「つくね小隊、応答せよ、」(41)
仲村が暴れ、水面を叩くと、高く水しぶきがあがる。イリエワニは水中に潜り、仲村に噛み付いたままぐるぐると身体をうねらせている。体を回転させて、咥えた獲物の足を引きちぎるためだ。
仲村は暴れながら水を叩き、時折水中に消え、また浮かび上がってきて、息を吸い、必死の形相でふたりに助けを求めてくる。
ふたりが陸に上がった時に狙撃しようと渡邉は考えていたが、イリエワニの方は待ってはくれず、人間たちが一歩出遅れた。仲村が暴れているこの角度ではワニを狙撃することはもう難しい。かといって自