記事一覧
痛みを共有できる女性議員が増えてほしい
戒能民江(お茶の水女子大学元教員)
世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数2021が発表された。日本は前年より一つランクを上げたが120位(156か国中)にとどまり、いつもと同様、「主要7か国中最下位」と報道されていた。しかし、このニュースの持つ意味を、どれほどの政治家や企業経営者が、建前だけではなく、真剣に受け止めているだろうか。報道で取り上げても、最後は、個人の性別役割分業意識の問題にす
Wikipediaにおけるアートとジェンダー
ユミソン(現代美術家)
ウィキペディアは「誰でも」執筆に参加できるオンライン上の百科事典です。ウェブで何かを調べればすぐに目に付くウィキペディアの記事は、知らないうちに私たちの知識に影響を与えています。その知識が、社会を作る一端を担っています。しかしアメリカではその編集者の8割から9割は男性で、人物記事の8割も男性に関するものだという統計が出ています。日本では少し内実は異なり、女性に関する記事は
アートとパリテ
石川優実 #KuToo署名発信者 、アクティビスト、フェミニスト
「表現者なら作品で勝負するべきだ」。
これは、表現者によく投げかけられる言葉です。
似たような言葉で、「芸能人が政治的発言をするべきではない」というものもあります。
特に、昨年SNS上でムーブメントが起きた「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグを芸能人が使ったとき、このような意見は多く見られました。
この「べき」は、一
メディアで「消される」高齢女性を目に見える存在にしよう!
三木草子(シニア女性映画祭主催者)
「この女性、いくつに見えますか?」10年前にシニア女性映画祭を始めるきっかけになったTVのコマーシャルだ。いまもこのTVコマーシャルは健在だ。高齢女性が女性人口の30%を超え、平均寿命は87歳。65歳以後、20年以上ある女性の高齢期の生き方、社会的地位こそが問題にされなければならない時代に、若く見えることに価値があるかのようなCMは、時代錯誤もはなはだしいと笑
パフォーマンス「パサレラ〜小夜鳴き鳥の声がする」について
仮屋浩子(DAYA)
「パサレラ」とはスペイン語でファッションショーのランウェイを意味する。原案者のパトリシア・アリサ(コロンビア)は、ランウェイの枠組を踏襲しながら、身体が商品化され客体化されるに等しいファッションショーを逆手にとり、あらゆる女性が声をあげられる場となるような、非日常の変幻自在な空間の創造に焦点を定めた。コロンビアの平和の実現を目指し、十年以上にわたり「パサレラ」の上演は続いて