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同人活動に疲れた話


私は現在、小説メインの二次創作活動をしている。同人誌もこの一年で何冊か出した。活動を始めてからちょうど一年ほどが経ったところだ。

・二次創作とは元から存在するフィクションのキャラクターを小説、イラスト、漫画等を媒体に自分の好きなように動かして出力する営みだ。
著作権的にはグレーではある。Twitter、pixiv等のweb上や、コミケなどの同人即売会が主な活動の場
・同人誌とは自費出版の本である。


二次創作を始めたての頃は評価を気にせず、自分の書きたいものを書いて、同志と交流したり楽しくやってきたのだが、だんだんキャラ解釈が一致しない作品を受けいれられなくなる、人間関係に嫌気がさす、人と自分を比べてしまう、評価をやたら気にしてしまう等、 楽しかったはずの活動の中にしんどさを感じることが多くなった。

「二次創作なんて結局は趣味なんだから楽しくやってなんぼだよ」

「楽しめなくなったら距離を置いて別のことした方が良いよ」


インターネットでよく聞く言葉だ。その通りなのだが、活動を続けているうちに、二次創作自体が「趣味」じゃなくて「業」のようなものに変わっていった。簡単にやめることも出来ない。

これまでの「業」をチャートにするとこんな感じである。

活動を続けているうちに自分の解釈が先鋭化していき、それ以外の解釈が受け入れられなくなる。前は好きだった作品も見れなくなる。

別の人の作品や萌え語りを楽しめなくなる。むしろ見るのがつらい。
苦手な作品が自分の作品より伸びているとすごく嫉妬してしまう。

ついに同担拒否のような状態に。最初はミュートで済ませていたが、
かつて交流があった人のアカウントまでもリムーブ、ブロ解する

壁打ち(交流を主体とせず淡々と作品をあげるスタイル)アカウントに移行
フォロワーが半分以上減り、交流していた頃よりも数字が伸びにくくなり、反応も減る

数字で評価が如実に表れるWEB活動だからしんどいのではと思い、オフライン(同人誌)の活動に切り替えていくようになる。本作り自体は楽しい。

同人誌に切り替えたら切り替えたで、あーこの人ジャンル内で私の本は買ってないんだなあ、この人は感想もらえて良いなあと別の部分で嫉妬心が芽生える。

原作への熱も冷めつつあるし、(でもキャラクターへの愛着は捨てられない)
Twitterもやめたほうが良いのかなと定期的に考える。
でもいまでは数少ない好きな方と繋がれているTwitterを簡単に手放すことができない。

本心を言うともう疲れたしやめたい。けどまだ書きたいことがあるからやめられない

そんな感じである。純粋に初期の「この作品が好き!このキャラが好き!自分の妄想を形にしたい!できた!!満足!!」というサイクルでやれていた頃に戻りたい。

今は
「あー今回の前書いたのより自信あるのに前より数字伸びないな…。」
「前は毎回反応くれた人がいいねしてくれなくなっちゃった…。」
「作品上げたらフォロワー減ったな…あーツイートが表示できないと思ったらブロックされてるな…つら…」

こんな感じである。楽しいはどこへ行った

小説は書けば書くほど文章力がレベルアップしていると思いたいのだが、なぜか一人称と三人称も分かってないくらいノー知識の頃に勢いで書いた小説の方が伸び続けているのも地味に悩みポイントである。(ジャンルから人から減ったのかというとそうでもないし、これは前述の交流を断ったことも要因のひとつかもしれないが…。)

pixivのランキング入りも前はまぐれで何回かしたのだが、最近はご無沙汰である。
成長を実感できないどころか自分が退化しているように感じるのがつらい。

なんか…無償で褒めて伸ばしてくれる都合の良い編集のような存在(妖精)がいてくれたらいいのにな……。


「うまくなりたい、つよくなりたい」という欲を覚えてしまったから今苦しんでいるのかな。と書いていて気付いた。

「でもでも…趣味は楽しんでなんぼやろがい」

そうだね。


ところでこの話してたらユーフォニアムの黄前久美子が「うまくなりたい!うまくなりたい!」って言いながら走るシーンを思い出した。
楽器で稼いでいるわけではない彼らにとって楽器が趣味かと言うと全然そうではないと思うので、私も部活のようなものをやっているのかな。一人で……と思った。


あと、二次創作を始めてから「同人女の感情」にものすごくシンパシーを感じるようになった。


憧れの人に認知されたいとか、反応や感想がもらえないつらみとか、界隈内の人間関係が気になって仕方ない話とか分かり過ぎる。ほぼ実話ですよねこれ……。何度も読み返して励まされています。

同人活動に疲れた話 終わり。

楽しかったあの頃に戻りたい。



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