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#275 面談の心得~相手を受け入れる~

教師の仕事といえば・・・

もちろん「授業」ですよね。「一丁目一番地」と表現する方がいるくらい大事な仕事です。他にも、生徒指導、保護者対応、などなど。まあ、結構いろいろな業務をこなしていますね。
そんな中、あまりライトが当たらないが、大切な仕事があります。
それは「面談」です。

面談って大事

僕も地域では、多くの学校で、年に一回、児童との面談、夏休みになると保護者面談を実施しています。ここで、子どもたちからは、普段聞けないような話が聞けます。「実は、○○さんが苦手。」「○○の授業が好き。」「○○で困っている。」などなど。保護者の方からは、家庭での子どもの様子、学校への要望などなど。どれも、貴重な情報です。耳の痛い内容ですら、ありがたい情報です。(知らないままだけ改善のしようがないので、ずっと不満をもたれ、不信につながるので。)

アクティブ・リスニング

面談の際に大事にしたい心構えがあります。
臨床心理学者のカール・ロジャーズが提唱した「アクティブ・リスニング」です。

①自己一致 

聞き手の気持ちに嘘がなく純粋な状態(言葉と様子の矛盾がない)。
→「そうですよね~。」と言いながら表情はこわばっている、こんな状態はいけません。

②無条件の肯定的関心

否定や評価をせずに相手を受け入れる、相手の存在を尊重し大切にする。
→自分の意にそぐわなくても「そういうふうに感じているんだな」と受けとめ、丁寧に深堀りできれば信頼につながる。

③共感的理解

相手と感情を共有し、相手の立場に立って、同じ視点で物事を捉えるということ。
→これは相手が感じること。例え、自分はそうしているつもりでも、相手が「たしかに立場・視点で物事を考えてくれている」と心で感じていなければ、うまくいかない。

これをやって失敗してきた

これまでの教員生活20年。毎年、30人の子、保護者の方と面談してきたとして、60人×20年=1200回。この中には、終わってから反省した面談が多々あります。

僕は、話を整理して考える癖があります。面談中も、相手の話を聞きながら、「つまり○○っていうことだな。」と整理しています。そして、自分のターンになった時に、「お母さん、つまり○○ということでしょうか。」とまとめてしまいます。実は、これ、一番信頼を失ってきた手法だと思っています。

私たちは複雑な話を、複雑なままに聴き続けたときに、その人の心を感じる。あるいは複雑な事情を複雑なままに理解してもらえたときに、心を理解されたと感じる。表だけではなく、裏まで含めてわかってもらうと、心をわかってもらえたと思える。

「心はどこへ消えた?」東畑開人

ほんと、その通りだと思います。
分かったつもりの人って一番嫌ですよね。

面談では、時間の制約があります。それでも、相手が満足して終えられるような面談にしたいと思っています。

「ありのままを受け入れる。」だから、僕の指導方針などを、受け入れてもらえるのだと思います。

これから始まる面談週間を、互いの信頼が少しでも溜まる機会にしたいものです。
 

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