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ぺも短篇集

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エッセイや物語など
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#ぺも短編集

エッセイ「付き合ってはいけない友達」

エッセイ「付き合ってはいけない友達」

彼と出会ったのは小学校に入学したての頃である。

入学式の次の日は、プレの授業日で学活が2時間ほどあってすぐ下校する日だった。帰り道に、よく知らない数人の塊で下校しようとしたとき、級外のおばさんの先生にみんなが興味を示してしばらく雑談していた。
あとから思うと、そのおばさんの先生はかなり厳しい人で、一ヶ月もすればその先生の前ではふざけられなくなっていた。

先生の名前を当てるというくだりになり、誰

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【エッセイ】 「チビ」

【エッセイ】 「チビ」

 僕が小学1年生の頃、S君とF君と僕の3人で登校していた。親同士が小学1年生を単独で登校させることを危惧していたことや、互いが近所であることが重なった結果だろうと言える。話の内容はよく覚えていないが、登校中の20分間を飽きずに過ごすことができたのは紛れもない事実である。

 しかし、小学生1年生の1学期が終わる時、S君が引っ越した。引っ越すとはいえアパートから一軒家に変わるという目的のもので、どこ

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最古の記憶

最古の記憶

僕は友人から最古の記憶を聞くのが好きだ。その人にとっての最も古い記憶は、その人の人格の形成する大きな潜在的キーポイントだと思う。
というのは単なるこじつけで、実際理屈無しに他人の古い記憶を教えてもらうことは僕にとってめちゃめちゃ楽しい事なのである。

そんな僕の最も古い記憶は、3歳、幼稚園の入園式のことである。
入園式が滞りなく終わり、先生方は保護者に対して、バス通園や食物アレルギーなどの大人の話

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サンカク[超短編小説]

サンカク[超短編小説]

 30年前のその日は、丁度今日のようなかんかん照りだった。正直言ってこんな茹だる暑さで行く気も失せていたが今更ドタキャンなど言い出せず、朝の7時きっかりに公園に集合した。今思えば彼らも同じ考えだったかもしれない。

公園に集合して、W君とT君と歩いて山へ向かう。特に会話もなく1時間程で予定通り山頂に着いたが、そこに感動は無い。お目当てはここから1時間先にいる。奴は山頂のような見晴らしの良い所を好ま

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鼠頭

鼠頭

私の高校生時代の思い出はこれと言って無いが、ただ一つだけ鮮明に記憶していることがある。
それは2年生の夏。7月の中旬、茹だる様な暑さであった。そんな炎天下を私は左耳に白いイヤフォンから流れるQueenの"Bycicle race"を、右耳に車の音を聞きながら、自転車でスカートを揺らしておっちら向かって行った。Queenが大好きな私は興味本位で動画投稿サイトでその曲のミュージックビデオを調べたことが

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鬼武者

「怖いんです」
彼はうつむいてそう告げた。男の隣では3m程もあろうかという鬼が目をギョロつかせ、舌なめずりして男を見つめる。両手にはナイフとホークを持っている。
「怖いって、その鬼が?」
「違いますよ」
少し語調を強めた男が答える。
男はずっとつむっていた目を開き震えた声で話し始めた。
「味噌まみれの赤ちゃんが、部屋の四隅から落ちてくるんです…慌てて受け止めるんですけど、既に遅いんです。落ちた赤ち

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小学校の回想-2021年5月16日-その25

小学校の回想-2021年5月16日-その25

書く事なし。課題やったyoutube見たモンストのリアルタイムのやつやった夕飯の餃子が美味かった。
なので今日は小学校の頃の回想を書こうと思う。

小学校低学年の頃のことはよく覚えていない。普通に幼稚園上がりの仲の良い友達とそれなりに仲良くやっていた気がする。あと初めて障がい者を見てびっくりした覚えがある。「怖いと感じるのは、違うからだ」とオウルも言っていた。幼い無知故の恐怖であるからどうか許して

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