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あの日、なぜ私はバイキンマンだったのか。

あれって、なんだったんだろうシリーズ。
どうも、コーシです。

人間とは、人生とは不思議なものである。
常に合理的な道を歩んでいるつもりでいて、思い返すと謎に包まれて過去の事実が山ほどある。
それらの謎は長年の月日が経った上での忘却や、当時の理解不能な思考など、謎になるに至るまでには多くの経緯をたどるため、その謎はなかなか解き明かされることはない。
ただふと思い出し、愕然としたり、恥ずかしく思ったりするだけだ。

本稿では、そんな私の人生における謎について真正面から向き合って、真実を解明しようと努力しようと思う。

今回の謎『なぜ、私はバイキンマンだったのか。』

過去のエッセイでも少しだけ触れたことがある話題について、今回は深掘りする。

時代は保育園の時代に遡る。もう16年とか前の話だ。
当時私には保育園に好きな子がいた。
まぁ特別良くも悪くもない関係性で普通に”おままごと”とかを一緒にやっていたのを覚えている。

ある日、保育園で暇を持て余した我々園児数人はいつも通り、ごっこ遊びを始めようとした。
こういう時、大体誰かが配役を決める。
俺これがいい!とかいってしまうと争いに発展するので私はよほど嫌な配役でもない限り、与えられたキャラクターに全力でのめり込んだ。

すると好きな子が開口一番、「こーしはバイキンマンね!!」と爽やかな笑顔、澄んだ眼差しを私に向けながら言った

多くのあなたたちはこう思ったはずだ。
「嫌われてたんだwwwどんまいすぎwww」と。

だまれ!!!!!

だまれと言うからにはこちらにもあなたを黙らせるほどの確固たる自信がある。
それは、”前のおままごとで、好きな子から私がお父さん役に任命されて好きな子がお母さん役に名乗り出たという事実”である。
その後の彼女の私に対する対応もそれまでとは変わらないもどだったと思う。
だから絶対に嫌われてはいない。きっと。おそらく。

しかも謎はさらに続く。
それは他の子は仮面ライダーか戦隊モノのキャラクターに任命されていた。
アンパンマンもしょくパンマンもカレーパンマンも出てこなかった。
ちょっとここは記憶が曖昧なのだが、確かその後私は誰にも攻撃されず、「俺は敵ですらないんかい」と思った記憶があるのでおそらく事実である。

つまり私だけ”produced by やなせたかし”だったのだ。

さぁ、ここからは考察です。

まず、考えられること。
それは”私がお父さん役の時に何かしらの失態をおかした”という可能性である。
当時はまだ、年齢的にも時代的にも男尊女卑的思想が正されていなかった。
彼女はそれを先取り、軽蔑の意と世直しとして私をバイキンマンに任命した可能性がある。
だとしたら今にでも謝りに行きたい。
「お茶ァ!!」とか言ってしまっていたのだろうか。

また、全く反対からの指摘として挙げられるのが、”彼女は私が喜ぶと思ってバイキンマンに任命してくれた”という説である。
「ありえねーよwwwもうあきらm」だまれ!!!!!

当時の私は「それいけ!アンパンマン」がそれはもう本当に大好きだったのだ。
毎日の楽しみだったことは間違いない。
それを知っていれば、その物語の中のキャラクターに任命しようというその心は考えられなくも無い。多分!おそらく!
現に私は卒園時に、彼女からアンパンマンのハンカチをもらった。

バイキンマンが好きな人がいることだって全然あるだろう。
スターウォーズでダースベイダーを推す人が当たり前にいるのだから存分にありえる
おんなじことじゃないか。

また大事なのは私(バイキンマン)自身は敵として扱われなかったという点である。
このことから、”バイキンマンという戦力を必要としていた”という説も浮上してくるだろう。
だってあのバイキンマンの乗ってるメカを見てみろよ。
手ェついてんだぞ。すっげえしなやかに動く。

あれを自作できるほどの技術とロマンは、仲間として迎え入れる理由として十分である。
多分バイキンマンの基地は世田谷ベースくらい充実しているはずだ。
憩いの場も供給してくれるバイキンマン(feet. 所ジョージ)を迎え入れない理由はないはずだ。

バイキンマンに任命された衝撃でその場に固まってしまった当時4歳くらいの私に優しく伝えたい。
君(バイキンマン)は必要とされているんだよ」と。
君(バイキンマン)には見込みがあるんだよ」と。

おそらくこれは、誤解が生んだ悲しい物語だ。
真心と真心がすれ違ってしまった。


今回の謎について話せるのはこれくらいだろうか。
筆者としては後半の論をどうしても信じたい。
というかそれでしか浮かばれない。

真相がどうであれ、当時の私の後ろ姿を想像して心臓がキュッとなることは今後も変わらない。

 フクダコーシ しそとツナ缶。
 Instagram @f.kohhhhhshi_(アート投稿中!)
 Twitter @FKohhhhhshi


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