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生活保護と医療

こんにちは、はやとくです。

今回は、某メンタリストさんの問題となった発言から、医療従事者としての私の意見や思いを少し語らせていただきたいと思います。

医療現場では生活保護の方の治療に携わることも多くありますので、一般の方よりも身近に感じているかもしれません。

問題となった発言をした動画をすべて見たわけではなく、切り抜き動画やニュースを見ただけなので、彼の考えや何を伝えたかったか正確には把握できていないかもしれません。
なので誤解などが生じている可能性もあります。ご了承ください。

▶生活保護制度は良くないこと?

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数年前に、売れっ子(?)芸人さんのご家族が生活保護を受けている、というニュースがありました。私の記憶では、その時は「なんで親族は裕福なのに、生活保護を受けいているんだ」「これは不正受給ではないのか?」といった、「生活保護」=「良くないこと」とするような意見が多かったように思います。

その考えは徐々に、またコロナ渦でだいぶなくなってきたように感じます。生活保護は「健康で文化的な最低限度の生活」を保障してくれるセーフティーネットであることや、治安を保つためにも有用な制度だということが広まってきています。

ですが、まだまだ「生活保護」=「良くないこと」という考えは残っています。例えば、失業者の増加に伴い自殺者が増加していること。自殺を選んでしまう理由は様々ですが、経済的理由であれば生活保護や自己破産などの選択肢もあるのに、「そんなことになるのは恥だ」といった先入観や、周囲に迷惑をかけたくないといった理由などで、自殺に至ってしまう人もいるとのことです。

確かに、不正受給の問題はありますが、それは「悪い人」が悪いのであって、「生活保護を受ける人」が悪いのではないです。もっと言えば、不正受給が起こらないように審査をしっかり行い、認定すればいいのです。

▶医療における生活保護差別

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生活保護制度ー保護の種類と内容

(引用:厚生労働省「生活保護制度」より)

医療・介護においては本人負担はありません。

正直、
医療現場の生活保護に対する差別は残っています。無料で医療や介護を受けられることに対してのヘイトが、生活保護に向けられています。誰に医療を提供しても、もらえる報酬は変わらないのにです。

「生活保護のくせにずっと入院して」
「生活保護のくせにこんなに薬を飲んで」

それって生活保護を受けている人が考えないといけないことなのでしょうか?私はずっと違和感を感じています。

むしろ、政府や医療従事者が、どんな人でも平等に必要な医療は提供でき、不要な医療は削っていくように体制や制度を整えるべきです。保険医療においては、生活保護だから必要なものを削って、お金があるから不要なものも提供するというのは間違っていると考えます。

患者さんにとって必要なものは必要、不要なものは不要です。

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今回はこれで以上です。

私も人間ですので、お薬の説明をしている時に「なんやこいつ」と思ってしまうことあります。でもそれは、生活保護だからではなく、単純にルールや礼節を守らないことに対する気持ちです。

ぱっと見の「あいつは得をしているズルい」とか「自分はこんなに苦しんでいるのに」とかに惑わされずに、本質を見極められるようにしていきたいですね。

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