米国IT企業でよく使う目標設定・運用手法OKR #アメリカで働く
米国在住でIT企業に勤めるエンジニアのペンギン侍です。
みなさんお読みくださってありがとうございます😊
本日は自分の働く会社でも採用されている
企業やチーム、 個人が協力して目標を設定するための手順の
OKR = Objective & Key Result(目標と主要な結果)
について触れたいと思います。
もともとは1980年代インテルで利用されていたことが有名な手法ですが、2000年代以降Googleなどでも利用され、成功を収めたとのことから、
多くの米国IT企業で採用、最近では日本でもIT企業を中心に増えているように思います。
OKRとは?
OKRを提唱しIntel、Googleで運用を率いた方(ジョンドーア)の著書が日本語訳されています。
目標設定ではドラッカーが提唱したMBO(Management by Objectives)などが有名ですが、この目標設定が難しい、場合によっては目標の設定で組織が暴走、破滅に向かってしまう危険性があることから下記のような特徴を持たせた傾向があります。
そこでOKRは
目標は重要なものを3個程度に限定
何をどのように達成するかを書く
4半期ごとに見直す
社内で公開
ボトムアップ
報酬と分離
柔軟に修正や取捨選択をしてよい
失敗を恐れない・野心的な目標
これらを意識しながら会社、部署、個人のレベルで目標(Objective)と主要な結果(Key Results)を決めていきます。
例えばある時のGoogleのYoutubeビジネスのOKRはこのようなものでした。
OKRの実践的な運用
では米国IT企業の組織、そして個人にとって
どのように運用されているのかですが、
自分の勤める企業含めて、
トップダウンとボトムアップどちらにも長所と短所があるので、
どう混ぜるとパフォーマンスがあがるのか苦慮し、
OKRをその一つの手段として利用しているように思います。
経営陣や上司がつくるOKRが見える状態で、
個々のチームメンバーがOKRを設定します。
基本的にOKRの設定はボトムアップですが、
毎週の1on1から今の業務での期待値ややっていることは上司とすり合わせられているので、
いきなりまっさらから個人で取り掛かるわけではありません。
OKR利用で実感するメリットと難しさ
OKRを実際に利用してみて実感したメリットは大きく3つあります。
メリット1:良い失敗に対する寛容さ
会社のOKRを実現を目指し、各個人が計画実行するので、プロジェクトが失敗となっても正しいチャレンジをしていたのかが明確になり、勇気を持った挑戦を否定されることがありません。
Googleの「20%ルール」などは有名ですがOKRの考え方をベースにしているから発散しないのかもしれませんね。
メリット2:透明性と部門間協力の強化
会社、部署のOKRから方向性が明確になるだけでなく、他人、他部署のOKRも見えるので、全体の中でずれが大きければ、フィードバックが入りやすくなります。
また部門横断的なアイデアを思いついた時に、「このプロジェクトを助けてくれそうな部署は?」とか「この人のOKR達成に貢献できるのでは?」と部門間協力のハードルが下がるように感じます。
メリット3:止める決定の柔軟性と報告作業の効率化
OKRは四半期ごとに見直し、連続性があります。
やり始めてうまくいかなそうなのが分かった時点で、3か月ごとにはやめる判断ができます。
年度初めに計画、年度末にレビューという環境でも働いたこともあるのですが、部署単位で「半期でうまくいっていないことに気づきながら、それっぽい結果をかき集めて今年度うまくいったというレビューを作成し、翌年の計画からは消える」という”あれ意味あったのか?”案件が多数ありました。
IT業界は変化が激しいので、思いついたことをとにかく始めて、うまくいかなければ止めるという点でOKRとの親和性が良さそうです。
そしてOKRのアップデート=レビューになっているので、
計画やレビューの報告のための作文時間にたくさんの時間を奪われなくていいというのも副次的な良い点と思います。
一方で難しさをあげるなら
難しさ:プレイヤー全員の計画&実行能力
OKRはボトムアップなアプローチなので、
プレイヤーが主体的に提案、活動、レビューできる人材で構成されている必要があります。
特にこれまでトップダウンで言われたことをこなすことに慣れていると
いきなり自分で計画をするハードルは高いと感じるかもしれません。
まとめ
OKRはトップダウンの方向性と、社員の自発性に期待するボトムアップ双方を合わせながら目標設定・運用ができる手法と思います。
IT系のように自発性、創造性が求められる業界と親和性が高く、
規模感としては、
社長が個人を把握しきれない、
トップが各部署のOKRを把握できる程度という、
数100~数1000人規模に良さそうに思います。
そして、なによりこれを使ったら組織がうまくいく手法は存在しないので、
その手法を通じて何を(What)、なぜ(Why)求めているかのコミュニケーションが重要ですね。
今回は米国IT企業でよく使われる目標設定・運用手法OKRを紹介しました。
OKRが気になった方は、提唱するベンチャー投資家ジョンドーアの書籍をお読みください。
私は英語で深い理解ができている自信がなかったので日本語訳の書籍で復習しました。
最後までお読みくださりありがとうございました!
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