見出し画像

パリでスリに遭った話

Nexflix ドラマのEmily In Paris
窓辺から見えるエッフェル塔、オシャレなカフェにフランス料理。
ルーブル美術館があり、芸術の街で花の都。

憧れのパリに到着後30分でスリに遭い、天国から地獄に。

猛烈な反省と、今後海外に渡航する方への注意喚起も込めて、何があったか赤裸々に纏めてみました。長文ですが、被害額もすごいので誰かのお役に立てれば幸いです。

【事件前後の手記】
ユーロスターでロンドンからパリ北駅に到着後、パリの空気に舞い上がっていた私と夫はたっぷりネギを背負った絶好の鴨だったと今更ながら思う。。

予約していたホテルは、比較的安全だと言われているモンパルナス地区で、パリ北駅から地下鉄で20分だったので、早速クレジットカードを使って券売機で回数券切符を購入し、4号線に乗車。

最初の感想は「パリの地下鉄、治安悪っ」

切符を買わずに改札を跨いでさっと超える人が結構いて、ホームに向かう途中は落書きだらけだった。そして、臭い。
若干の居心地の悪さを感じながらも電車の車内へ。
車内はいたって普通で、携帯をいじる人もチラホラ。

私も夫もバックパックでお互い大きなリュックを背負っていたが、私は財布が入った斜め掛けカバンを前にして、それを手で押さえるようにして立っていた。ふと、黒人三人組?が近づいてきて、私と夫の間に割って入った。
私の視界から夫かちょっと見えづらくなり、加えて男性が私のカバンをガン見してくるので、前カバンを強く握りしめ、男を睨んだ。
電車混んでるなと思った矢先、次の駅でその二人組が電車を降りていった。

「あれ、ない!」

電車の中でいきなり慌てふためく夫。
聞けば、ズボンの前ポケットに入れていたiPhoneがないという。
ズボンの上からはロングコートを着ていたため油断していたが、早い話先ほどの黒人達に華麗にスラれたのだ。
夫曰く、男に肩を叩かれて振り返ったところで、あっかんべーをされたので「え、こいつヤバい」と思って、気を取られている間に反対側に立っていた男にスラれたと思う、、、本当にごめん(泣)。とのこと。
男が私のカバンをガン見していたのは、私が夫に視線をいかせないためのおとりだったのだ。あーーーー悔しいーーーーー

最悪なのはここからだった。夫はiPhoneの携帯カバーにあろうことか、

1、クレジットカード
2、デビットカード
3、身分証明書
4、会社のセキュリティーパス

と、全て入れていたのだ。(アホかーーーーーーー!!!!!!)
夫の携帯はauの海外ローミング放題だったので、どこでもインターネットが使えていたのだが、私はPOVOで海外ローミングに対応しておらず、且つパリに着いたばかりでSIMを購入出来ていなかった。

つまり、電話もインターネットもなく、鴨二人がパリの地下鉄に立ち尽くしているのだ。もちろん、誰も助けてはくれない。恐怖

直ぐに駅構内の警察署に駆け込み、事情を説明して助けを求めるも、よくある話のようで「とりあえず、これでカードを止めてください」と電話を貸してくれた。が、国際電話が全然通じず。

女性警官が親身になってくれて、個人携帯でデザリングを許可してくれたおかげで、日本の家族に連絡でき、日本からカード会社に一報をいれてもらったが、「ご家族ではなく、ご本人からのお電話でないとカードをお止めすることが出来ません」とのこと。

こうしている間にも、カードが不正利用されているのではと心配で死にそうだったが、駅の警察署で出来ることは何もないと言われたので、宿泊先ホテルに向かい、電話を使わせてもらった。が、ここでも国際電話が通じず。
日本の家族の協力のもと、カード会社から宿泊先ホテルに電話をしてもらう形で本人確認ができ、なんとか利用停止の対応してもらった。

携帯電話とクレジットカードを同時に盗まれるとものすごく大変だ。
これは肝に銘じた。

幸い、カードは不正利用されておらず無事だった、、、 etc。
Noteの体験談にはこうした一安心記事が多いが、現実は違った。
がっつり不正利用されていたのだ。

カードを止める間に犯人グループはなんど200万円以上も
インターネットから不正利用していた(卒倒)。

三人組は実行犯で、バックがいるプロのスリ集団だった。
加えて、なんと彼らはATMでのキャッシングにも成功していたのだ。
キャッシングは暗証番号が分かっていないと出来ない。
つまり、犯人グループは夫の暗証番号を知っていたうえで、夫を狙って犯行に及んだのだ。当然、夫の暗証番号は推測されやすいもの(生年月日、自宅住所など)ではないし、暗証番号を書いた紙を携帯に入れていた訳でもない。もう、生きた心地がしなかった。

そう、すべてはパリ北駅から始まっていた。
クレジットカードを使って回数券を購入した時から始まっていたのだ。

「券売機のカード挿入口に仕掛けがあったか、暗証番号を押しているところを上から見られた可能性が高い」

と、親身になってくれたカード会社の担当者の方に教えてもらった。
保険会社の調査・報告によると、パリはとても治安が悪く、日本人観光客を狙ったこういう犯罪が多数報告されているとのこと。特にパリ北駅など駅で切符を買うのは観光客がほとんどなので、狙われるリスクが高いのだそう。

もし、電車内でスラれていなかったら、尾行されていたかもしれない。
ホームから地上出口まで駅員もおらず、改札もあってないようなものだから、抵抗したら負傷していたか、最悪殺されていた可能性もある。

人を疑うことを知らない善良な夫は、不正利用された額とこの事態にガタガタ震えていた(人って本当に震えるんだなとこの時思った)。
とはいえ、アホすぎて今思い出しても腹が立つ。
ちなみに、デビットカードの方も数万円分の不正利用されていた。

おおよその事態を把握した後、再び警察署に行った。
というのも「iPhoneを探す」で、盗まれたiPhoneがホテルからタクシーで15分のところでずっとピコンピコンしており、近くに警察署もあったからだ。

「iPhoneは5年前に買った旧式で画面も割れているし、もしかしたらゴミ箱に捨てられているかもしれない」と夫は藁をもすがる思いだったのだが、行ってみて絶望した。iPhoneの場所は、私有地の暗く細い路地の奥を指していたからだ。危険な匂いがプンプンしたので、さすがに断念した。
これ取りに行ったら殺されるやつだなって、素人でも分かった。

警察署で事情聴取を受け、犯罪データベースに登録するも、これ以上出来ることは何もないと言われた。iPhoneの位置が分かっているし、直ぐ近くなので一緒についてきてくれないかと頼んでみても、ダメだった。
それくらい観光客のスリ被害はよくあることで、全くといっていいほど相手にしてくれなかった。しかも、警察が呼んでくれたタクシーは白タクで夜相場の倍の料金を取られた。その夜は、フランスとパリが大嫌いになった。

とはいえ、すべては私たち夫婦の不用心且つ身から出た錆。
ロングコートを着ているとはいえ、携帯をポケットにいれるのはアホだし、
カード類を分散されていなかったのも、大馬鹿だ。
夫には出会ってから今までで一番の怒った。
今はただ、けが無く命があることに感謝している。

【教訓】
1、海外でクレジットカード類をスラれた場合、直ぐに電話やインターネットが繋がるホテルに行き、カードを止めるのが一番いい。警察は状況が落ち着いてからでも間に合うし、全く役に立たない。

2、クレジットカードは、カード番号が分からなくとも本人確認が出来ればWEBからも止めることが出来るので、焦らず対応すればよい。

3、携帯電話を含む貴重品は絶対に分散させて所持する。短時間であってもポケットに入れるのは言語道断。

4、お金に余裕があるなら、移動は地下鉄や電車には乗らずになるべく正規タクシーを使う。


パリに着いた初日にスリに遭ったので、しばらくは怖くて観光どころじゃななかったけど、親切な方々にも出会い徐々にメンタルが回復しました。泣
けれど、Emily In Paris を見る目が180度変わったのも事実。
(パリの副市長も、このドラマはパリの本当の姿ではないと断言してる)

楽しい旅行を台無しにしないためにも、犯罪に巻き込まれないように注意するのが一番です。この記事・自分達のバカで恥ずかしい体験を赤裸々に公開することで、少しでも防犯意識向上に繋がればいいなと思います。

長文を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?