【英論抄読】転子間骨折患者の術後1年間の機能予後に関する臨床的予測ルールの開発
📖 文献情報 と 抄録和訳
転子間骨折患者の術後1年間の機能予後に関する臨床的予測ルールの開発。転子間骨折外来予測ツール(IT-AP)
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📚 概要
[背景・目的]
転子間骨折患者の術後歩行状態の個別予測は、術前・術中ともに臨床的に重要である。本研究では、転子間骨折患者の術後1年間の機能的転帰を予測する臨床的予測ルール(CPR)を開発することを目的とした。
[方法]
CPR の開発は、外科的固定術を受けた 50 歳以上の転子間骨折患者のレトロスペクティブコホートの二次分析に基づいて行われた。良好な歩行状態をNew Mobility Score≧5と定義した。多変量分数多項式法によるロジスティック回帰を用いて、臨床プロファイルと手術関連パラメーターを用いて、術前・術中予測のための2つのCPRを導出した。
[結果]
本研究では、転子間骨折の患者 221 例を対象とした。このうち160人(72.4%)が1年後に良好な機能状態を保っていた。術前モデルでは、0.77(95%CI 0.70~0.85)という許容可能なAUROCが示された。手術関連パラメータを術前モデルに組み込んだところ、モデルの識別能力は 0.83(95% CI 0.77~0.88)(p = 0.021) と有意に改善された。
[結論]
新たに導き出されたCPRにより、医師は転子間骨折の患者に対して、術後1年間の機能予後を個別に予測し、リスクコミュニケーション、手術の最適化、患者の期待に合った術後ケアの調整などに利用することが可能となった。
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