最近の記事

2021年6月11日の日記

今日は良い日だった。  夜勤が続いていたため元より休もうかと思っていたところ、上司から積極的にその提案をされたため、引け目なく堂々と休むことができた。朝の九時ごろに目が覚めた際にはまるで土曜日のような感覚で、起き抜けに開いたTwitterに表示された出社している人々のツイートを見たことで、ようやく今日が金曜日であることを思い出す。  丸一日を勉強にあてるつもりだったが、少し取り組んだだけで頭痛や倦怠感に襲われたため再び布団に入る。十二時ごろに起きた後はシャワーを浴びて昼食を買

    • チャールズ・ライト・ミルズ『社会学的想像力』感想1(陽気なロボット)

      チャールズ・ライト・ミルズの『社会学的想像力』の感想を書きます。難しいけどいい本でした。社会学の手法や意義などが書かれています。ぜひ読んでいただければと思うので、第1章の1節の一部から紹介しようと思います。 感想というか、もはやここに書いてあることがわたしの言いたかったことなのでこれがそのまま広まってくれればいいなと思います。いまもですが、昔(18歳くらい)からうつで、それは完全に私的問題であって、社会のこととは一切関係がないと思っていました。というか、そんなこと考えもしま

      • 2024年4月18日の日記

        言及するほどのことでもないけど、朝はそれなりに良かった。会社はだるかった。特に何ということもないけど、音がなんだか耳障りだった。また人生のことを考えてしまった。どこで間違ったのかとか。どこともないけど。あと、また仕合わせな人のことを思い出した。なぜあんなに強く印象に残っているんだろう?職場にいる間、憂鬱になってきて、たまらず慈善活動をしたくなった。そこにしか救いがないと思ってるから…。でもしばらくは残業が多くて長期のボランティアは行けないし、とりあえず今日はビッグイシューを買

        • 木村敏『異常の構造』②

          以前も言及していた『異常の構造』ですが、また読み返していて、どこを読んでも金言ばかりでもはや全文紹介したくなりました。この1冊読んだだけで大ファンになりました。 下記のあとがきで書かれていることに木村敏さんののメッセージが集約されていますが、基本的に自身を「正常」と認識して「異常な人」よりも優れていると認識しがちな大衆の傾向を批判的にみていて(というか逆に、異常だと思って生きている人へのまなざしがやさしいのかもしれませんが)、自分自身のことも反省されています。そして大衆が絶

        2021年6月11日の日記

          2024年4月5日の日記

          自分だけがわかってしまって、感性を鈍らせている人は自分自身の痛みにも鈍感で感情を抑圧していてストレスにも耐えて生きられて、自分はその人たちの繊細さを欠いた言葉でストレスを感じるのは不条理だと思う。 『桜の園』を読み終えて、また再び『三人姉妹』を読んだ。もうかなり憂鬱。先週の土日もかなり沈んでいたけど療養の甲斐もあって月曜日から少し元気にはなったけど、結局木曜日くらいからまた陰り始めて、週末にかけて滅入っていった。 『三人姉妹』、解説なども調べたあと改めて読んで初めてはっき

          2024年4月5日の日記

          2024年3月31日の日記

          上記の引用は日記に書いていることと少し関係するところがあるだけだけど……。 会社や実際の社会で、能力が高かったり優秀だったりするけど、ある一面ではマイノリティに属するっていう人をいくらかみてきた。 前々から思ってたことではあるけど、能力がある人を描けば共感が得られるかもしれない。去年見た『ドリーム』という映画(実話らしい)は、優秀な黒人女性たちがNASAで活躍して、「黒人」「女性」という二重の差別を受けていた状態が緩和されていくというものだった。はっきりとは覚えてないけど

          2024年3月31日の日記

          2024年3月30日の日記(チェーホフ『かもめ』『三人姉妹』)

          チェーホフの『かもめ』を読んだ。面白かったし、好きだと思った。チェーホフの戯曲の人物が言っている、今ここじゃないどこかへの憧憬みたいなものに深く共感する。いつまでもどうしようもないことばかり言っている。 文化庁の広報のホームページにはこのような記述があった。 チェーホフが、わたしが共感するようなどうしようもない人物を描くのは、それを批判してよりよい生活を送ってもらうためだと知って、突き放されたようで少し悲しい反面、表現するにあたってそういう目的も一理あるなと思った。たしか

          2024年3月30日の日記(チェーホフ『かもめ』『三人姉妹』)

          ジャン・ジュネ『泥棒日記』

          数年前、ジャン・ジュネの『泥棒日記』を読んだ。好きな本のうちの1冊になった。文章がきれいだし、何より「異常者の生」という感じで、全く境遇は違うが共感できる部分があった。特に、次の文章は何度も見返して救われてるので紹介したい。 最近つみたてNISAをやるついでに株を始めたが、証券口座のサイトをみるたびに、『人々の世界では何一つ異常でも唐突でもなかったのだ、将軍の袖についている星々、株式取引所の相場、 オリーヴ摘み、司法用語、穀物の市場価格、花壇、...... 何一つとして』の

          ジャン・ジュネ『泥棒日記』

          2024年2月26日の日記

          わたしがコロナになったのは26日の晩だ。朝から喉に痛みを感じ、悪寒を覚えた。定時までは持つだろうと思ったが、ギリギリだった。気温は少し暖かくなってきたというのに、悪寒でまともに歩けず、少しづつしか進めない。駅までの道を進むのが、大変な苦労だった。やっとの思いで東西線に乗って座ると、情けなさに涙が出てきた。泣いていると顔が温かくなり、悪寒からくるしんどさが少し和らいだ。北新地で人がたくさん乗ってくるが、構わずこのまま泣き続けて暖を取ろうと思った。鴫野に着き、泣きながら乗り換えて

          2024年2月26日の日記

          100分de名著 ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』の感想

          1oo分de名著の『偶然性・アイロニー・連帯』を見ました。以前、100分de名著の『ディスタンクシオン』を見たときは、YouTubeで同じ本の紹介をされている、「帰ってきたロシュフコー」という方の動画の方がわかりやすくて、この本もその方が解説されている動画も見ましたが、『偶然性・アイロニー・連帯』は100分de名著の方が良いところを切り抜いている感じがしてわかりやすかったです。 全4回に分かれており、以下の構成になっています。 第1回 近代哲学を葬り去った男 第2回 「公私

          100分de名著 ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』の感想

          上野千鶴子『女ぎらい』の感想①(私的問題と公的問題について)

          上野千鶴子の『女ぎらい』を読んだ。今本が手元にないので参照はできないが、内省も込めて感想を書いていこうと思う。 『女ぎらい』の目次としては、以下のような構成になっている 「女好きの男」のミソジニー ホモソーシャル・ホモフォビア・ミソジニー 性の二重基準と女の分断支配―「聖女」と「娼婦」という他者化 「非モテ」のミソジニー 児童性虐待者のミソジニー 皇室のミソジニー 春画のミソジニー 近代のミソジニー 母と娘のミソジニー 「父の娘」のミソジニー 女子校文化とミソジニー 東電

          上野千鶴子『女ぎらい』の感想①(私的問題と公的問題について)

          日本の遅れ

          ここ最近で ミシェル・ウエルベック『闘争領域の拡大』 上野千鶴子『女ぎらい』 村田沙耶香『コンビニ人間』 木地雅映子『氷の海のガレオン/オルタ』 を読んだ。 『闘争領域の拡大』が一番好きだと思った。今まで読んだ小説の中でも一二を争うくらいかもしれない。訳者のあとがきにこう書かれていた。 裏表紙には、「今一度思い出してほしい。あなたが闘争の領域に飛び込んだ時のことをー。「自由」の名の下、経済とセックスの領域で闘争が繰り広げられる現代社会。」と書かれているが、あらすじとしてな

          日本の遅れ

          映画『チョコレートな人々』感想

          映画(ドキュメンタリー)『チョコレートな人々』をみました。とてもよかったです。感動しました。 障害がある方が全従業員の6割くらいを占める、久遠チョコレートという企業の経営者や働く人々を追ったドキュメンタリーです。 経営者の夏目浩次さんが、小学2年生のときに障害のある同級生をいじめていて、小学3年生のときに学校からいなくなって(多分施設に行った?みたいな感じだったと思います)、後悔したと言っていました。親御さんとしては、施設に行く前に普通の学校でみんなと一緒に学ばせたかった

          映画『チョコレートな人々』感想

          映画『破戒』の感想

          2022年の映画『破戒』を観ました。とても良かったです。これまで見た映画の中で相当上位なほど…色々込みで一番かもしれないくらい。賞とっててもおかしくないくらい良い作品でした。 少し前に中上健次の短編『蝸牛』を読みました。個人的にはそんなに好みではなかったのですが、感想を調べてみると、色々な方が詳しく解説されていて、理解が深まりました。調べていくうちに、中上健次の代表作『枯木灘』は被差別部落を舞台としていて、部落民を題材にした作品は明治時代に島崎藤村が『破戒』を出して以来だと

          映画『破戒』の感想

          『梅切らぬバカ』の感想と異なる立場の人への理解について

          映画『梅切らぬバカ』を観ました。 お母さんに『トークサバイバー』というネットフリックスの番組を勧められて見ていて、それは芸人がエピソードトークをしながらドラマが進んでいくというバラエティなのですが、3話目くらいでドランクドラゴン塚地さんが(正確には覚えていないのですが)、「ドラマで5歳の子役の子と楽屋にいると、その子が「台本読み合わせ一緒にしよう」と言って膝の上に乗ってきて、一つの台本を2人で読み合わせることになり、子どもの純粋さにぼろぼろ涙が出てきた」と語っていて、感動しま

          『梅切らぬバカ』の感想と異なる立場の人への理解について

          『ラッセル教育論』の感想1

          バートランド・ラッセルによる、『ラッセル教育論』を買いました。以前から気になっていた問題について書かれた箇所があり、面白かったので、まだ序盤しか読めていませんが感想を書こうと思います。以前、本を2冊読んで感想を投稿しようとしたのですが、まとめているうちにめんどくさくなってやめてしまったので、細切れでもいいからやれるときにやろうと思いました。 第1部 教育の理想まで読みました。この本は1926年に刊行されたものですが、現在のことが書かれているのかというほど、参考になる箇所がた

          『ラッセル教育論』の感想1