自宅で出産に立ち会った夏、14歳、赤と白と黒。
冷房が無いと寝付けない夏。2段ベッドの上の段は、下段のそれよりもほんの少し寝苦しかった記憶があります。
中学2年生の夏休みのことでした。バスケ部の朝練のために早く起きないといけない、そんな朝。真夏にも関わらず、目の前の状況を理解するのにだいぶ時間を要した程度には暗い、そんな早朝。
ヌルッとした感触は、浅い眠りをヌルッと妨げました。正体のわからない感触を探った右手を、目の前に持ってきたのですが、やっぱり正体はわかりません。
握って、開いて、握って開いて、を繰り返す内に、蕩け