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『人の上に立つということ』

リーダーに求められる条件、その中でもとりわけ『感情的知性』についての提言が書かれた一冊。
マネジメント誌として有名な『ハーバードビジネスレビュー』に掲載された記事をまとめた内容になっています。

■コンテンツ

1.エグゼクティブらしさは身につけられる
2.リーダーとして最初に考えるべきこと
3.人を動かすリーダーに必要なこと
4.温かいリーダーか、強いリーダーか
5.言語スタイルと話し方で関係性は大きく変わる
6.カリスマ性が強すぎると評価は下がり、成果も上がらない

■私のメモ

書籍の中で、特に共感したフレーズをまとめました。

・新しくマネジャーになる時は、まず自分がどんなリーダーか、どんなリーダーになりたいのかをよく考えよう。
求心力を発揮する、指針となる目標を設定しよう。

・リーダーという役割に就く時、多くの人がいきなりつまずいてしまう。自らの行動や価値観を変えることなく、個人プレーヤーからマネジャーに移行してしまうからだ。
リーダーはまず、部下のために時間をつくること、プランニングやコーチングなどのために時間をつくることが、必要なタスクであり責任である。
自分が何をするかより、部下が何をするかの方が重要。

・リーダーが情緒的に安定し、いつも冷静に判断していれば、部下は安心して情報を上げることができる。

・「温かさ」と「強さ」以上に影響力が強いものはない。実際に心理学の分野では、他者に対するプラスマイナスの印象を決定する要因の90%以上がこの二つの特徴に関連すると考えられている。

・今日のリーダーは、職場における自身の強さ、能力、資質を強調する傾向にある。だが、これは完全に誤ったアプローチだ。
信頼関係ができる前にリーダーが強さを誇示すれば、相手は恐怖に陥る。
恐怖とは激しい感情であり、その影響はなかなか消えない。

・能力を最初に押し出してしまうと、リーダーシップの面ではマイナスになる。信頼関係の基盤が構築されていない場合、心から同調する可能性はかなり低い。

・「温かさ」と「強さ」を兼ね備えるに越したことはないが、それは困難なことかもしれない。
しかし実際には、それら2つの特性がお互いを強め合うことがある。
自身の「強さ」を自覚していれば、よりオープンになり、不安が和らぎ、相手を威圧しない振る舞いができる。そして自信があって落ち着いていれば、頼もしくて温かみのある態度を示すことができる。

・口で温かさを伝えたければ、トーンとボリュームを控えめにすると良い。

・親が子供に姿勢を良くして笑顔でいなさいと教えるのは、真っ当なこと。おそらくこの2つを組み合わせることが「強さ」と「温かさ」を同時に示す最高の方法だろう。

■私のメモ(まとめ)

共感したフレーズをさらに、自分の中に落とし込むため、センテンスにまとめてみました。

能力をいかん無く発揮する前に、信頼関係を築くことが優先。(つまり「温かさ」)
でも、その温かさを発揮することは難しい。
だから、内面的には、自分の「強さ」を自覚して自信に変えることで、それがフックとなり「温かさ」のある振る舞いができるようになる。
そうして信頼関係が構築されれば、次は「強さ」を外に出すフェーズ。
信頼関係のある組織において能力を発揮することは、同調も得られる。

常に情緒安定・冷静な判断を重視し、自分が何をするかより、部下のために時間をつくること。
姿勢良く笑顔、それでいて控えめなトーン・ボリュームで。

■最後に

『感情的知性』というあまり聞き馴染みのないワードにフォーカスした本書籍。
そのため、読む方によっては、あまりしっくりこないということもあるかと思います。

とどのつまり「リーダーとして部下にどう接するか?」というテーマに対して「絶対的な正解方法はないけれども、部下のメンタル・感情の仕組みを理解しましょう」というエッセンスの書籍となります。

リーダー像を考えるにおいて、異なる着眼点を求めている方は、ぜひ読んでみては。

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