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知的障害の長女と定型発達の次女を育てています。成人障害者向け通所事業所に5年勤務した経…

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知的障害の長女と定型発達の次女を育てています。成人障害者向け通所事業所に5年勤務した経験と、自分の子育て経験から、自分なりに「障害者とは?」「子育てで大切なのは?」「なぜ今発達障害の子供が増えているのか?」についてたどり着いた考えを書いていきます。

最近の記事

専門家の意見と上手に付き合おう。

お子さんの成長や発達に気がかりがある方の中には、「先生によって言うことが違う」と悩む方もいることでしょう。私も娘が幼い頃には、保健師さん、発達外来のお医者さん、歯科医、子育てセンターの保育士さんなど、たくさんの専門家のお世話になりました。私はたくさんの支援者と繋がることは良いことだと思っています。相談する機会が増えるということは、子供について話す機会が増えることです。同じことでも、悩んでいなくても、子供について言葉にしてしゃべる回数が多い方がストレスを溜めずにすみます。逆にい

    • その子の「能力」ってなんだろう? 後編。

      そもそも「能力」ってなんでしょう?辞書で調べると、 1.物事を成し遂げる力。はたらき 2.心身機能の基礎的な性能 3.ある物事について必要とされていて、適当とされる資格 と出てきます。辞書の説明はかえって難しい気もしますが、要は「何ができるか」ということです。でも一般社会では、もっと限定的な意味で使われています。それは、「お金になるかどうか」ということです。 多くの親や教師は、子供に将来お金を稼ぐ力を身につけて欲しいと望みます。だからお金にならない能力は能力として認めら

      • その子の「能力」ってなんだろう? 前編。

        知的障害の子育てあるあるかもしれませんが、子供に障害があることを告げると、「そういう子は何か特別な能力があるかもしれないわよ」と言われることがあります。 もちろん相手は悪気なく言っていて、なんだったら励ましたいとか、少しでもポジティブになって欲しいという気持ちから出た発言なのは百も承知です。でもあえて言わせてもらうと、「健常者に特別な能力を持った人が一握りしかいないように、障害者にも特別な能力を持った人は一握りしかいません。」そもそも「障害があっても特別な能力が・・・」と言

        • やる前にほめよう。

          娘が2〜3歳の頃、ある民間の早期教育プログラムを試したことがあります。「知的障害が改善する」という謳い文句でした。最初はまゆつばに思っていたのですが、提唱者の本を読むと一朝一夕でできたものではなく、ちゃんと理論と実績もあります。体を整えるプログラムと遊びながら脳を刺激するプログラムがあり、ダイエット広告にありがちな「これさえやれば」的な安易なものは感じませんでした。何より親として、将来やらずに後悔するよりやって後悔しようと思い、数十万円もするそのプログラムを購入しました。

        専門家の意見と上手に付き合おう。

          障害がある子どもを育てる時に一番大切なこと。後編。

          「可愛がられること」が本人を守ってくれる。と前回書きました。では、どうしたら可愛がられる子に育つのでしょうか? 答えは簡単です。可愛がって育てれば良いのです。 子どもはどんな子でも可愛いですよね。その「可愛い」と思う気持ちをそのまま子どもに伝えてください。ぎゅっと抱きしめてもいいし、「大好き」と言葉にしても良いし、目を見つめるだけでも構いません。すると子どもは反応を返してくれます。それを見たら、更に可愛いと思うでしょう。それをまた子どもに伝えてください。 そうやって、愛

          障害がある子どもを育てる時に一番大切なこと。後編。

          障害がある子どもを育てる時に一番大切なこと。中編。

          娘が幼い頃は「何が出来るようになるか?」「どれだけ発達させてあげられるか?」ということばかり考えていて、それが娘の将来につながると考えていましたが、成人障害者向け事業所で働くようになると、そんなに単純な話ではないことが分かってきました。 私は最初、就労支援施設で働こうと考えていました。将来娘が働くときの参考になると思ったからです。でもご縁があったのは生活介護でした。 ここで学校を卒業した障害者の進路について簡単に説明します。障害が軽度で社会性もある子の多くは、一般就労を目

          障害がある子どもを育てる時に一番大切なこと。中編。

          障害がある子どもを育てるときに1番大切なこと。前編。

          まだ娘が小学校に上がる前、ある講演会を聞きに行ったことがあります。講師は長年特別支援教育に携わっている先生で、そのお子さんは自閉症を持っていました。 講師のお子さんはすでに成人し、仕事をしながらグループホームで暮らしているということです。その経験から、障害を持つ子が将来独立するために何が必要か?というのが、講演の内容でした。 そのころ私の娘は就学前で、言葉は話せず手先は不器用で細かい作業は苦手です。将来仕事をするためには、言葉で簡単なやりとりはできた方がいいんだろうか

          障害がある子どもを育てるときに1番大切なこと。前編。

          私説。生まれながらの自閉症はいない

          私は生まれながらの自閉症者はいないと思っています。専門家や当事者、家族の方からは一蹴される意見でしょう。私自身、確信はなく、まだ予感のようなものに過ぎないのですが、一度予感のままに書いてみたいと思います。 自閉症者に関してずっと不思議だったことがありました。自閉症と言うと、真っ先に言われるのが「コミュニケーションが苦手」ということです。またちょっと自閉症を調べれば必ず出てくるのが「感覚過敏」です。感覚過敏は自閉症につきもののように、多くの自閉症者が抱えている悩みです。「コミ

          私説。生まれながらの自閉症はいない

          自閉症さんとダウン症さんと知的障害さんの性質の違い

          我が家の長女は知的障害さんです。 その子育てで感じたこと。 また、5年ほど成人障害者向け事業所に勤めた経験から、わたしなりにたどり着いた『自閉症さんとダウン症さんと知的障害さんの違い』を書き記してみます。 あくまでわたしが感じたことです。 科学的根拠などは一切ありません。 という前置のもとに。 自閉症さんは、純粋。 ダウン症さんは、正直。 知的障害さんは、優しい。 ①自閉症さんは、純粋。 自閉症さんは純粋です。世界の美しさをありのまま受け取っています。 世の中の芸術と

          自閉症さんとダウン症さんと知的障害さんの性質の違い