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【人事/採用】チーム力を最大化するリーダーシップ

こんにちは!People Treesです。
人事に関わる情報をお伝えする「人事のツボ」コラム第4弾です(・ω・)♪
第1~3弾記事は下記からご覧いただけます。

経営者・人事担当者の方はぜひご一読ください!


チーム力を最大化するリーダーシップ

昨今、新型コロナウィルス感染症のパンデミック、ウクライナ危機のような地政学上のリスク、経済環境におけるボラティリティの高まり、地球環境の変化など予測不可能な状況が絶え間なく続いており、今後もこの状況は続いていく可能性がある。歴史を振り返ってみると、こうした混沌とした先行きの見えない状況であればあるほど、カリスマリーダーの登場が待望されるが、もはやリーダー1人の力で打破できるような状況ではなく、組織が生き残っていくためにはリーダーがいかにチーム力を最大化できるかどうかにかかっている。

本稿ではチーム力を最大化するためにリーダーが果たすべき役割について3つのポイントを提案する。


People Trees合同会社 パートナー 渡辺 優一

【コラム筆者プロフィール】
渡部 優一(People Trees合同会社 パートナー)
中高大とチームスポーツでリーダーシップを発揮する立場を経験することで組織と人の変容に興味を持つ。
一橋大学卒業後、総合人材サービス企業に入社し求人広告の営業に従事。その後、経営コンサルタントにキャリアを転じ、日系組織人事コンサルティングファーム、外資系組織人事コンサルティングファームにて約15年間コンサルティングプロジェクトをリード。幅広い業界の企業に対し組織と人に関する包括的なコンサルティングを多数手掛ける。
2022年より日系大手IT企業に転職しグローバルの組織開発・人材開発を推進。
<主な得意とする領域>
グローバルグレーディング、人事制度設計、サクセッションプランニング、エグゼクティブアセスメント、タレントマネジメント、エグゼクティブコーチング

1. パーパスの共有

リーダー自らがメンバー全員と何を成し遂げたいのかを熱く伝え、合意を促し、実現に向かってメンバーのモチベーションを高く保ち続けるようなリーダーシップの発揮が求められる。

そもそも何のために誰のためにこの仕事に従事するのか、最終的に到達したいゴールはどこか、どんな価値を提供したいのか、ということがメンバー全員に腹落ちしており、パーパスを起点として働けるような状態を構築することが求められる。
パーパスが最初の段階でぶれている、あるいは認識に齟齬が生じていると、徐々にメンバーの歯車は噛み合わなくなり、最高品質のアウトプットを生み出すことは夢物語になるばかりか、最終的にはメンバーは疲弊感や不満だけが残り、二度とこのチームで働きたくないと感じるだろう。

パーパスは、後々になって軌道修正することは困難を極めるため、決して疎かにしてはいけない。パーパスが明確になり共有されていれば、それに強く共鳴するメンバーはパーパスを原動力とし、高い帰属意識を持ちながら最大限の貢献を果たしてくれるだろう。


2. 対話する文化の構築

初めから完璧なチームなど存在しない。何か新しいことを試し、成功・失敗し、振り返り、学び、次に活かしていくという永続的な営みの中で、試行錯誤しながらチームとしての共通点を見出したり相互理解を深めたり、行動原則を確立していくプロセスがチームとしての成長に繋がっていく。
こうした成長プロセスに必要なのはリーダーのトップダウンによる意思決定ではなくメンバー間(リーダー自身を含む)での継続的な対話を行う文化の構築である。

対話する文化の構築で重要になるのは、リーダーが率先して自身がうまくできなかったことや苦手なことをどんどん自己開示することである。
完璧なリーダーあるいは完璧を装うリーダーの前では誰もが本音を開示できなくなる可能性があり、チーム内に目に見えない心理的な壁が生まれてしまう。心理的な壁がある状況では信頼関係の構築は難しく対話する文化には繋がらない。
リーダーが率先して弱みを見せることでハードルが下がり、メンバーは弱みを気にすることなく強みを発揮することに注力することも可能になる。

私たちは信頼関係があるから弱みを見せられると思いがちだが、実は先に弱みを見せて共有されるからこそ信頼関係が生まれるのではないかと考える。
リーダーが弱みを見せるということは言うは易し行うは難しということかもしれないが、弱みを見せられることをリーダー要件に組み入れてしまうというのも1つの手段かもしれない。

3. リーダーはコーチ

経験豊富で成果志向やリスク感度が高いリーダーほど、
「そういう時はこうすればいい」
「それをやるとこうなるから早めに対処した方がいい」
と転ばぬ先の杖を渡したくなってしまうかもしれない。

短期的に成果を得るためにはやむを得ない部分もあり、メンバーからアドバイスや教えを求められた時には応えても良いが、求められていない時点でのアドバイスは、メンバーが自ら試行錯誤する、あるいは体験から学ぶ機会を奪ってしまう。
一方的な指示・アドバイスに慣れてしまったメンバーはその後の様々な事態が起きた場合にも「どうしたらいいですか?」と指示待ち・他者依存の状況に陥ってしまう。

いわゆる経験学習を促進するコーチ役がリーダーの役割であると認識し、リーダーは目的を明確にしながらも
「それで、あなたはどうしたらいいと思っているの?」
と問いかけてメンバーに自分で考えることを求め続けてみてはどうだろう。

自らの頭で考え行動し成果を生み出す経験を積んだ人材は自身の手ごたえを喜び、強みを認識し、その成功体験を元により主体的・自立的に動ける人材になっていくだろう。


以上、チーム力を最大化するためのリーダーの役割について3つのポイントを提案したが、まずはパーパスを共有することから着手するといいだろう。

パーパスに共鳴するメンバーを集め、対話する文化を構築しリーダーがコーチの役割を果たすことで、自ずとメンバー1人1人が自らの強みを活かしながら最大限の貢献をしようというマインドセットを持ったチームに近づき、予測不可能な環境下でも生き残っていけるだろう。


【「人事のツボ」コラム】
東京経済株式会社さんが発行されている「東経情報(九州版)」にて、人事に関わる情報をお伝えする「人事のツボ」というコラムの連載が2022年8月からスタート。東京経済さんの許可をいただき、note内でもコラム記事内容をご紹介しております。

次回第5弾も楽しみにお待ちください(・ω・)♪


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