せるという話がありましたが、今度はPrの背中が見られない体制になった?

溝渕_はい。もう1点は、間接的にプロジェクトのクオリティ低下に繋がり、それ故案件に悪い影響が出てくるのではという仮説が出てきました。原因を探ると、チームを分けた弊害に行き着きました。

清水_PMの立場から言うと、Prと比べてPMは若いんですよ。中途採用や叩き上げといった一部のPMを除くと、クアドラでは新卒や第二新卒からPMになる人たちが多い。経験が少ない人たちですから、わからないことに直面しやすいのにPrとは距離がある。結果、PM1人が悩みを丸抱えする状態に…。複数の現場から困惑の声が出てきてしまったのです。

━━これはつらい状況です。

清水_Prには相談しづらいし、キャリアを積んだ別のPMに助言を求めても案件の中に入っていない立場からになるので、助言できる範囲にも限界が出ます。こうして若手PMは、目先の難局を自分目線で乗りきることで精いっぱい…。案件のクオリティを上げたり、顧客満足度を高める側面にまで力が及ばず、案件のリピート率低下にも直結しかねない状況を生んでいました。

時代の流れに柔軟に対応する取り組み

━━2020年以降は、世の中のビジネスコミュニケーションの取り方が従来と大きく変わった時期でもありました。

溝渕_ここ数年、仕事を進める上で「余白」の時間が持ちづらくなったのは事実です。以前ならお客様への提案や相談、打ち合わせをするのも、すべて直接出向いて会ってきました。そのためには準備や移動の時間も出てきます。例えば、移動中にメンバー同士で軽く話をするちょっとした時間が大事だったりしますよね。

移動時間が削減できるなど、リモートにも良さがあるし、オンラインならSlackなどチャットツールで(余白の)代用ができるので、やりようだと思っています。ただし、ここ数年はチームを分けた状態が重なって、“スパッと自分の領域の仕事を終えさえすれば、それで良し”となり過ぎた反省があります。PrやPMとの間で、もう少しちょっとした時間(=余白)を持つようにして、チーム内の動きや考えを共有し理解する営みに、クアドラという組織としてもっと意識的であるべきだと気づいたのです。

清水_当初は会社の売り上げが大きく下がったわけでなく、コロナ禍でリモートワークが増えて、コミュニケーション自体への問題に意識が向いていましたが、それだけが原因でないと。より良い状況への改善を期待する動きの1つとして、ACチームとしてPrとPMの統合化という体制変更を、社内で前向きに受け止めてもらえたと思っています。

ACチーム始動後に見えてきたこと

━━2023年9月以降、ACチームの現時点の手応えは?

清水_最大の目的が「PrとPMとの開いてしまった距離感を縮めたい」でした。統合後は、率直にPrとPMのメンバーがチーム内に混在状態となり、お互いに対面で接する機会も増えたのは、素直に良かった点です。

溝渕_ACチーム化で全面的に課題が解決したとは思っていませんが、PMからすればPrの顔が見えるようになって、Prを含めた稼働管理がしやすくなりました。Prからすると、PMチームの中だけで完結していた実務の動きに、Prも参加しやすくなりました。おかげでPrからPMに対して、知見を共有したり助言を伝えたりすることがやりやすくなっています。

━━ACチームとなって、どのように業務を進めていますか?

清水_現在(2024年3月時点)は、稼働のために2つのユニットに分けています。

溝渕_試行錯誤が続いていて、現状を最善だとは考えず、より良い状態を目指しているところです。

━━ユニットについて、どのように分けているのですか?

清水_メンバーの特性では分けていません。その人の得意不得意で分けず、個々の相性やこれまでの関係性、何よりグループとして塊を築いた時にシナジーが生まれやすいかどうかで判断しています。ただし、どちらかのユニットに属すると、経験できる案件やキャリア形成で偏りが出る懸念が出てきます。不公平感をなるべく出さないように、例えばPrのXさんに集中している案件Aについて、Xさんと違うユニットのメンバーBさんもAに携われるようにして、属するユニットを越えた体制も柔軟に組めるようにしています。

これからのACチームについて

━━今後のACチームに期待することは?

清水_1人ひとりが万能である必要はないけれど、チームとして万能に対応できる状態にしたいですね。例えば、Web案件以外にもさまざまな案件の依頼があり、初めての挑戦になるプロジェクトもあります。過去の経験や知見から、ACチームメンバーの組み合わせで臨めば、クライアントの納得を引き出せるだけでなく期待を越えたユニークな発想も出てくるだろうし、チームとして知見を振り絞ればどんな難局にも対応できるチームを作りたいです。

溝渕_PrとPMとの距離が近くなった良さを仕事に反映したいです。ACチームが顧客と向き合って企画を立て、提案を行い、プロジェクトの根幹を担うために自律的に動く中心的な存在でありたいです。幸い、現代は技術や環境の進化で、生成AIなども含めて各種ツールを使えば、コピーやカンプもデザイナーを通さずに作りやすくなっています。お客様の課題解決を念頭に置きながら、各自が主体的に自分が思い描くイメージへとトライしやすい時代状況を活かして、ガンガンに動いていきたい(!)です。

清水_この体制になって、PMの延長線上にもっとPrというキャリアが見えてほしい。「いつかPrになりたい」という人がクアドラに増えてくれると嬉しいです。

ACチームがどういう人材を求めているのか?

━━最後に、ACチームが「どういう人と仕事がしたいか」というメッセージもお願いします!

溝渕_デジタルに関わる業界は、どんどん新しいことが出てきます。新規性を面白がれて、貪欲に飛びついていける人とご一緒したいです。最適な課題解決のために、新たな手段を取り入れることに抵抗のない人には、クアドラはとてもやりがいのある環境ですよ!

清水_僕からはPM向けに。さまざまな人たちと協業する中で動くのがPMですので「お願い上手であってほしい」と思っています。後は、物事がうまくいっている時ほど警戒心を強く持てる人と一緒に仕事がしたい。順調に事が運んでいるからこそ、みんなとは違う視点で状況を俯瞰できる人に会いたいですね。そして、毎日健康で元気に働ける事、当たり前ですがそれが一番だと思っています!

━━ACチームのますますの進化が楽しみです。このたびはありがとうございました!

取材・文:遠藤義浩

(この記事の内容は2024年3月12日時点での情報です)


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