19.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 06

星星峡 2009年12月号 No.143 P2-11

 あちこちで焚かれるカメラのフラッシュ。ダークスーツ
でメモを携え素面(しらふ)で飛び回っているのは、

 あちこちで焚かれるカメラのフラッシュ。ダーク
スーツでメモを携え素面で飛び回っているのは、

*ルビについては、記載しないことにしてましたが、今までは連載時にルビがなかったものが、本では追加されていました。ここは、連載時にあったのが、本では削除されていたので、掲載しました。 でも、もうやらないかな。

ホテルやオフィス、ショッピングセンターなどの複合施
設のひとつであるこのコンサートホールは、石造りの広場
を囲むようにロビーが造られているので、素通しに広場が
見えるのだ。もう夜十時近くなので、広場には人気がなく
真っ暗である。:"ひとけ”にルビ


 ホテルやオフィス、ショッピングセンターなどの
複合施設のひとつであるこのコンサートホールは、
石造りの広場を囲むようにロビーが造られているの
で、外がよく見えるのだ。もう夜十時近くなので、
広場には人気がなく真っ暗である。

風間塵 
*前後に空白行

 三枝子はその笑い声を聞いて憂欝になった。ホフマンの
思惑にまんまと骸まった挙句、息子の名前はホコリときて
いる。

 三枝子はその笑い声を聞いて憂欝になった。ホフ
マンの思惑にまんまと骸まった挙句、名前はホコリときて
いる。

実際に「蜜蜂王子」を目の敵にするとすれば、あっちだ
ろうな。
*前後に空白行

ナサニエル・シルヴァーバーグ。

*前後に空白行

 ナサニエルが、著名舞台女優であるイギリス人妻との離
婚で採め、娘の親権争いでも泥沼になっているという噂は
三枝子も聞いていた。


 ナサニエルが、著名舞台女優であるイギリス人妻
との離婚で泥沼になっているという噂は三枝子も聞
いていた。

こと女の話になると、からきし煮え切らない男だしね
*前後に空白行

「大昔の話よ。しかも、籍は入れてなかったから、二年近
く同棲してただけで、厳格に言うと亭主じゃなかったわ


「大昔の話よ」

 ナサニエルとの同棲を解消したあと、親の勧めで見合い
して結婚したのは、東大出の銀行員だった。

 ナサニエルとの結婚を解消したあと、親の勧めで
見合いして結婚したのは、東大出の銀行員だった。

 なぜならば、彼は、数少ない、ホフマンの弟子の一人だ
から。 
 イギリスから週に一度、飛行機でホフマンの家に通って
教えを請うた、それでも推薦状など書いてもらったことの
ない弟子であったから。
*前後に空白行

「シルヴァーバーグ先生」
*前後に空白行

 この印象、誰かに似ている。
 三枝子は記憶を探った。

「どうぞ、おみしりおきを」

「どうぞ、おみしりおきを」

まじまじと見入ってしまう。
*前後に空白行

 「マサルというのは、VICTORYを意味する名前なん
だってね」
 ナサニエルは挑むように三枝子を見た。
「こちらは嵯峨三枝子。僕の古い友人さ」
「もちろん、存じ上げてます。どうぞよろしく」
 マサルは目を輝かせ、手を差し出した。
 その美しい大きな手を握りながら、三枝子は内心ため息をついた。

 「マサルというのは、VICTORYを意味する名
前なんだってね」
 ナサニエルは挑むように三枝子を見た。
「こちらは嵯峨三枝子。僕の古い友人さ」
「もちろん、存じ上げてます。どうぞよろしく」
 マサルは目を輝かせ、手を差し出した。
 その美しい大きな手を握りながら、三枝子は内心
溜息をついた。

 VICTORYとDUSTじゃあ、最初から勝負あった
ってところね。
*前後に空白行

本59 -69
ふーっ。
三枝子先生、バツ1からバツ2にされてますね。
ルビ、ほかにも連載にあって本になくなってるのが、ありましたね。
ルビつけるのって作家さんが決めるのか、校正するかたが決めるのか、
もめたりするのかなぁ、 これだけは譲れないとか。
しらふ 素面  漢字はあまり使わないような。

今週の土日は特に予定はなかったのですが、来週はいろいろあって、
まだ決めかねてるのもあるんだよなぁ。
そう思うと、恩田先生、連載がはじまってからもコンクールを全曲聴いていたというのは、なんとも。

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