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地方の公立小学校の教師です。自分の思っていること、考えていることが、どこかの誰かのため…

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地方の公立小学校の教師です。自分の思っていること、考えていることが、どこかの誰かのためになるかもしれない。 若い先生に届けたいという思いでスタート。そして、いつかどこかで一緒に働く仲間へのメッセージでもあります。 よろしくお願いします。

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#278 背伸びし続けて、現状維持

学級の状態いきなりですが、皆さんの学級の状態はどうですか? 学級の状態と言われても、どう答えていいのか悩む方もいますよね。 学力のこと、規範意識のこと、人間関係のこと、などなど。いくつかの切り取り方があると思います。また、ここに時間軸をかけると、さらに答えは広がっていきます。 「4月当初は緊張感もあって、特に大きな問題もなかったんだけど、6月になってからかなあ、小さな人間関係のトラブルが増えてきているんだよ。」 「5月に宿泊学習があって、そこまでは良かったんだよね。子ども

    • #277 学級経営の肝は「聞く」

      耳が痛い話教員になり、好きな教科が見つかり、勉強するようになった頃の話です。自分の得た知識を、子どもたちに話したくなるんです。学習に関することも、生活に関すること、運動に関すること。「たくさん子どもたちに教えてあげるぞ。」という思いから、授業での話や学活での説話の時間が増えてきた時期がありました。 そんな時、先輩から一言。 「しゃべり過ぎだ。」 子どもの出番を奪う教師教師が話すことで、子どもたちに伝えることができます。子どもたちは学ぶことができます。これが僕の主張でした

      • #276 正しくても子どもは動かない

        人は正しいから動くわけではない子どもに限らず、人は正しいから動くわけではないですよね。 皆さんも身に覚えがありませんか? 今日は叱らないと決めたのに、叱ってしまう・・・ テストはすぎに丸付けして返すのが大事だが、貯めてしまう・・・ バランスの良い食事が望ましいが、食べたいものを食べてしまう・・・ 僕はそれなりに本を読むので、正しいこと(ロジック)は知っているつもりですが、なかなか全て行動できているわけではありません。 心が動くと、身体が動くでは、どんな時に人は動くの

        • #275 面談の心得~相手を受け入れる~

          教師の仕事といえば・・・もちろん「授業」ですよね。「一丁目一番地」と表現する方がいるくらい大事な仕事です。他にも、生徒指導、保護者対応、などなど。まあ、結構いろいろな業務をこなしていますね。 そんな中、あまりライトが当たらないが、大切な仕事があります。 それは「面談」です。 面談って大事僕も地域では、多くの学校で、年に一回、児童との面談、夏休みになると保護者面談を実施しています。ここで、子どもたちからは、普段聞けないような話が聞けます。「実は、○○さんが苦手。」「○○の授業

        #278 背伸びし続けて、現状維持

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          #274 リーダーシップは見えない

          ゴロゴロしてます僕は高学年の担任が多いんです。 初任から5年間で、4年→2年→3年→5年→6年ときたので、ここからは毎年担任希望には「1年生」と書いていた! なのに、「あれは、本気なの?」と校長に言われる始末。 すっかり、ゴロゴロ(5年、6年を繰り返し担任することの俗称)人生を歩んでいます。ちなみに今年は9回目の6年担任です。 リーダーシップさて、高学年ならではの指導といえば、必ずあがるキーワードが「リーダーシップ」です。6年生は学校のリーダーとして、全校を引っ張っていく存

          #274 リーダーシップは見えない

          #273 スキルは文脈の中で生きる

          スキルネタをやってみる本屋に並ぶ教育書。その中でスキル系の本は、手にとりやすい。 どのページを開いても、すぐに実践できそうなスキルが載っているからだ。 さて、このスキルを早速やってみよう。 いや、やってみた。その結果は・・・ 書いてあるような効果は得られなかった。 オカシイぞ! 授業中にジョークを言って笑いをとることで、子どもたちはリラックスして、発言するようになるんじゃないのか! ・・・子どもたちは微妙な表情をしている。まるで、僕のジョークを無理に聞かなったことに

          #273 スキルは文脈の中で生きる

          #272 間接努力できる子を育てたい

          努力することは難しい。学校生活において、子どもの前には壁が立ちはだかることがある。教師によって意図的に壁が設けられることが多いような気がする。 自分の立てた目標や、なりたい自分を達成するためには、様々な壁が現れるものだ。取組方の壁、行動の壁、継続の壁、停滞の壁、などなど。 中々努力を継続して、自分の目標を達成することは難しいだろう。 だからこそ、努力によって新たな自分に出会えた時、子どもは自分に自信がもてる。自分を認められる。 2種類の努力努力には2種類ある。 ①直接努力・

          #272 間接努力できる子を育てたい

          #271 学校目標って達成してます?

          学校目標って達成してます?4月に校長から示された学校目標。かなり多岐に渡る内容になっているはずです。学力、体力、人間性の成長はもとより、地域に開かれた学校、働く教職員への配慮まで、全方位的な内容になります。 さて、この学校目標、達成できていますか? 達成できたかどうかを見とる手段として学校評価があります。児童、保護者、教員の三者が評価を行い、分析をし、達成具合を明らかにします。教育課程編成会議などで目にしているはずです。 学校目標言えますか?さて、皆さん、勤務校の学校目標

          #271 学校目標って達成してます?

          #270 その問題行動、どうする?

          頭を悩ます問題行動 学級において「頭を悩ますベスト3」に必ず入るのが「問題行動」です。 学級生活では、ある程度の規律が求められます。そこで問題行動が起こると、全体の活動を中断せざる得ない場合があります。 授業中に席を立ち、友達にイタズラを始める。  →全員の教育を受ける権利を守るために指導しなければ。 教室から飛び出す  →その子の安全を確保するために追いかけてなければ。一方で授業はどうする? 問題行動の目的 問題行動は、残念ながら起きます。様々な子どもたちが一つの部屋に

          #270 その問題行動、どうする?

          #269 学級風土をつくる

          風の人、土の人これは、元信州大学名誉教授であり、農学者だった玉井袈裟男氏が立ち上げた「風土舎」の設立宣言です。 学級風土をつくる僕が学級担任として大事にしている考え方が、この宣言の中にある。子どもたちにとって新しい担任である僕は「風の人」だ。 一方で、昨年度まで学級生活を送っていた子どもたちは「土の人」。 そこで暮らしていた子どもたちの前に、外から担任として僕が登場するわけだ。子どもたちにとって、先生はいつだって外からやってくる。 ここで、僕が自分のやり方を押し付けてし

          #269 学級風土をつくる

          #268 当たり前をどう教えるか

          当たり前にやってしまう ・ゴミが落ちていたら拾う ・大人を見かけたら元気にあいさつする 学級において、こんなことができたら素敵だなと思う行動を、当たり前にようにする子っていませんか? 「こんな行動を学級に広がったらいいなあ」と思い、学級で紹介することにします。 言葉で伝える難しさ「今日ね、○○さんが階段ですっとゴミを拾っていたんだよ。  ○○さん、なんでゴミを拾ったの?」 ここで、 「ゴミを拾うと学校がきれいになって気持ちがいいからです。」 と答えてくれるとありがたい。

          #268 当たり前をどう教えるか

          #267 学級担任の思い込み

          学級担任の思い込み学級担任としての経験を積んでくると、ついやってしまうことがある。 「○○さんは、△△さんと似ているなあ。うん、△△さんタイプだな。」 目の前の子どもを、以前担任した子どもと同じタイプだと決めつけてしまうのだ。 「子どもは一人一人違う」とは分かっていても、過去の経験に当てはめて捉えようとしてしまう。 思い込みの正体なぜ、僕らは思い込みをしてしまうのか? どうやら、思考には2つの思考があり、そこに原因がありそうだ。 行動経済学者ダニエル・カーネマンが「

          #267 学級担任の思い込み

          #266 学級を壊すキラーワード

          学級崩壊の原因は?公立の小学校では、子どもたちは「ある地域に住んでいる」だけで、一つの学級にまとめられています。そんな子どもたちがまとまり、協働しながら日々の生活を送るのが学校生活です。 そんな学級のまとまりを壊す原因は何か? 個人的な意見になってしまいますが、ズバリ 「人間関係」 にあると思います。 学級において、互いを「信じられない」状態になると、簡単に学級は崩壊します。 相手を信じられないと、互いの協力は生まれません。 さらに、互いに注意し合うような抑制もな

          #266 学級を壊すキラーワード

          #265 その感情は誰のせい?

          感情労働教師という職業は、頭脳労働であり、肉体労働であり、感情労働です。 「感情労働」とは、「相手の精神を特別な状態に導くために、自分の感情を誘発、抑圧することを職務にする、精神と感情の協調が必要な労働」です。(社会学者のホックシールドさんの定義です。) https://note.com/passtime55/n/n4597d43fc0fa 僕たち教師は、30人前後の子どもと生活を共にします。その中で、様々な感情が沸き起こります。 うれしかったり、くやしかったり、悲しか

          #265 その感情は誰のせい?

          #264 子どもと会話を続けるには?

          春の出会い春は、出会いの季節。3月にお別れがありましたが、新たな子どもたちとの一年がスタートします。子どもたちにとっても同じです。 どんな子かな?どんな先生かな? お互い、気になりますよね。 一部の子たちは休み時間になると、机の周りに集まってきて話しかけてくれます。来るけど、話せない子もいます。 質問、お知らせを会話にする「先生は何歳ですか?」 「好きな遊びは?」 「僕ね、サッカーやってるんだ。」 「私のお父さん◯◯で働いてるんですよ。」 これらの質問やお知らせを続けて会

          #264 子どもと会話を続けるには?

          #263 あなたの職員室の心理的安全性は?

          教育界に求められる生産性ついに、僕の耳にも、「タイパ」「コスパ」という言葉が入ってきました。教育現場において、残業問題、業務の効率化の問題は昔からありました。 自分が好きでやっている人もいるのですが、それが「当たり前」、「やらない人はダメな先生」と思われてしまうこともあります。 これだけではないと思いますが、教員志望の減少の一因に挙げられています。 そこで、僕たち教員にも「生産性」が求められています。 あのGoogleが決定づけた世界を代表する大企業Googleにおいて、労

          #263 あなたの職員室の心理的安全性は?