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マニュアルは宝物だ。想いの結晶で人に安心と満足を。そして感動に。

飲食notersの田中です!今回のお題は「マニュアルは大切か?」についてです。10年以上前のアルバイト時代、私はマニュアルが苦手でした。当時でしたら、マニュアルは必要ない。そう言っていました。

でも、今はマニュアルが大好きです。必要か、必要でないか、と問われれば、即答で「必要」と答えられるようになりました。

それはなぜか?ある上司の言葉がきっかけでした。

マニュアルは宝物だ。

何を言っているんだと最初は思いました。自分たちの自由を奪っているのはマニュアルじゃないか。感じたことを感じたままにしてあげたいのに、それをマニュアルが阻んでいる。アルバイト時代はずっとそう考えていました。だから、マニュアルなんて嫌いだと公言していたのです。

その考え方や意識が変わり始めたのは、指導する立場となった時からでした。新人スタッフにやってもらいたいこと、伝えたい想い、どう感じて欲しいか、教育に携わるようになってからというもの、少しずつうまくいかない場面が出てきたのです。スタッフの成長が早い段階で止まってばかりいました。

それはなぜかというと、先輩として、経験したことが中心に技術が落とし込まれていくので、基礎が育ちにくい。土台の部分が成長しておらず、肝心の幹が細く、枝の部分ばかりが伸びていく。そのため、脆いんです。イレギュラーが起これば、思考回路はストップし、自分で判断できなくなります。指導者の立場であれば、往々にしてあることですよね。

そんな中、「マニュアルは宝物だ」という言葉を聞きました。最初は疑っていましたし、まずは思い込みから始めてみました。鳥貴族が250店舗ほどだった時代です。

やればやるほど、どこか作業的になってしまいましたし、疑問は膨らみました。そこで、実践した上で、マニュアルはなぜ宝物か、の本質を聞きにいったのです。そのアドバイスを聞いたときに、腑に落ちました。

「いいか、田中。マニュアルはなぜ作られたと思う?」

返答として「一定のラインの満足を守るためです。最低限ここは抑えておいてもらわないと鳥貴族としては困るから、マニュアルが作られたと思っています。でも、僕たちはお客様に満足を提供するんじゃなくて、感動を提供したいんです。だからマニュアルをやればやるほど、その想いとは別の行動にしかなりませんでした。あんまり重要だと思えません。」

それに対しての返答はこんな内容でした。

「それは、考え方が甘い。そもそも、マニュアルというのは、人の想いの結晶だ。チェーン展開をしていこうという創業者の想いと、その想いを広げていこうという賛同者(フランチャイジー)がいる。その想い(理念)を実現するためには、いつでも、どこでも、同じものが、同じ値段で、同じ味で提供されることが大切になってくる。感動は満足の先にしか生まれない。だから、必ずその満足は抑えにいかなければならない。そこに、マニュアルが作られた人の想いがあるんだよ。お店に来られるお客様だけじゃなく、これから出会うお客様のために、鳥貴族に来られた方には、こんな風に鳥貴族を感じてもらいたいな。100人来たら100人が満足して帰られるお店にしたいな。じゃあ、マニュアルをこう作るべきじゃないか?いや、こっちの言い方の方がより伝わりやすいんじゃないか?アルバイトが初めての学生でもこのマニュアルなら使えるだろうか?使いやすい方がいいよね。じゃあこうしてみよう。指導者ならば、経験をもとに、伝えてきただろう。でも、マニュアルを作った人の、その想いの熱量をお前は感じようとしたのか?250店舗に来られるお客様全員が、全員笑顔で帰っていただくためには、ベテランの店長だけがお店に居るんじゃない。だから、マニュアルにその想いを託しているんだよ。いいか、マニュアルは想いだ。人を管理、支配するためにマニュアルが作られたんじゃない。そこまで考えたとき、本当にマニュアルがなんのために存在しているのかが、分かるときがくる。もう少し、考えて続けてごらん。」

目から鱗でした。人になにかを伝えるとき、これは何故やるかというとね、とすぐに説明していたため、大変腑に落ちました。そうか、マニュアルには想いがあるんだ。その想いは創業者の想いと同じなのか。たくさんの人に喜んでもらいたいから、作られたのか。ちょっと考えて、このマニュアルを大切にしてみようかな。嫌いになる必要ないなと。今考えれば、自分はあまりに素直だと思わざるを得ません(笑)

今は、そのマニュアルを通して、お客様に安心を提供できるようになりました。満足と感動は、その安心が担保されていなければ生まれないことも、実体験で語れるようにもなりました。だから、マニュアルは、私にとっても宝物になりました。

そのマニュアルに対して、違和感を感じたり、想いが感じられないマニュアルに対しては、現場から声をあげています。大企業として、そこに責任と、TCC(鳥貴族カムレードチェーン)としての責任があると信じて疑いません。

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