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珍奇な難曲!?「魔女のエチュード」全曲紹介

こんにちは。
葬送のオーケストラ「墓の魚 PEZ DE TUMBA」
作曲家です♪

私の作曲した曲集
「魔女のエチュード」
という作品があります。

葬送のオーケストラ「墓の魚PEZ DE TUMBA」の練習風景

いかにも
妖しげなタイトル
のこの作品は、
全7曲で構成されていて、
正式名称は
「魔女のエチュード 
~宗教幻想を題材にした6つの歌曲~」

といいます。

元々は
「墓の魚」の楽団員(特に歌い手)の為の
身内用の練習曲
として作った曲達で、
「墓の魚」の癖のある特殊な歌唱技法
敢えてふんだんに取り入れた
相当に厄介な作品集です(笑)

各曲、使用する楽器も特殊なものが多く、
曲が楽譜として完成してから
全てを生演奏で録音し、動画にするのに
かなり長い時間がかかっててしまいましたが、
ようやく全曲の録音が揃った記念に、
今日はこの
「魔女のエチュード」
各作品
皆様にご紹介していきたいと思います。

ちなみに
「魔女のエチュード」
というタイトルの通り、
確かに魔女達が登場する物語
歌った作品が多いので、
ハロウィンなどにいかがでしょうか?(笑)

↓↓↓

【第1番 葬儀の為のミサ 第一楽章】

「魔女のエチュード」なのに、
いきなりキリスト教ミサ曲で始まるのは
仕方ありません(笑)
「墓の魚」の世界観は
根底にキリスト教があるので、
開始はやはり
己の宿命への祈り(すなわち葬儀)
から始まるのです。

「墓の魚」の中で、
いわゆる
ミサ・デポー Missa dépôt(沈着するミサ)
と呼ばれる曲種。

【第1番 葬儀の為のミサ 第二楽章】

第一楽章よりも原始的な演劇色が強い
(ムジカ・テアトーロ(Musica Teatro)
という演劇の強い曲種に近い)
ミサ曲です。

キリスト教作品でありながら、
太古の響きを内包しています。

第一楽章が毎回演奏されるのに対して、
一度しか演奏された事がない作品。
いつか録音し直します。

【第2番 ドイツのサバトの舞踏】

ドイツの農村で、
夜に秘密裏に行われる魔女達の集会
(異教徒達の祭り)で踊られる
素朴で狂気的な舞曲をイメージして作った作品です。

混濁した和音が
牛の腐乱死体
高まる狂乱
ナス科植物の発酵
を表現しています。

リュートという古いギター伴奏で演奏されています。
所々にフィンランドの民族楽器なども
使用されてます。

【第3番 女妖術使マリー・ド・ジョルゼルの憂鬱】

コメディア・デラルテの様な
中世道化芝居をイメージして作曲した曲で、
チェンバロの伴奏により
早口大袈裟な演技力が問われる
非常に難解な作品です。

こういう作品を「墓の魚」では
ムジカ・テアトーロ(Musica Teatro)
と呼び、
「墓の魚」
一般的な歌唱力よりも、
こうした特殊な
南欧的な高いテンションや、
道化としての声色など、
コメディアとしての演技力が求められ、
歌手達を困惑させます(笑)

さらに
一定でない伴奏楽器との
阿吽の呼吸
が求められるので、
当作品はまさに
そうした技術面でのエチュード(練習曲)です。

魔女マリー・ド・ジョルゼルが、
ポルタという青年に恋をして焦がれる
独白が歌われます。

【第4番 私は月を仰ぎ黒猫と踊る】

こちらも早口のエチュードですが、
こちらはスペインジプシー風に歌う
ジィオマンディブラ Hiomandíbula
という種類の作品なので、
また異なる技術が必要となる曲です。

夜に住む魔女
真昼の光に焦がれて、
その想いを詩的に歌う内容が歌われます。

【第5番 あきらめなさいなオルラムンデ夫人】

ムジカ・テアトーロ(Musica Teatro)の一種。
ある一定の和声モチーフ
終始繰り返されながらも変化していく
という奇抜な作曲技法で作られた曲で、
歌い手のミュージカル的な演技力と、
癖のある楽曲演奏のエチュードとなっています。

夜が怖いヘタレな吸血鬼カルポッチャ・カポ
コミカルな吸血鬼達の芝居となっていて、
タイトルのオルラムンデ夫人は登場しません(笑)
ただ一度だけ、
かつて殺人を犯し、地獄に落ちた同胞
として名前が出てきます。

【第6番 全てが幻想だったのですか? イタリアのサバトの舞踏】

イタリアの人気のない山岳部の荒野で
秘密裏に行われる魔女達の集会(サバト)
テーマに作った
オペラ・コルメラウリス Opera Columela auris(槌骨オペラ)
と呼ばれる系統の作品です。

この作品では、
合唱(魔女使い魔達)の怨念(ドゥクエラス)の表現
が重要となり、
「墓の魚」独特の表現力が問われるエチュードです。


いかがでしたでしょうか?

本日は私の作品
「魔女のエチュード」
紹介をさせていただきました。

そんな作品を日本で制作していく
私や、私のオーケストラ
墓場(LA TUMBA)
と、博物誌
「墓の魚」
これからも
よろしくお願いいたします~。




【1000視聴突破ありがとうございます♪】
「墓の魚」のラテン詩と、
メメントモリ曲の融合した
配信動画
「死んだ珪藻とマキシロポーダのミサ」
こちらで公開中です↓↓↓

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