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のんびりしたヒトでありたい

"構築" もできるけど、特に "運用" が上手いよね。

最近こんなふうに褒められた。


運転免許以外に特に資格も持っておらず、
勉強ばかりしてきた自分は、

褒められる時は決まってロジカルだと言われてきた。


でも自分では当たり前の思考をしているだけなので
褒められても「???」の状態だった。


細かく言語化した状態で
フィードバックをもらったことがないので

ずっとモヤモヤしてきた。
何が強いのか分からなかった。


最近上司にもらった一言をきっかけに
これまでの自分の能力的な変化が見えてきたので

その道筋を残しておこうと思う。


きっと僕みたいになんとなく頭が良いと言われて、
何がすごいか分からなくて、


でも就職が迫ってきて、
社会に出る日が近づいて、

一人で生きていかないと

能力を身につけないと

そう焦っている人が、きっといる気がするから。


最初に反省をダラダラ書くので
学びになるかもしれないのは

おそらく後半だけであることを
初めに詫びておきたい。


なんとなくいきてる


大学院生になった今でも、
誘われたらとりあえず取り組んでみる癖がある。


ぼくができることは4つくらいしかなくて、
でもできないことは数え切れないくらいあって。

でもできないと思っていることの大半は
やったことがないだけだとも思っている。


だから、今まで自分が目を向けてこなかったことに
誘ってもらったときは

"なんとなく楽しそうだから"

そんな感覚で、前向きにやるようにしている。


先輩から学生団体に誘われたとき、
エンジニアから会社をやらないかと言われたとき、

お世話になった社会人からインターンをしないかと言われたとき、
家族から京大を受験してみたらと言われたとき、

"いいっすね!面白そう!"


基本これしか言わなかった。

今思えば、方々で話す "XXを始めた理由" も
大体、後付けで作ったような気がする。


最近は平日に週4でインターンをして、
残りの1日と土日で大学院の研究を進めている。


ぼくの日常はどこで狂ったのか…と
自分に問うことが増えたが、

楽しいのでまあいいやと言い聞かせている。
必死に。思考を止めている。


のんびりいきてる


最近は、あまり平日に研究室に行かないので
普段何をしているのかと後輩に聞かれた。

スケジュールを話すと

生き急いでる!何がしたいのか分からない

と、飲み会の席で先輩にして良いのかと思う
内容と声量でリアクションをされた。


ただ、一つ言っておくと、
"成長したい" から "頑張っている" つもりはない。


なんとなく始めたところ、
なんとなくやることが増えてきて、

なんとなく週7日なんかしてる。

ただそれだけ。
楽しいし、頑張っている気もしていない。


研究が早く終われば、ボルダリングだってできる。
のんびりいきている方だとさえ思っている。

そう伝えると後輩は無言で首を振っていた。
なんかごめん。


きっちりもいきてる


最近インターン生として働き始めてから
わかったことがある。


働くときはきっちりしないといけないのだ。

23歳になってようやく学んだ。
きっとこれは大きな "成長" だ。


まあ茶番はこの程度にしておいて、


きっちりするとはどういうことか

この文章の一番のテーマはそこだ。


今までのぼくは全くきっちりしていなかった。

画面の向こうのきっちりしていない人に
届けばいいなと思いながら、続きを書くことにする。


ここまでは見えてる


これから書く文章は、

働き始めて4ヶ月のインターン生が
自分の特性に気づき、

それを伸ばそうと思い始めるまでの
過程を記したもの。


きっとぼくと同レベルの自分への解像度しか
持っていない人はいると思う。

ロジカル。頭が良い。


なんとなく褒められてきたけど、
そつなくこなせるだけでは、強みとも言えない。

自分は何が強くて、何が誇れるのか
深く考えたこともない。

なんとなくいきて、
なんとなく楽しくやってきた。


これからどういう道を進むか分からない。

そんな岐路に立つあなたの
ひとつの指標になれていれば光栄だ。


"意思決定"


働いていて思うことがある。


社員さんは忙しそうだ。
聞きたいことあるけど聞いて良いかな…

これってどうなんだろ。
確認すべきかな…

こっちの方が良い気がする。
提案してみようかな…


今までの疑問と全然違う。

勉強ならロジックである程度答えが出た。
今は全然分からない。

考えても答えが出ない。


そこで、なんとなく過ごす癖を発揮し、
5分悩んで答えが出なければ

とりあえずちょっとやってみることにした。


サクッと考えをまとめて
上司に頭出しする。

余った時間で思いついた提案をちょっと進め、
成果をレビューして報告する。


世の中にはこんなことがいっぱいあるんだと思う。
まだ全然知らないけれど。


大体6割くらいは調べればわかるけど、
残りの4割くらいは予測するしかない。

そんな状況で決めるしか前に進まない。


それやらなくて良いよ。

やる前に他の方法が無いか聞いてね。

ここのまとめ方がまだ改善できるね。


決めなきゃいけないことが適度にあって、
決めたことに丁寧にフィードバックをもらえる。

自分は今、恵まれた環境にいると思う。


6割までは頑張って満たして、
ロジックでわからない残りの4割は

ちょっとやって、感触を確かめた上で決める。


きっと研究もそうやって進めてくんだろうな。

もう修士二年生だけれど、
それを研究以外で学ぶとは思わなかったな。


情報を集めてトライアルして、決めて。
間違えたら、今後しないように気をつける。

それを身をもって知って、
言葉にできるようになった。


改めてまとめると、

まずは、6割をちゃんと調べること。
その次に4割を予測すること。


予測したらちょっとやってみて
間違ってなさそうか検証する。

そこまでいけたら、決めてやり始める。


意思決定は、ロジックだけでは
最後までできないらしい。

まあ、ロジックでできることは
誰にでもできる。

だから、意思決定ができるようになって初めて
"ぼく" が取り組む意味が出てくるんだと感じた。


今でも難しいけれど。


"スタンス"


意思決定をしようとすると
スタンスをとる必要があるらしい。

AかBか。


ひょっとするとロジックや正論ではAだが、
自分のスタンスはBだと言い切らなきゃいけない、

そんな場面があるかも知れない。


そのことに気づいてから、今まで、
目の前の出来事に良いか悪いかではなく

好きか嫌いかで判断する習慣があったことに感謝した。


"美味しい料理" があるのではなく、
"料理" を "美味しい" と感じるという考え方が

まさか意思決定につながるとは思わなかった。


意思決定し、
どっちがレコメンドかを話すときには

意外とそんな小さな習慣が生きてくるのかぁ。


きっとどんな習慣も活かせると思うから、
大切に育ててあげてほしい。


"効率化力"


なんとなく生きている。

楽しいので大丈夫。


そんなことを言いつつ、今年の
2月下旬に頭がおかしくなった時があった。

気づいたら旅行に出ていて、
お酒を飲みながらカニを食べていた。




ずいぶん前から、
インターンの仕事で月次目標に届かない雰囲気だった。

薄々厳しいかもと思いつつ、200件ほどテレアポをして
ちょっとでも挽回できるように頑張っていた。


でも、電話をかけること自体ではなく
時間を確実に消費するというテレアポの仕組みが

だんだんと辛くなってきた。

1件30秒、長くなると5分は確実に消費する。


友人のエンジニアに、会社の財務計画を作るように頼まれている。

研究も思ったより進捗を生めていない。


でも、僕は電話しなきゃいけない。
それに時間を使わなければならない。

結果は出ない。


去年インタビューをさせてくださった、
精神疾患を患っている方と近い異常が出ていた。


えづきが止まらなくて。
夜眠れなくなって。

slackの通知が怖くて、
スマホとPCをさわれなくなって。

部屋から出なくなって。
布団からも出られなくなって。


気づけば旅行に出て、酔っ払っていた。
酔うまでの記憶が無い珍しいケースだった。




今思うと、この精神的な落ち込みは
意思決定による成長痛だったんだと思う。


意思決定ができるようになると、
少しずつやることが増えてくる。


これまでは、「やろうかなー…」で
時間切れしていたことが、

「よしやろう」に変わるからだ。


やることが増えると時間が足りなくなる。
そうなると手段は4つくらいしかない。


量自体を減らすために、
もう一回取捨選択をするか。

作業を効率化する方法を模索するか。

効率よくこなせるように
自分がスキルアップするか。


残りの一つは誰かにやってもらうことだ。


ぼくはこのうちどれも出来ずに
逃げてしまっていた。


上司には話せなかった。

教授にも言えなかった。

友人にもバレていなかった。

家族にも話せなかった。

恋人にも話せなかった。


旅行から生還し、
全てを放棄したぼくは、

もっていた作業を全部他の人にやってもらった。


いろんな人に迷惑をかけたけれど、
言われたことは同じだった。

そうなる前に早く言ってほしい。
私にできることはあるはずだから。

それから、大きな反省をした。


こうなる前に仕事を効率化しよう。

あと、それでも無理ならちゃんと言おう。


"型化力"


それから、まずは自分の仕事を
型にしていくように変わった。


自分がいなくても仕事が回るように。

この仕事を誰でもできるように。

そうすれば最終手段、
"人に任せる" ができる。


ぼくは生存手段として "型化力" を身につけた。

なぜうまく行ったのか、
どうすれば属人性を排して運用できるのか。


倒れる前に逃げるために
必死に考えるようになった。

すると、最近上司に褒められた。

"構築" もできるけど、特に "運用" が上手いよね。


素直に嬉しかった。

前までは自分にしか出来ないことがあると
どこか誇らしい気がしていた。


今は、カオスな状況に飛び込んで
ノウハウを作っていくこと、

そして、自分が持っているノウハウを
いかに誰でもできるように型にするか、

こればかりを考えている。


ぼくはもう倒れたくないから。


研究でも、
これまでの進捗をスライドにまとめて

引き継ぎをする後輩に向けた資料を作成した。


もう大丈夫。

ぼくにしか出来ないことは
もうほとんどない。


そろそろ次のカオスに向かおうと
最近、新しい実験とお仕事を始めた。


"言語化力"


型化をする中で学んだことがある。

型化って誰でもできることではないらしい。


原因はどうやら大きく二つあるらしくて、

一つは、自分にしか出来ないという特別感を手放せないこと。
これは以前のぼくと同じ理由。

もう一つは言語化力が足りていないことだ。


伝えるときに自分の脳内の映像と
相手の脳内の映像がどこまでリンクしているか、

常に疑い続けながらズレそうな部分を事前に排除し、
尚且つ都度都度、確認をする。

これはぼくが普段気をつけていること。


野菜野菜と言って説明を進めていて、

最後に確認したら自分はトマト、
相手は大根を想像していて、

また一から説明し直しみたいな。

そんな非効率なことが起きないように。


最後にズレに気づけただけ
さっきの例は幸運な方で、


"かなり" 大きいです、とか
"多分大丈夫" とか、

ズレる地雷が埋まりまくっている会話を聞くと
最近ゾワゾワするようになってきた。


"成長" 出来ているなぁと
鳥肌と共に感じる今日このごろ。


あとはお楽しみ


ここまできて言うのもなんだが、

大前提、ぼくは成長しなくて良いと思っている。


ぼくの目の前にゴリラがいたら
ぼくは一撃で粉々にされるだろう。

ヒトはそれくらい弱くて脆い。


電話をかけ続けて、
心が壊れかけて、

気づけば全てを捨てて
お酒を飲んでカニを食べるくらいには弱い。


それでもヒトは、

膂力を捨ててでも
助け合う方に舵を切ったんだ。


"成長して自分一人で生きていけるように"

そんなセリフは

"ゴリラに戻りたい"

にしか聞こえない。


別に批判はしない。
戻りたいなら戻れば良い。

きっと向こうもぼくを

"逃げた" だの "弱い" だの言うかもしれない。


別に良い。ぼくはヒトでいたい。
"弱さ" を認めて助け合いたい。

ゴリラに戻りたくない。


そんなことを言っていたら恋人に

"銃を使えば、ヒトはゴリラよりも強いよ"

と根底からひっくり返されたけど。
まあ気にしない。



インターンを始めて4ヶ月。


思ったよりも収穫があったけれど、
もう1年の1/3くらいを消費したのかと考えると、

もっと出来たのかもなぁとも思う。


まあでもいいんだ。ぼくは人間だから。
なんとなくのんびり生きるんだ。


ぼくの成長は今、ここまで見えている。
これからはわからない。

あとはお楽しみ。


半年ぶりのnote
今回はこのあたりで。

atom.


奇妙礼太郎トラベルスイング楽団 『オー・シャンゼリゼ』

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