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【人事/採用】これからの「キャリア」の考え方

こんにちは!People Treesです。
人事に関わる情報をお伝えする「人事のツボ」コラム第6弾です(・ω・)♪

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経営者・人事担当者の方はぜひご一読ください!


多様性と共存する企業と芯のあるキャリアをもつ個人が選ばれる時代へ

あなたは「キャリア(Career)」の本来の意味を知っているだろうか?
「キャリア」と聞くと、真っ先に思い浮かぶのが「仕事・経歴」ではないだろうか。キャリアの語源は、馬車などが通ってできる“轍(わだち)”を意味し、厚生労働省が提唱するキャリア概念(※1)では『時間的持続性ないしは継続性を持った概念』と定義され、キャリアとは本来、働くことを含めたプロセスや生き方そのものを示す言葉である。

つまり、キャリアを考える上では仕事に留まらず、人生全体(生涯)について考える必要があり、プライベートと言われる部類も切り離せない。実際「幼少期に馴染みあった海外に関わる仕事を」「命を救われた経験から医療従事者に」「子供や家族、親との時間を優先した働き方を」などプライベートな事象や価値観がキャリア形成に深く影響することもある。

このようにキャリアとは生涯そのものであり「キャリアを考える」とは「人生を考える」とイコールである。

※1:厚生労働省『キャリア形成を支援する労働市場政策研究会』報告書


People Trees合同会社 パートナー 若本 真由子

【コラム筆者プロフィール】
若本 真由子
<略歴>
名古屋工業大学卒業後、新卒求人媒体の法人営業や理系学生向けの就職イベントの企画を行う。その後、パーソルキャリア株式会社に入社。キャリアアドバイザーとして、延べ1,000名以上の転職支援を実施。特に東海エリアのメーカーにお勤めの研究職、技術開発職、技能職の方々の転職支援を中心に担当。キャリアカウンセリング、面接対策、退職交渉サポートなど、転職を軸に個人に寄り添った幅広いサポートを実施。2019年に国家資格キャリアコンサルタントを取得。現在は子育てをしながら、独立し「個人の価値観を大切にし、社員のパフォーマンスを最大限に引き出す企業・個人のキャリア支援」をモットーに、引き続き個人でキャリア支援や、就職・転職イベントでの講師、企業の採用支援やキャリア開発・能力開発を実施。


1.多様な人に支持される会社が有能な人材を獲得する時代へ

これまでの日本は新卒一括採用・終身雇用で、優良企業への入社が勝ち組とされ、1社で長く勤め上げることが美徳であった。
しかし人材の流動性を掲げる政府の方針からも「そういった美徳」が崩れさり、人材(スキル)を共存する世界が目の前に迫っていることが見て取れる。

そんな世界で有能な人材を獲得するには「多様性との共存」がカギとなる。ここで言う「多様性」とは年齢・性別・国籍などハード面に加え、価値観(人生観・仕事観)などソフト面の多様性も意味する。
有能な人材であるほど自身の生涯をしっかりとデザインし、それに見合った企業と手を組むだろう。ただ何を良しとするかは十人十色のため、企業は多様な人に支持される仕組みを整えているかが重要となる。

しかしこれは大きなチャンスでもある。
これまで有能な人材は中々市場に解放されなかったが、今後は有能な人材をシェアすることができる。また既存社員を開放(完全に束縛を解くわけでなく、自由にシェアできる状態に)することで、一企業では得られなかった能力を得て、自社に還元してくれる可能性もある。

今後企業に求められるのは、いかに上手く有能な人材とパートナーシップを組み会社を思う方向に発展させていくかであり、そのためには、その受け皿となる多様な人材と共存する環境整備(人事制度設計、組織・人材開発、etc.)が急務となる。

2.芯のあるキャリアが「自由」に繋がる時代へ

企業が多様性との共存を求められる中、働く個人に求められるのは「芯のあるキャリア」である。
これまでは一企業内でどう価値を高めるかが重要視され、良い企業に属すれば安泰とされてきた。
しかしこれからは企業・日本内外問わず有能な人材がシェアされる時代となる。
たとえ良い企業に入社しても、心地の良い環境に胡坐をかけば、そのポジションはあっという間に別の人材に奪われる。終身雇用の終わりは、入れば安泰・居れば安泰という依存型の受け身なキャリア形成の終わりを意味し、望む生き方のためには、誰もがキャリアに向き合い、弱肉強食の世界で打ち勝っていく武器を得る努力が否が応でも必要とされる時代の到来と言える。
米国では既にスキルレベル・賃金の二極化が進み、人生を賭けスキルを磨き自由を手にする人々と、数少ない選択肢から選ばざるを得ない状況を強いられる人々とに二分化している。

では、どうすれば望む人生が送れるのだろうか。その答えが「芯のあるキャリア」である。
会社はパズルのように完成形を目指しスキルのピースを埋めていく。その時必要とされるのは「私はここに長けている(=芯はここである)」と社内外に明示できるかにある。
芯をもってキャリアを描いていくことで、企業内の評価や組織に束縛されず、思い描くフィールドで、思い描く人々と、思い描くキャリア(仕事を含めた人生)を手にできる時代、すなわち自由を掴みとれる時代が到来する。

そんな風に皆が芯のあるキャリアを描き、企業が多様性と共存するフィールドを提供することで、日本経済・世界経済がさらに大きく発展し、自分らしいキャリア(望む生き方)で心が満たされる日々を送れる人が増えていくことを願う。
 


本コラム「人事のツボ」は東京経済株式会社さんが発行されている「東経情報(九州版)」にて掲載中です。

第7弾もお楽しみにお待ちください(・ω・)♪


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