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【人事/採用】1on1ミーティングの効果を高めるポイント

こんにちは!People Treesです。
人事に関わる情報をお伝えする「人事のツボ」コラム第5弾です(・ω・)♪

前回の記事はこちら↓↓↓

経営者・人事担当者の方はぜひご一読ください!


1on1ミーティングの効果を高めるポイント5つ

1on1ミーティングはアメリカのシリコンバレーで取り入れられていた制度であり、上司とメンバーが1対1で対話する機会を持つことを指します。2014年頃当時ヤフー株式会社が取り入れ、書籍「ヤフーの1on1」(本間浩輔著)がきっかけで日本に広まっていきました。さらにコロナ禍がきっかけで1on1ミーティングを導入する企業も多くみられました。

ですが、「どのように始めたらいいのかわからない」というマネージャーも多いのではないでしょうか。
1on1を定着させ、効果を得るためには「ただ1on1をやる」だけでは意味がありません。今回は成功に導くためのポイントを5つに絞ってご紹介致します。


People Trees合同会社 パートナー 磯野 篤紀

【コラム筆者プロフィール】
磯野 篤紀(People Trees合同会社 パートナー)
大学卒業後、中小事業会社2社(飲食・販売、IT)の人事総務担当として、労務管理を中心に採用・総務・社内報等、人事・総務領域全般を幅広く従事。
ヤフー株式会社に転じ、労務(給与厚生)、人材育成、組織開発、HRBP、大阪拠点人事総務責任者を経て、2020年11月から200名規模のIT企業の人事マネージャーを務める。
労務(給与厚生)、人材育成、組織開発、組織活性、HRBPを幅広く経験。
研修プログラム作成から研修講師を務め、特に1on1導入、浸透、向上施策の企画が強み。
<主な研修・ワークショップ事例>
1on1ミーティング支援プログラム(1on1ミーティングの設計と進め方、コーチングの基本、フィードバックの基本)、ティーチング研修、ビジネスコミュニケーション研修、キャリア自律支援研修(自律的なキャリアを描くセルフワークショップ)、会議ファシリテーション研修、ビジネスマナー研修等


1.1on1を実施する目的や前提をメンバーと共有する

1on1は前提として「相手のための時間である」ことが重要です。
1on1がうまくいかない代表例の一つとして、上司とメンバー間で1on1の目的や前提がすり合っておらず話が噛み合わないことがあります。
具体的には、上司は「メンバーのための時間である」という前提で1on1に臨むが、メンバーは「上司のための時間である」と勘違いして臨んでしまうケースがあります。
こうなってしまっては、いつまで経っても話が噛み合わずお互い無駄な時間を過ごすことになりかねません。
初めて1on1をする際、前もって目的と前提をしっかりとメンバーと話し合っておくことが大事な準備になります。

2.話したいテーマ・ゴールを一致させる

限られた1on1の時間を有効に使うために、今日は何について話すのかを決めて、その話題についてどこまでたどり着いたらよいかについて、自分とメンバーとで一致させておくことがとても重要です。
これをやっておくことで、途中で話が横道に逸れても、互いに「今日は・・・についてでしたね」と、すぐに戻すことができます。限られた時間を有効活用するためには欠かすことのできないプロセスです。

また、話題については原則的に、メンバーが持ち込んでくるものという前提を共有しておくのが良いでしょう。
その上で、どうしてもメンバーから挙がってこない場合は、自分から“メンバーが気にかけていそうな事柄”について質問してみましょう。
そのためには、普段からメンバーをよく観察して、いわば振りネタを2,3見出しておく必要があります。
これは1on1における最低限の準備事項となります。ただし、これはあくまでメンバーから出てこなかった場合に限り使うという姿勢です。

いずれの1on1の出だしでも、最も大事なことは、今日は何についてどこまでいくぞ、ということが合意できているということです。

3.メンバーの話を聴く

扱うテーマが決まったら、それについてメンバーが話している状態をつくります。一番のポイントはメンバーが話したいことを全部出しきることになります。

そのために上司は、メンバーがどんなことを考えているのか、感じているのかをしっかり観察し、ひたすら耳を傾ける役に徹します。
なるべくたくさん話してもらうためには、話しやすい雰囲気に配慮することが大切で、聴いている、受け止めていることを態度で示しながら聴きます。
とはいえ、話すことが苦手な相手もいるでしょうし、その際は、まずはとにかく何かを口に出してもらうことを目指します。

4.相手に合ったコミュニケーション

1on1コミュニケーションを向上させるスキルとして真っ先に思い浮かぶのが、コーチングではないでしょうか。相手の考えを引き出すという点において、1on1とコーチングは非常に相性がよいと言えます。

ただし、1on1をはじめとしたメンバーとのコミュニケーションを「コーチングだけ」では効果的に進められません。
当然ながら、コーチングは万能ではありません。時には「ティーチング」(教える)、時には「コーチング(引き出す)」、振り返りをサポートするために「フィードバック(伝える)」をする、というメンバーの経験値やスキルレベル、その時の状況に応じたコミュニケーションをしていくことが重要です。
そのために日頃からメンバーを観察し経験やスキルレベル、状況を把握しておく必要があります。

5.1on1の目的を忘れないこと

「1on1を何のためになっていますか?」と問われて即座に答えられるでしょうか?
おそらく多くの方は言葉に詰まってしまうのではないかと想像します。
各企業で1on1導入時に何らかの目的を定め社員に周知していると思いますが、時が経ち当たり前のように1on1を定期的に実施していくと、当初の1on1の目的を忘れてしまい、いつしか1on1を行うことが目的になってしまいがちです。定期的に当初の目的に立ち返り1on1を実践することをおすすめします。

「1on1は目的を達成するための一つのツールにすぎない」ということを肝に銘じておくことがとても重要です。


以上、1on1ミーティングの効果を高めるポイントについて5つに絞って紹介しました。
1on1の進め方やスタイルに絶対的な正解はありません。1on1は完璧を求めるものではなく、継続してこそ効果を発揮するものだからです。1on1がうまくいかない理由は必ずしも上司のスキル不足だけが原因ではありませんし、メンバーのせいでもないのです。

1on1は前提として「相手のための時間である」ことが重要です。上司側だけが効果的な1on1を目指していても上手くいきません。時にはメンバーから自分の1on1についてフィードバックをもらうようにしながら、メンバーと一緒に1on1という場を作り上げていく姿勢が大事なのです。


本コラム「人事のツボ」は東京経済株式会社さんが発行されている「東経情報(九州版)」にて掲載中です。

第6弾もお楽しみにお待ちください(・ω・)♪

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