マガジンのカバー画像

蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・訂正

71
運営しているクリエイター

記事一覧

14.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正

手にいれてしまった。何をかって、連載誌のコピーですよ。
今日から、毎日、1回分づつ検証していきますよ。
(ほんと毎日やるんかなぁ。 がんばれ俺)

1.星星峡 2009年4月号 No.135 P2-16

連載部分→単行本 でやってきます。

/01
テーマ
けれど、それが限りなく古い、まだほんの歩きだしたば
かりの幼い頃であることは確かである。

けれど、それがまだ歩きだしたばかりの、ほんの

もっとみる

15.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 02

スマホでみたら、見にくいですね。PCで打ち込んでます。
1行あたりの文字数が、連載と本で違ってます。
本で、場所を探しやすいように、本の部分は本の改行に合わせてます。
可能ならば、PCでみてください。

さて、 
02.星星峡 2009年6月号 No137 P30-37

 夜は、若い。外を人々が行き過ぎ、車が穆んだ赤い流線
形となって流れていく。

夜は、まだ若い。外を人々が行き過ぎ、車が穆ん

もっとみる

16.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 03

03.星星峡 2009年8月号 No.139 P2-11

やっぱり聞こえる。雨の馬たち。
*前後に空白行

世界は音楽に溢れているのに、あたしのどこにも音楽は
ない。
*前後に空白行

世界はこんなにも音楽に溢れているのに。

 色彩のない、雨に歪む風景をぼんやり眺めていると、そ
んな醒めた実感だけが込み上げてくる。
こんな状態でコンクールに出てどうなるというのか。

 色彩のない、雨に歪む風景

もっとみる

17.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 04

星星峡 2009年10月号 No141

 高島明石、二十八歳。父親の転勤先の兵庫県明石
市で生まれたから、というのがその名前の由来で
ある。
*前に空白行

いや、本当は、違う。
*前後に空白行

本 P49-53

今日はこんだけ。
三日坊主におわらずに済みました。

18.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 05

星星峡 2009年11月号 No.142 P2-7

おう、ここから毎月かな。

懐かしい匂い。
前後に空白行

 明石の出す音は優しいねえ。お蚕様も、明石のピアノだ
とよう聴いとうよ。
*前後に空白行

 明石の出す音は優しいねえ。お蚕さんも、明石の
ピアノが好きみたいや。

むろん、自分が天才少年でないことは知っていた。
*前に空白行

ピアノは天才少年や天才少女のためだけのものじゃない
んだ

もっとみる

19.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 06

星星峡 2009年12月号 No.143 P2-11

 あちこちで焚かれるカメラのフラッシュ。ダークスーツ
でメモを携え素面(しらふ)で飛び回っているのは、

 あちこちで焚かれるカメラのフラッシュ。ダーク
スーツでメモを携え素面で飛び回っているのは、

*ルビについては、記載しないことにしてましたが、今までは連載時にルビがなかったものが、本では追加されていました。ここは、連載時にあったのが、本

もっとみる
21.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 07

21.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 07

では、さっそく。

星星峡 2010年2月号 No.145 P2-6

 しかし、演奏者になるとドレスは厄介なものでもある。
 かさばる。費用がかかる。しかも、そうそう何度も着ら
れない。

 しかし、演奏者になるとドレスは厄介なものでも
ある。
 かさばる。費用が掛かる。しかも、そうそう何度も
着られない。

 ピアニストに限らず、女性演奏家は肩の駆動に制約があ
るのを嫌い、ノースリーブを選ぶこ

もっとみる
22.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 08

22.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 08

星星峡 2010年3月号 No.146 P14-19

 浜崎家を辞して外に出ると、思わず小さなため息がもれ
た。

 浜崎家を辞して外に出ると、思わず小さな溜息がもれ
た。

えっ、なに、これ?
*前後に空白行

 違う。うまい。もの凄くうまい。ピアノ科の学生なみ、い
や、そんなんじゃない、なんだかよく分からないけど凄い。
*前後に空白行

 あたし、今、凄いもの聴いている。コンクールの前日に、

もっとみる

23.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 09

星星峡 2010年4月号 No.147 P2-10

 日本で見る太平洋は、不思議と色彩があっても墨絵のよ
うだ。重く湿度のある空気越しに見るせいだろうか。西海
岸から見るのと同じ海とは思えない。

 日本で見る太平洋は、不思議と色彩があっても墨
絵のようだ。重く湿度のある空気越しに見るせいだ
ろうか。アメリカ西海岸から見るのと同じ海とは思えない

 それでも頭の中には溜々とバッハが流れる。朝の音

もっとみる

24.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 10

星星峡 2010年6月号 No.149 P2-10

 思わず、全身に力が入っているのに気付き、ふっとため
息をつく。

 思わず、全身に力が入っているのに気付き、ふっ
と溜息をつく。

 俺、上がってる?
*前後に空白行

 でも、こんなふうに靴紐も結べないほどに上がったこと
も、かつては一度もなかった。

「高島君、おはよう」
*前後に空白行

 撮られたくない。・・・・・・
を回すのだろう。

もっとみる

25.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 11

さぁ、コンクールが始まりましたよ。
星星峡 2010年8月号 No.151 P14-21

 なんで1番!どうして1番なんか引いちゃったんだろ
う!
*前後に空白行

 だけど、どうして一番。あの時、ほんの少し指を動かし
て別の紙を取っていればーー
*前後に空白行

 レベル高騰だな。
*前後に空白行

 通常、一次審査は技術的に問題がある者を撥ねるのが目
的であるが、昨今、大きな問題がある者はそ

もっとみる

26.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 12

星星峡 2010年 10月号 No.153 P2-10

 明石が当日の演奏予定時刻の載ったスケジュール表をF
AXで送ってくれたので、今日の最終演奏者である明石の
出番までまだ一時間以上あるのは分かっていたが、そもそ
も彼の出番が一日目に繰り上がったこともあって、もしか
して当日また演奏時刻が変わるのではないか、と満智子は
朝から気が気ではなかったのだ。

 明石が当日の演奏予定時刻の載ったスケ

もっとみる

27.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 13

星星峡 2010年12月号 No.155 P2-5

 そう、コンテスタントたちが「次のコンクールこそ」と
期待するように、審査員のほうも「次こそスターを」と期
待している。二週間近く、特に五日間も続く一次審査など、
聴くほうも体力がいるので、ペース配分をしないと乗り切
れない。

 そう、コンテスタントたちが「次のコンクールこ
そ」と期待するように、審査員のほうも「次こそス
ターを」と期待してい

もっとみる

28.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 14

星星峡 2011年1月号 No.156 P2-6

 やはり、その話を持ってきたか。
*前後に空白行

 ああ、そうだった、そうだった。こういう男だった。
*前後に空白行

 実際、あんたよりもあたしのほうが彼の演奏を聴きたが
っていると思うわ。果たして彼が何者なのか、ホフマン先
生はどんなつもりだったのか。今いちど聴いて見定めたい。
そうよ、あたしのほうが、あんたなんかよりもずっとずっ
と聴きた

もっとみる