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【和訳】英国国防省:ウクライナ情勢報告

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英国国防省発表のウクライナ情勢評価分析の日本語訳
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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 2024.09.01

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 2024.09.01

日本語訳ロシア地上軍(RGF)は、ここ直近の7日間、ウクライナ東部の都市ポクロウシクを目指す進撃を加速させている。RGFがポクロウシク市の端から10km圏内に位置している可能性は極めて高い。なお、ロシア地上軍がポクロウシクの市街地内に進入するにつれ、その前進ペースは遅くなる可能性が高い。

ポクロウシクはドネツィク州における主要兵站拠点としての役割を担っており、仮に陥落することがあれば、既存のウク

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 2024.08.26

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 2024.08.26

日本語訳ウクライナ軍参謀本部は2024年8月14日に、クルスク市ハリノ[Khalino]航空基地を目標にした攻撃を複数の機関によって行ったことを伝えた。2024年8月14日以降の画像によって、オリオンUAV[*注:無人航空機]1機の破壊が確認できる。ここに配備されているMiG-29「フルクラム」戦闘機と2機目のオリオンUAVも、攻撃された際に損傷を被った可能性がある。

オリオンは2020年にロシ

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 2024.08.24

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 2024.08.24

日本語訳ロシアが一時的かつ部分的に占領しているザポリッジャ州から上院議員に選出されたと称する、元ロシア副首相のドミトリー・ロゴージンは、SNSサイト“テレグラム”の投稿のなかで、ウクライナ語の書籍を焼き払ったことを鼻にかけ、「ウクライナ的なもの」を「その根本から焼き払う」ように呼びかけた。彼はまた、「停戦というものは何であれ、我々の子どもたちにとっての確実な死だ」とコメントした。これらの発言は、ウ

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 2024.08.21

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 2024.08.21

日本語訳ロシアの調査報道メディア「重要な話[Vazhnyye Istorii]」の報道によると、ウクライナ軍のクルスク州進攻に対する防衛のために配置された部隊のなかに、珍しいことだが、航空宇宙軍(VKS)の要員によって構成された特殊な自動車化狙撃連隊が1個存在しているということだ。この自動車化狙撃連隊は2024年5月に編成され、ロシア軍北部部隊集団の指揮下に置かれていると報じられている。

報道に

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 2024.08.16

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 2024.08.16

日本語訳2024年8月6日にウクライナ軍はロシア領クルスク地方に突破浸透を開始し、その後、前進範囲は約40km正面で縦深10〜25kmに及んでいる。ロシアはこの地域に防衛線を構築しており、国境防衛部隊を配置していたにもかかわらず、複数個大隊規模の攻撃戦力に対応する準備ができていなかった。

当初の混乱と無秩序ののち、ロシア軍はこの地域にさらに多くの戦力を配置しつつあるが、その戦力にはほかの地域の接

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 11.08.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 11.08.2024

日本語訳バフムート占領を目指すロシア軍攻勢の間、激しい戦闘が起き、無差別に建築物が攻撃目標になった結果、この都市全体に広域な被害が生じた。学校、鉄道駅、住宅、さらにまたそのほかの民間インフラに被害が生じた。そして、破壊されてしまった例も存在する。

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 09.08.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 09.08.2024

日本語訳ロシア地上軍は戦線上の複数の地域で攻勢作戦を遂行し続けており、そのなかでロシアはさらなる戦術規模の前進に成功している。

ロシア軍作戦の重点が引き続きドネツィク州中央部にあるのはほぼ確実である。最近のロシア軍の前進によって、ポクロウシク[Pokrovsk]という都市は、すでに現時点の最前線から約16km以内の位置にある。ポクロウシクは重要な兵站拠点であり、ここがドネツィク州におけるウクライ

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 07.08.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 07.08.2024

日本語訳2024年8月3日に行われたクリミアに対するウクライナによる攻撃の結果として、ロシア黒海艦隊のキロ級潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌ」が沈んだ可能性は極めて高い。この攻撃は一連のドローン攻撃と連動して行われたものであるが、セヴァストポリへの攻撃に陸軍戦術ミサイル・システム(ATACMS)が使われた可能性は極めて高い。

いくつかの報告とは異なり、この潜水艦が、以前の2023年9月にクリミアに対し

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 30.07.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 30.07.2024

日本語訳2024年7月、ロシア地上軍(RGF)はドネツィク州中央部において、継続的な攻撃を維持した。RGFは着実に西へ進んだ。そして、複数の村落を制圧し、兵站上の重要拠点であるポクロウシク[Pokrovsk]に近づいている。

RGFはまた、ニウ・ヨルク[Niu York]という小都市の内部へと北進した。このニウ・ヨルクは2014年から前線に位置する町だ。この町を巡って、RGFとウクライナ軍との間

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 24.07.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 24.07.2024

日本語訳2024年7月7日にウクライナ軍が、ヴォロネジ州セルゲイエフカ付近に位置するロシア軍弾薬保管施設の一つに対してドローン攻撃を行ったことが、公開情報によるレポートによって明らかになっている。この攻撃の結果、囲いが設けられた露天エリア内に保管されていた弾薬・装備に加えて、施設内の建造物がほぼ完全に破壊された。

この出来事は、約9平方kmの範囲をもつと伝えられていた保管施設における、一大損失と

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 20.07.2024&22.07.2022

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 20.07.2024&22.07.2022

英国国防省発表 20.07.2024日本語訳

前線上の複数の地域でロシアは攻勢作戦を続けている。アウジーウカ[Avdiivka]〜ポクロウシク[Pokrovsk]地区が今でもロシア軍の主たる注力地点である可能性は高く、その結果として、この1カ月間、ロシア軍による最も速い作戦遂行テンポが確認されているものと考えられる。ロシア軍はオチェレティネ[Ocheretyne]という町の北方と西方で占領地を広

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 10.07.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 10.07.2024

日本語訳公開情報による報告や報道によって、2022年2月から2024年6月の期間に、ウクライナ軍が撃沈した、もしくは損害を与えた黒海領域内で行動するロシア軍艦艇は26隻に上っていることが明らかになっている。攻撃は黒海の北部地域一帯とアゾフ海のなかで生じている。

この一年間、クリミア半島周辺における攻撃の頻度は増し、これらの攻撃が与える損害の程度は上昇しつつある。そして、攻撃の3分の2ほどがこの期

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 04.07.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 04.07.2024

日本語訳ウクライナ政府筋は以前からずっと、ロシアが占領地域からウクライナの資源を盗み奪っていることを強く指摘している。鉄鉱石、チタン、ウラン、マンガン、金、リチウムの鉱床はすべてウクライナ国内に存在している。これらはロシアがほぼ確実に欲しがる資源であるだけでなく、ウクライナの手にこれら資源が渡らないようにし、インフラを破壊して、ウクライナ経済を消耗させようとロシアが狙う潜在的なターゲットでもある。

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 30.06.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 30.06.2024

日本語訳ハルキウ州ヴォウチャンシク[Vovchansk]では、骨材プラントに戦闘の焦点があたっていると伝えられている。骨材プラントはこの都市の南東部に位置する防御拠点であり、ウクライナ軍はロシア軍をここから追い出そうとしているところだ。直近の72時間以内でのチャシウ・ヤール[Chasiv Yar]周辺におけるロシア軍の前進は確認されていない。ただし、イヴァニウシケ[Ivanivske]とクリシチー

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