14.蜜蜂と遠雷　連載からの加筆・修正

手にいれてしまった。何をかって、連載誌のコピーですよ。
今日から、毎日、１回分づつ検証していきますよ。
（ほんと毎日やるんかなぁ。　がんばれ俺）

1.星星峡　２００９年４月号　No.135　P2-16

連載部分→単行本　でやってきます。

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テーマ
けれど、それが限りなく古い、まだほんの歩きだしたば
かりの幼い頃であることは確かである。

けれど、それがまだ歩きだしたばかりの、ほんの
幼い頃であることは確かだ。

遠い遠い、遥かな高みの一点から、冷徹に、それでいて
誰にも惜しみなく平等に降り注ぐ気高い光が。

遠い遥かな高みの一点から、冷徹に、それでいて
惜しみなく平等に降り注ぐ気高い光が。

世界は明るく、どこまでも広がっていて、常に揺れ動き
うつろいやすく、しかも神々しくて恐ろしい場所だと感じ
られた。

世界は明るく、どこまでも広がっていて、常に揺
れ動きうつろいやすく、神々しくも恐ろしい場所だ
と感じられた。

濃厚でいきいきした魅力的な、その癖取り返しのつかな
いような空恐ろしい予感を湛えた、大小さまざまなたくさ
んの何かが、刻一刻と移り変わっていく辺りの空気に満ち
満ちていた。

　濃厚でいきいきした、大小さまざまなたくさんの
何かが、刻一刻と移り変わっていく辺りの空気に満
ち満ちていた。

前奏曲

蜜蜂の羽音。
*連載では前後に空白行があったのが、無くなっている。

おたくの業界とうちの業界って似てるよね。
*連載では前後に空白行があったのが、無くなっている。

今でもたまに一緒に呑むのだが、彼女は会うたび小説業界
とクラシックピアノの世界は似ている、と言うのである。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　今
でもたまに一緒に呑むのだが、彼女は会うたび文芸
業界とクラシックピアノの世界は似ている、と言う
のである。

　楽器代、楽譜代、レッスン代。発表会の費用でしょ、お
花でしょ、衣装でしょ。留学費用に生活費。ええと、あと
は何？

　楽器代、楽譜代、レッスン代。発表会の費用でし
ょ、お花でしょ、衣装でしょ。留学費用に交通費。
ええと、あとは何？

　場合によっちゃ、ホール代や交通費も持たなきゃならな
いわね。

　場合によっちゃ、ホール代や人件費も持たなきゃ
ならないわね。

そうなのだ。
*連載では前後に空白行があったのが、無くなっている。

　結局、誰もが「あの瞬間」を求めている。いったん「あ
の瞬間」を味わってしまったら、その歓びから逃れること
はできない。それほどに、「あの瞬間」には完壁な、悪魔
的とすら言える、至高体験と呼ぶしかないような快楽があ
るのだ。

　結局、誰もが「あの瞬間」を求めている。いった
ん「あの瞬間」を味わってしまったら、その歓びか
ら逃れることはできない。それほどに、「あの瞬
間」には完壁な、至高体験と呼ぶしかないような快
楽があるのだ。

書類があと五枚になった。
*連載では前後に空白行があったのが、無くなっている。

　これまで、日本人は二人いた。どちらもここパリの高等
音楽院に留学している二人で、技術は申し分なく悪くはな
かった。そのうちの一人が、他の二人も推薦するのであれ
ば合格にしてもいいと思っている子で、もう一人は残念な
がら引っかかるところがなかった。

　これまで、日本人は二人いた。どちらもここパリ
の高等音楽院に留学している二人で、技術は申し分
なかった。そのうちの一人が、他の二人も推薦する
のであれば合格にしてもいいと思っている子で、も
う一人は残念ながら引っ掛かるところがなかった。

　これだけ技術が拮抗していると、あとは何かが「引っか
かる」というところでしか比べることはできない。突出し
た才能、明らかな個性がある子はともかく、合格ラインを
隔てるのは、ほんのわずかな差での争いになるからだ。

　これだけ技術が拮抗していると、あとは何かが
「引っ掛かる」というところでしか比べることはで
きない。突出した才能、明らかな個性がある子はと
もかく、合格ラインを隔てるのは、ほんのわずかな
差での争いになるからだ。

　学歴、コンクール歴、何もなし。日本の中学を出て渡仏。
書類から分かるのはそれだけだ。

　学歴、コンクール歴、何もなし。日本の小学校を
出て渡仏。書類から分かるのはそれだけだ。

僕は爆弾をセットしておいたよ。
*連載では前後に空白行があったのが、無くなっている。

僕がいなくなったら、ちゃんと爆発するはずさ。世にも
美しい爆弾がね。
*連載では前後に空白行があったのが、無くなっている。

カザマ・ジン。現れない？
*連載では前後に空白行があったのが、無くなっている。

なんだ。
*連載では前後に空白行があったのが、無くなっている。

子供。
*連載では前後に空白行があったのが、無くなっている。

その瞬間、奇妙な電流のようなものが空気を走った。
*連載では前後に空白行があったのが、無くなっている。

　少年の目に、喜悦が浮かんだのだ。それは明らかに、快
楽の絶頂の色を帯びていた。さっきステージでぼんやりと
立っていた素朴な少年とは明らかに一変している。

　少年の目に、喜悦が浮かんだのだ。それは明らか
に、快楽の絶頂の表情だった。さっきステージでぼ
んやりと立っていた素朴な少年とは明らかに一変し
ている。

なんだ、この恐怖は？
*連載では前後に空白行があったのが、無くなっている。

違う。音が。全く違う。
*連載では前後に空白行があったのが、無くなっている。

なんて凄まじいーーなんて、おぞましい。
*連載では前後に空白行があったのが、無くなっている。

　途方もない才能を目にするとは、恐怖に近い感情を喚び
起こすものなのだ。
*連載では前後に空白行があったのが、無くなっている。

　恐ろしい。おぞましい。
*連載では前後に空白行があったのが、無くなっている。

ふーーーっ。やっと終わった。
連載では16P　本では27P　
本では目次にエントリーとあるが、連載時にはなし。
あと、連載時にはついてなかった、ルビが数ヶ所あったが、そこまでは記載しなかった。

連載回数は71回、連載開始しばらくは隔月、ページ数は統一されてなく、今回の16Pはかなり長いほうでしょう。見開き2Pだけの回もありましたから。
どこで、入手したか興味のあるかたもおられるでしょうから、書きますと、

いいよ、いいよ、国会図書館でしょって思ったあなた、そう私もそう思ってた。国会図書館には半分もなかった。
23回から42回まで。
では、残りはというと、都立多摩図書館。
ただね、ここは10年以上前は職員がコピーしてくれる。ただし、1枚25円。

その後は、自分でコピー。結構、いや、かなりいい仕事でした。
コピーした本はどれも初めて借りられたような新品状態。全部、コピーしたモノ好きは私が初めてだった模様。

さぁて、全71回の連載。毎日やっても2カ月以上。いつ終わりますかね、＆
こんなことやるのに、どれだけの意味があるかなぁ。
気になるのは、ジンが連載では中学まで日本が、本では小学校まで、なんで変えたんでしょうかねぇ、あと、映画ではどっちだっけ。

では、今日はこのへんで。
だれか、手伝いますってもの好きな人、いないよねぇ。