「死にたい」が口癖になる前に、ことばにする練習を
時々、悩み相談に答えています。
相談内容を読んでいると、「死にたい」というワードがあまりにも多用されています。
「仕事に行くのが辛い。死にたい。」
「学校に行きたくない。死にたい。」
このように、あまりに簡便に「死にたい」というワードが使われているように感じます。
当人たちは本当に苦しんでいるのですが、その表現方法が「死にたい」しかないというのは問題に思います。
これは、良いことも悪いこともすべて「ヤバい」で表現するのと同じように感じています。
このような状況の原因の一つが、SNSによるコミュニケーションと言われます。スタンプや予測変換を多用したコミュニケーションはまさに言葉をつくる作業をしません。
こうなると、自分で自分の苦しさを整理することができないため、対処方法を探したり、他者に伝えたりすることが難しくなってしまいます。
何でもかんでも「死にたい」で表現してくる人に対応できる人などそうそういません。
その結果、本人の孤独感も増し、余計に苦しくなってしまうわけです。
さて、自分の「ことば」をつくるためには・・・
自分の中にあることば(考えていること)をどのようにして自覚するかということ
そのことばをどのようにして他者に伝えることば(表現)にするかの
という二つが大切になります。
そのためには、まず「問う」ことが必要です。
「なぜ」を自分に問い,その答えを自分なりに用意することができれば、表現の8割は出来上がっていると言われます。
自分がなぜこのように感じ、思い、考えるのかをことばによって表明する。
そして、普段の自分とは少し距離を置いて発信してみる、他者にも発信してみる。そうして自分のことばを作ることが大切に思います。
また、他者の表現方法をマネするのも有効です。
以前、私の書く文章を原田節と言われたことがあります。
あまり自覚はないのですが、読む人にとっては独特の表現を感じるのかもしれません。ただ、この文体も他の人の文章をマネしてできたものです。オリジナリティとは、自分の中から溢れ出るものではなく、マネから始まることもあるのです。
改めて、ことばにする練習をしてみませんか?
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