マガジンのカバー画像

【和訳】英国国防省:ウクライナ情勢報告

325
英国国防省発表のウクライナ情勢評価分析の日本語訳
運営しているクリエイター

#ウクライナ戦争

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 06.07.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 06.07.2024

日本語訳独立系ロシア・メディアの2024年7月4日付報道によると、ロシアの情報通信規制当局ロスコムナドゾールの要請で、いくつかの仮想プライベート・ネットワーク(VPN)がロシア語版アプリストアから取り除かれたとのことだ。この出来事は、以前のことになるが、2022年と2023年にVPNアプリが取り除かれたことに続くものだ。ロスコムナドゾールは2024年3月に裁判所への照会なしで、VPNサービスへのア

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 04.07.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 04.07.2024

日本語訳ウクライナ政府筋は以前からずっと、ロシアが占領地域からウクライナの資源を盗み奪っていることを強く指摘している。鉄鉱石、チタン、ウラン、マンガン、金、リチウムの鉱床はすべてウクライナ国内に存在している。これらはロシアがほぼ確実に欲しがる資源であるだけでなく、ウクライナの手にこれら資源が渡らないようにし、インフラを破壊して、ウクライナ経済を消耗させようとロシアが狙う潜在的なターゲットでもある。

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 22.06.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 22.06.2024

日本語訳ロシアの国粋主義派テレビ・チャンネル「ツァーリグラード」のオーナーであるコンスタンティン・マロフェーエフは、国粋主義的学生運動「学術研究者の友愛会[The Fraternity of the Academics]」の資金出資者である。この組織はさまざまなロシアの大学内に拠点を構えており、過激な帝国主義的見解を強く支持している。21世紀はロシアのイデオロギーが世界規模で支配的になり、ロシア文

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 22.04.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 22.04.2024

日本語訳ロシアのインフルエンサーであるエレナ・ブリノフスカヤの夫が、ロシア連邦軍のウクライナにおける軍事作戦に加わっている。その目的は、脱税容疑でブリノフスカヤが刑務所に送られるのを阻止することにある。ブリノフスカヤの夫であるアレクセイ・ブリノフスキーが、ウクライナに近い場所において、カスカドBARS(戦闘軍予備役)部隊として知られている特別に編成された軍部隊で任務についている様子が、2024年4

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 23.02.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 23.02.2024

日本語訳

2024年2月14日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、「ロシア連邦軍に関する偽情報を拡散する」という罪、つまり、ウクライナにおけるロシアの戦争に対する国内批判派を沈黙させることを主に意図してつくり出した罪に関して、財産没収を認める法案に署名し、承認した。

これより2日前、ロシア連邦下院の「外国の干渉に関する委員会」は、ロシアにとって「望ましくない」組織指定範囲を広げることを求

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 22.02.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 22.02.2024

日本語訳

2024年2月14日にロシア大統領府報道官ドミトリー・ペスコフは記者団に対して、「特別軍事作戦は対ウクライナ作戦として始まった」けれども、「次第に西側全体に対する戦争という形態を示すようになってきており、この戦争は今や米国が率いる全西側諸国がこの戦いに直接的に関与するという戦争なのだ」と語った。この発言は、ロシア側が公式に用いる表現とおおむね一致している。この種の言説が求めている点は、

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 21.02.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 21.02.2024

日本語訳

ウクライナ南部ロボティネ作戦軸において、ロシア地上軍は地上攻撃を続けている。そして、その攻撃の激しさが増しつつある可能性も高い。このロボティネ方面は、2023年夏季の反転攻勢の期間に、ウクライナ側が奪還した場所だ。それ以降、ロボティネという村落はずっと最前線になっている。

この地区で作戦にあたっているロシア軍第58諸兵科連合軍とロシア空挺軍(VDV)は、ウクライナの反転攻勢の期間に甚

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 20.02.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 20.02.2024

日本語訳

この1週間でロシア軍はアウジーウカ市を制圧し、それとともに同市の北方に位置するコークス工場も押さえてしまった。アウジーウカ市とコークス工場はともに2023年10月以降、激しい攻防戦が繰り広げられてきたところであり、また、2014年以降、最前線の場所であった。

なお、ウクライナ軍はすでにアウジーウカ西方の防衛拠点に後退している。

アウジーウカ占領という戦果をすぐさま拡張するのに必要な

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 18.02.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 18.02.2024

日本語訳

2024年2月15日にロシアの戦争支持派評論家は、黒海艦隊司令官ヴィクトル・ソコロフ海軍大将がその地位から外されたことを報じた。

ソコロフの前任者であるイゴール・オシポフとの類似性を踏まえると、ソコロフ指揮下においてウクライナがさまざまな艦艇の撃沈に成功したことに、今回の解任の原因がある可能性は極めて高い。ソコロフの指揮・指導の流儀もまた、彼の解任の要因になった可能性が高い。

ロシ

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 16.02.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 16.02.2024

日本語訳

ロシア軍はドンバス地方での作戦を続けており、その主たる重点はアウジーウカという都市に置かれている。ロシアは2023年10月以降、この都市を占領しようと連携した作戦行動を遂行しており、この都市の分断を図る進撃を少しずつだが持続的に進めてきた。それに伴いウクライナ軍もロシア軍に対応するために増強されてきた。

アウジーウカは2014年以降、ドンバス地方の最前線に位置している。この都市を奪取

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 15.02.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 15.02.2024

日本語訳

2024年2月14日、ウクライナ軍はロシア軍のロプーチャ級揚陸艦ツェーザリ・クニコフに対して、無人水上艇攻撃を敢行し、その攻撃に成功した。その結果、この艦艇が沈没したのはほぼ確実である。現状、ロプーチャ級10隻のうち3隻がウクライナ軍の攻撃によって撃破されている。

黒海艦隊(BSF)への兵站支援と、ウクライナでのロシアの戦争への兵站支援を行うために、この艦艇はかなり重用されている。こ

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 10.02.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 10.02.2024

日本語訳

2024年1月31日、クリミアにあるロシア軍のベルベク空軍基地に対してウクライナは攻撃を行い、レーダー指揮管制施設がある掩体壕を破壊するに至った。これによって、黒海地域における航空行動を調整するロシア軍の能力が低下し、すでに過負担な状況のA-50「メインステイ」航空機への依存が増すことになるのはほぼ確実で、それに加えて、航空作戦の指揮要員として登用可能な訓練済み人材プールも損なわれるこ

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 08.02.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 08.02.2024

日本語訳

アウジーウカは依然としてロシア軍の作戦の主注力点になっている。ロシア軍はこの都市の南東端で攻撃を続けており、それに伴い市街地の通り一本ごとをめぐる戦闘が生じている。ここ2週間、ロシア軍はアウジーウカ地区に追加戦力を投入し、部隊の入れ替えを行っている可能性が高く、この都市周辺のウクライナ軍陣地にかかる圧力が増している。ウクライナは、まだ使える主要補給路を確保するため、継続的な反撃を仕掛け

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 06.02.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 06.02.2024

日本語訳

2024年2月1日にウクライナ国防省情報総局は、ロシア海軍ミサイル・コルベット「タランタルⅢ級イヴァノヴェツ」を撃沈したと主張した。さまざまなアングルから撮影された公開情報動画には、複数の無人水上艇がスウォーム戦術を用いてこのロシア艦艇を攻撃し、それに成功した様子が映っている。この攻撃により大きな爆発が生じ、イヴァノヴェツが沈没する結果になったのはほぼ確実といえる。

イヴァノヴェツは

もっとみる