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自然感受については駆け出しの新人なのです。

今年の登山企画第1弾で登った山は、鳥取県にある「鳥取大山」だ。

標高1709mの山頂を目指して登るコースで行ってきた。

ここに登ることになったのは、私が当面の人生テーマとして「センス・オブ・ワンダー」を掲げる前に、広島に住んでいる友人にたまたま誘われたからだ。

先週は例の大型台風の影響で天候が不安定だったので、ギリギリまで実施が危ぶまれたが、その当日にはなんとか持ちこたえた。

ホテルを出てからしばらくは清々しい快晴だったのだが、車が登山口に到着すると、少しずつ雲が増えてきた。

どんよりとした灰色の雲が浮かんでいて、今にもパラパラと雨が降りそうだったが、風は弱かったので、登る決心をして歩み始めた。

登り始めてしばらくは、丸太で階段状に整備された道をひたすら進む。「センス・オブ・ワンダー」を意識するため、自分自身の五感を意識しながら山中を進んでいく。

周辺には夏山らしい樹木の数々がそびえ立っており、その葉の緑が目に優しい。耳には木々の葉が風でさざめく音と、遠くで静かに鳴くセミの声が響く。

先日購入した登山靴と登山用リュックを身につけ、元々持っていた綿の長ズボンと、当日まで買い忘れていて自宅を出発した直後の道中で買った長袖の吸湿・速乾シャツに身を包んで登っていると、少しずつ山中特有の涼し気な風が身の回りを駆けていくようになってきた。内側から上昇していた体温をすーっと下げてくれるようなその風が心地よい。

標高が低い間は遠くの景色はあまり目に入らないので、友人たちとの会話をほどほどに楽しみながら息が切れない程度のペースで黙々と進んでいると、いつの間にか標高が上がっていて、あっという間に6合目に到達した。

さすがに6合目までくると、日本海や周辺の樹海、鳥取米子の街並みなどが一望できる。夏特有の若干霞がかった姿だが、その景色はここまでの登山疲れを癒してくれるようだった。

標高が上がるにつれて風が強くなり、雨がポツポツと降ってきていたこともあって、立ち止まって休憩しているとかなり冷える。汗をかいたシャツが体に付着するとひんやりと冷たく、お腹が冷えてしまいそうだ。それを防止するために、とりあえず腹巻代わりにタオルを挟んで応急処置をしてみた。

6合目にはありがたいことに避難小屋があったので、その中で一休みすることにした。外は強い風が吹いているのだが、避難小屋の中に入ると、その強風を全く感じさせないほど静かだった。これは登山中にトラブルがあったとき、きっと安心感を与えてくれるだろうな、と思った。

小屋の中で少しだけ腹ごしらえをして、雨と防寒対策のためにレインウェアを身に纏い、再び出発した。レインウェアについては先日購入未遂(正確には、購入した後にビビッて返品)したので、これはレンタル品だ。それなりの性能のものをレンタルしたので、雨が全く気にならないと共に、ウィンドブレーカー的な機能も果たしてくれて、非常に快適だ。

いつの間にか地面にゴツゴツした岩が増えてきて、しばらく登っていくと8合目に到達した。ここまでくると、もう辺りは真っ白で景色は全く見えない。まさに、雲の中にいるような感覚である。

負けずにさらに歩みを進め、9合目以降は木製の橋の道が続いている。もしこの雲と強風が無ければ、きっと晴れやかで景色のキレイな素晴らしい場所なのだろうが、今回はそれを拝むことはできなかった。

この橋の道には手すりが無く、ちょうど手の位置に気休め程度のロープが片側に張られているだけだったので、強風により煽られ、落下しそうになる恐怖を味わいながら進み続けると、ついに山頂に到達した。

山頂には標高1709mの表示があって、真っ白な景色を背景に写真を撮った後は、そそくさと山小屋に入った。山頂小屋では、友人が持参したミニガスコンロでお湯を沸かし、カップラーメンを食べた。雨と強風で冷えた体には最高の昼食だった。ありがたい。

しばらく休憩した後、再度出発し、無事に下山することができた。

「センス・オブ・ワンダー」を意識しながら登山および下山した様子をとりあえず書き並べただけなので、この記事にこれといったオチはないことを許していただきたい。

本当はもっと何か豊かに感性を働かせたことや内容を書ければよかったのだが、私はまだ自然感受については駆け出しの新人なのだ。

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