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【人事/採用】「エンゲージメント」を上げて従業員・株主に「モテる」会社へ

こんにちは!People Treesです。
人事に関わる情報をお伝えする「人事のツボ」コラム第3弾です(・ω・)♪
第1弾、2弾記事は下記からご覧いただけます。

経営者・人事担当者の方はぜひご一読ください!



「エンゲージメント」を上げて従業員・株主に「モテる」会社へ

従来は「年功序列」「新卒一括採用」終身雇用を前提とした「メンバーシップ型雇用」が典型でした。近年は、「終身雇用の崩壊」「人材の流動化」「ジョブ型雇用」「副業解禁」・・・・
と組織のあり方は大きく変わりつつあります。その中で企業は、より労働市場から「モテる」会社になることが求められています。
 
企業と個人の関係は、縛り、縛られるような“相互に拘束し合う関係”から、選び、選ばれるような“相互に選択する関係”へと変化をしているのです。
今回は、選ばれ続ける会社になるためのエンゲージメント向上のポイントをご紹介します。

People Trees合同会社 パートナー 森 朝香

【コラム筆者プロフィール】
森 朝香(People Trees合同会社 パートナー)
同志社大学卒業後、株式会社リンクアンドモチベーションに入社。西日本の中小企業ベンチャー企業様向けに組織開発の支援を行う。
組織エンゲージメントを切り口に、理念策定浸透、採用支援、制度設計、育成設計など、個社ごとの幅広い支援で、個人が活かされ事業が伸びる組織づくりをサポート。
現在は、独立し“個人の可能性が解放される社会に”という想いの元、組織開発・個人開発の両面で企業と個人の支援を行う。

「エンゲージメント」とは?

組織人事領域で見聞きするようになった「エンゲージメント」という言葉。
言葉の意味としては「約束」「契約」という意味です。婚約指輪のことを「エンゲージリング」と呼びますが、人事の領域で用いられる場合「エンゲージメント」は従業員の会社に対する、「愛着心」「愛社精神」「思い入れ」といった解釈をします。
つまり、会社と従業員がお互いに思い合い「相思相愛」の状態になっている関係性を「エンゲージメント」が高い状態とイメージいただければと思います。

グラフ①「エンゲージメントスコア営業利益率」の関係性

グラフ①:出典:https://www.lmi.ne.jp/about/me/finding/detail.php?id=14 慶應義塾大学 大学院経営管理研究科/ビジネス・スクール 岩本研究室 研究

「エンゲージメントが高いと営業利益は高まるのか」を、「ES=エンゲージメントスコア」と「営業利益率」を用いて分析した結果が上のグラフです。結果、両者には相関が見られ、「ES1ポイントの上昇につき、当期の営業利益率が0.35%上昇する」ことが分かりました。会社と従業員の「相思相愛」度合い=「エンゲージメント」が向上すれば、社内の人間関係も良好になり、従業員の「本音」のコミュニケーションが増えていきます。すると、業務の「問題」や「課題」が議題にあがりやすくなり、改善活動が回りやすい組織になっていくのです。つまり、「エンゲージメント」は営業利益率にプラスの影響をもたらすということです。

「エンゲージメント」はどのように測定する?

これまで、企業は経営状態を公開するためP/LやB/Sといった財務情報を明示している一方、組織状態測るモノサシはありませんでした。
現在、大手企業を中心に、「組織状態」を示す非財務指標として、中期経営計画、ガバナンス報告書、CSRサイト、決算資料等、あらゆるメディアにて「エンゲージメントスコア」が公表されています。「従業員」に選ばれる組織づくりのためにも、「株主」に選ばれる組織づくりのためにも、「エンゲージメント」が重要になってきています。

会社と従業員の「相思相愛」度合い=「エンゲージメント」の測定については近年様々なツールが開発されています。従来の従業員満足度調査と測定方法は変わらず、アンケート調査で実施をします。近年では、診断結果が分かりやすくダッシュボード上に反映をされ、集計・分析の手間は少なくなってきています。様々、測定の手段はあり、ツール提供会社によって測定する項目も違いますが、会社と従業員の「相思相愛」を構築する要素は大きく3つの関係性から紐解くことができます。

  1. 経営⇆従業員の関係性

  2. 上司⇆部下の関係性

  3. 部署内の関係性

会社には上記3つの関係性があり、「エンゲージメント」の状態を測定するためには、どこにどんな組織課題があるのかを見ていく必要があります。1つの会社の中でも、エンゲージメントの状態は部署によっても様々です。

「エンゲージメント」診断結果に対しての打ち手事例

例えば、支社展開をしている会社の例をお話します。ある支社は、本社に比べて、「②上司⇆部下の関係」「③部署内の関係性」は良好だが、「①経営⇆従業員の関係性」が悪化しているという結果がでました。より詳しく内容をみていくと、「上司からの戦略伝達」などの項目や、「部署内の連携・コミュニケーション」の項目は高いが、「経営からの戦略伝達」の項目や、「経営層への信頼」の項目は低くでていました。

この場合、想定されるのは、支社のリーダー層が経営層からの戦略を伝達せず、本社・経営層を支社の「共通の敵」とするようなコミュニケーションを自社メンバーに行っている可能性があります、支社を「自分の島」のようにしてしまっているパターンです。
解決施策としては、支社長層に、「自組織の状態」に向き合ってもらうため、エンゲージメント診断の結果を共有し、一緒に改善策を考えていく機会を設ける、もしくは経営層と支社長の面談の機会を設定をすることが効果的だと考えます。

このように、会社の中でも3つの関係性の状態はバラバラですので、支店・部署・職種・階層などに見方を変えながら分析を行い、課題を発見することが重要です。

 「エンゲージメント」は、従業員に選ばれ続けるためにも、株主に選ばれ続けるためにも、重要な指標です。まずは自社の組織状態と向き合うため、「エンゲージメント」というモノサシを入れて、定量的に自社の現状を把握していただき、組織改善を回していくキッカケにしていただければと思います。


【「人事のツボ」コラム】
東京経済株式会社さんが発行されている「東経情報(九州版)」にて、人事に関わる情報をお伝えする「人事のツボ」というコラムの連載が2022年8月からスタート。東京経済さんの許可をいただき、note内でもコラム記事内容をご紹介しております。

次回第4弾も楽しみにお待ちください(・ω・)♪

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