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転職エージェントとしての面接対策の考え方

こんにちは、ペルソナの金子です。

ここ最近は、女性のキャリアについて書いていましたが、今回は「面接対策」について書きたいと思います。

なるべく”言葉の定義にこだわる”ように心がけていますが、「面接対策」は、ずっと違和感があるワードでした。

だからこそ、私がご支援をする方には「面接対策」という言葉は使わずに「事前打合せ」と言っています。なぜかというと、世間一般的に使われている「面接対策」という言葉からは、面接合格がゴールのように捉えられてしまうように感じるからです。

私は、面接というのは、内定が出れば成功、というわけでも、見送りだったから失敗、というものでもないと思っています。試験のように点数ではかれるものではなく、ご縁とタイミングです。

特に私がご支援をしている30代半ば~50代の方々は、得意・不得意、自分のやりたいことがあり、軸を持ったうえで転職先を探しています。
企業側は、これまでの経験・経歴といったハードスキルと人柄・マインドといったソフトスキルを即戦力として採用したいと考えています。
売り手市場、買い手市場と言ったりしますが、実際のところミドル層以上の転職は、双方が買い手であり、売り手でもあると思います。

ですので、内定が出るための対策、という意味合いの面接対策には違和感がありました。今回は、面接対策について転職エージェントとして思うところを書いていきます。

「面接対策」でやること


転職エージェントが行う一般的な面接対策とは、面接通過しやすい傾向、見送りになる傾向から、したほうがいいこと、しないほうがいいことをアドバイスします。そのほかには、過去に面接を受けた方から得た情報をもとに、面接の流れ、想定される質問、面接官の人柄などの情報を提供したりします。

転職エージェントにとっては、面接は日常的なものです。しかし多くの人にとっては人生のうちで何十回・何百回もするものではなく、エージェントのほうがケーススタディを圧倒的に把握しています。

面接となると何か特別なことを準備しなくてはいけないのか、というとそうではないと私は考えています。法人、個人でも営業経験のある方でしたらイメージしやすいかと思いますが、何かを提案するためのヒアリングと共通点があります。

たとえば、家を購入するとなったとき、不動産の営業から、どうして家を購入しようと思ったのか?家族構成は?好き嫌いは?予算感は?時期はいつごろ?などをヒアリングされるかと思います。

家を購入するのが目的ではなく、心地よく落ちついて住みやすい環境を実現したい、という状態目標があって、それを叶えられるのが家の購入という手段というだけです。

意思決定には情報が必要です。これを転職活動の面接に当てはめてみると下記のような項目です。

・応募ポジションの募集背景
・期待される役割、成果
・所属する組織(人数、経験内容)
・面接官の経歴、経験
・会社の今後の方向性 など

どんな質問をされるのかよりも、上記のような情報を知っておくことが大切です。採用企業が求めていることを把握せずに、自らをPRしても需要と供給が噛み合いません。

面接対策で、自分が話すことを準備する前に、応募企業の情報を知ることから始めることをおすすめしています。相手を知ってから、どんな情報を提供するのがよいのかを準備する、この順番が大切です。

面接を有意義なものとするために


まず、面接官は完璧ではありません。

完璧だと思うと、どうやって乗り越えればよいのだろうかという「対策」という思考回路になります。面接官は完璧ではないことを知ることが第一歩です。

面接官が応募者の能力、適性、経験を正確に把握できるとはかぎりません。引き出す質問ができていないかもしれません。主語がなく意図のわからない聞き方をしているかもしれません。

面接は相互理解の場です。分からない質問のときは、「〇〇ということでよいでしょうか」と臆せず確認したほうがよいです。

仕事では、点と点の情報から推測したり、不確実性の高い情報をもとに判断する場面があります。面接は、だいたい1時間程度の面接が2~3回。面接官も応募者も、限られた時間で、意思決定しています。

そして、おすすめしているのは、話し言葉を文字にすること。頭の中で考えていても、とっさに出てきません。

エージェントとして、面接を有意義な機会にしていただくために、候補者の方と事前打合せをするなかで気にしていると感じたポイントは、企業側に伝えて面接内で伝えていただくようにしています。たとえば、在宅勤務の頻度など。面接官も事前に分かっていたほうが、準備ができて情報整理をしたうえで分かりやすい説明をすることができるからです。

エージェントは、応募企業の人間ではありません。やはり、直接話を聞いたほうが理解も深まりますので、候補者の方には事前に情報提供したことでも、質問してみてください、と私はお伝えしています。

たとえば経理、法務といった専門職について、転職支援をするなかで一定の知識はありますが、その道のプロではないため、同じ職種に従事する人から聞いていただいたほうが理解が深まります。

転職エージェントは黒子


転職エージェントはあくまで”黒子”であって、自分の意見を強く推し進めるようなことはしない、と肝に銘じています。

「〇〇さんは、〇〇だから絶対内定出したほうがいい」
「■■(会社)は、■■だから絶対応募したほうがいい」とは言いません。

企業に推薦するとき・候補者の方が応募企業を決めるために、意思決定に必要な情報として、推薦理由・根拠を伝えます。でも意思決定をするのは私たちの役割ではなく、出会いの機会を創出する役割だと認識しています。

この仕事は本当に奥深くて難しいです。
正解はないからこそ、常に自問自答しながら、日々邁進していきたいと思います。

ペルソナ株式会社 金子

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