26.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 12

星星峡 2010年 10月号 No.153 P2-10

 明石が当日の演奏予定時刻の載ったスケジュール表をF
AXで送ってくれたので、今日の最終演奏者である明石の
出番までまだ一時間以上あるのは分かっていたが、そもそ
も彼の出番が一日目に繰り上がったこともあって、もしか
して当日また演奏時刻が変わるのではないか、と満智子は
朝から気が気ではなかったのだ。

 明石が当日の演奏予定時刻の載ったスケジュール
表をメールで送ってくれたので、今日の最終演奏者
である明石の出番までまだ一時間以上あるのは分か
っていたが、そもそも彼の出番が一日目に繰り上が
ったこともあって、もしかして当日また演奏時刻が
変わるのではないか、と満智子は朝から気が気では
なかったのだ。

 今は演奏中。コンクール審査の真っ最中なのだ。
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 満智子は小さくため息をついた。
*前後に空白行
 満智子は小さく息をついた。

 ステージの隅に、出場ナンバーとアルファベットの名前
を書いた白いプレートが置かれた。
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 明石の練習は聴いていたが、防音ルームにしたために、
かえって彼のピアノの音が聞けなくなった。

 明石の練習は聴いていたが、防音ルームにしたた
めに、かえって彼のピアノの音が聴けなくなった。

 なんと慰めればいいのだろう。
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 ベストは尽くしたよね。挑戦しないで後悔するよりは、
挑戦してよかったよ。あたしも面白い経験させてもらった
よ。有給休暇内に終わってよかったじゃない。
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たいへんでしょう、音楽家の奥さんって。
*前後に空白行

 明石くん、どうしてるの?
 彼、まだピアノ弾いてるの?
 よかったよねえ、満智子が公務員で。
*前後に空白行

 たいへんでしょう、音楽家の奥さんって。
*前後に空白行

余計なお世話だよ。
*前後に空白行

二十二番、高島明石。
*前後に空白行

22 TAKASHIMA AKASHI

 あたしが出場者だったら、上がりまくっててとても演奏
なんかできないよ。いや、違う、自分が出場者でも、こん
なには上がらなかっただろう。
 あんなところにたった一人で出てきて演奏できるだけで
も、明石、あんたは偉い。
*前後に空白行

 やっぱり、この人には生まれながらの明るく上品な雰囲
気があるなあ。
*前後に空白行

 大丈夫。落ち着いてる。集中してる。
*前後に空白行

 あっ。
*前後に空白行

 明石の音は、違う。同じピアノなのに、さっきの人とは
全然違う。
*前後に空白行

 平均律クラヴィーアの第一巻第二番。
*前に空白行

 明石の言った意味が分かったよ。
*前後に空白行

 本当は、バラードの第四番を弾きたかったんだけど、時
間が足りないんだよなー。
*前後に空白行

 たくさんの明石の声、明石の表情が重なり合う。
*前に空白行
 
 あたしは音楽家の妻だ。あたしの夫は、音楽家なんだ。 
*前に空白行

本 P111-120

 明石のおくさん、満智子役、映画でだれだっけ。
ぐぐってみました、臼田あさ美さんかぁ。
 LIFEのせいで、なんかまじめに演技されてると、笑っちゃうんだよなぁ。
 逆にブルゾンちえみもなぁ。なんか、ふりかえんじゃないかと。

国際コンクールだから、22 TAKASHIMA AKASHI になるわけか、
連載時は気にならなかったのか。浜松はどうなんだろうね。
知ってる人いたら、コメントお願いします。


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