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運動介入は高齢者の脳体積変化に影響を与えない

▼ 文献情報 と 抄録和訳

運動介入は高齢者の脳体積変化に影響を与えない:システマティックレビューとメタアナリシス

Gogniat MA, Robinson TL, Miller LS. Exercise interventions do not impact brain volume change in older adults: a systematic review and meta-analysis. Neurobiol Aging. 2021 May;101:230-246.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

✅ ハイライト
運動介入は、確かに認知機能にポジティブな影響を与えるが、システマティックレビューとメタアナリシスの結果、脳体積の変化には影響を与えない

[目的] 運動介入は、高齢者の認知機能にポジティブな影響を与えることが示されているが、脳に対する運動の神経保護効果のメカニズムはよくわかっていない。ここでは、高齢者における運動介入と脳体積の変化に関する最新の文献を総合的かつ定量的に分析し、主要な人口統計学的特徴と介入の特徴、および研究の質が与える影響を検討することを目的とした。

[方法] 本研究は、PROSPERO(CRD42018091866)に事前登録されている。EBSCOhost、Cochrane Library、Embase、および参考文献リストを検索し、健康な高齢者および軽度認知障害(MCI)のある高齢者(60歳以上)に対する運動介入の無作為化対照試験(RCT)を特定した。14件の研究から得られた合計69件の効果をプールし、ランダム効果モデルを用いてHedge's gで表した。

[結果] 運動介入を完了した高齢者は、対照群の高齢者と比較して、脳体積の結果に有意な差がないことが示された(g=0.012、p=0.728、95%CI=-0.055、0.078)。これらの結果は、研究内での効果のネスティングを考慮したマルチレベル分析(g = 0.009, p = 0.826, 95% CI = -0.072, 0.090)と、複数の結果領域の非独立性やサンプルの非独立性の可能性を考慮した保守的なポストホックモデルを用いて確認された。その結果、有意な異質性は検出されず、モデレーター分析は制限された。今後の研究への影響について考察した。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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✅ポイントは、対象者が高齢者であることだ。逆に、平均して何歳までであれば、運動介入により脳体積の変化が生じるか、気になるところだ。

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一方で、当然であるが、”運動介入のみ”では脳体積の変化はもちろん認知機能の改善も少ないだろう。↓の記事のように”運動と食事”がベースになってくることは確かであるだろう。

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最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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