見出し画像

システマの「押すと押せない」という不思議

「押すと押せない」けど、「押さないと押せる」。どういうこと?って感じですが、体験したまんまを言葉にした感じです。システマは、本や動画を見るだけではほとんどわからないので、体験して体で感じることの重要性をいつも感じます。

トレーニングで相手をプッシュ(押す)する時に、大抵はすぐ「押して」しまいます。でも、相手を動かそうとして押すと相手は抵抗するので動いてくれません。押すの前にやることが3段階くらいあって、その後、結果的に押す→相手が動く、というイメージだそうです。

以下は、自分なりで解釈したイメージです。

・まずは全身をくまなく力ませる(私の場合は、力が抜けがちなのでやっています。不要な人もいると思います)
・自分のテンションを自覚して余分な力を抜く(テンションを脱ぐ、という表現。自分の良い状態を作る。準備できている身体)
・その状態で相手に触れる(テンションがなければ柔らかいタッチになる。物理的に触れる前に、相手の動きや存在なども感じながら既に触れている感じ。触れる前に触れる、も不思議(笑))
・相手の中に入っていく(手を通じて相手と一体になる感じ。力でやると相手が拒否して閉じるので入れない。頭で考えても入れない)
・手に充実感があれば相手が勝手に動く(手のフィット感。手で相手全体を捉えている感覚。脱いだテンションが手に集まる≒移動する?)

なかなかうまくいかないですが、押すを一旦考えず柔らかく相手に触れる感覚は何となくわかった感じがしました。

この「何となくわかった感じ」を体験すると、身体が本来持っている機能や回路に気づけるのかなと思いました。トレーニングをしながら、眠っている機能や回路を目覚めさせるイメージでしょうか。

大人になると、子どもの時のように、思ってもいない動きや、考え方をすることがなくなってしまうので、今後一生しないであろう動きを身体に体験させる良い機会だなと。

あと、今回の「押すと押せない」「押さないと押せる」は、普段の人間関係にも通じるなと思いました。無理やり相手を動かそうとすると衝突してしまうけど、相手を受け入れて理解しようとすると相手の中に入れるなーと。仕事をしていると、「北風と太陽」って本当にあるんだなぁと思うことが度々あります(笑)。そんなことを考えました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?