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カタカナ

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カタカナのような詩
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詩の昼寝

詩の昼寝

僕の詩には
血が宿っている
太陽に透かせば
真っ赤な血潮が
脈打っている

どうにかして僕は
この詩に悲しみを与えてやろうとする

だのに僕の詩は
なんにも言わない

詩は行間の間で
ぐっすりと眠り
眠気まなこで
真理を欠伸するだけ

僕の詩には
血が宿っている
太陽に透かせば
真っ赤な血潮が
脈打っている

真っ青な空が嫉妬して
橙色に霞んできた

だのに僕の詩は
なんにも言わない

なんにも語

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隣の芝生は真っ青だ

隣の芝生は真っ青だ

幸福な日々は過ぎ去りて
薄く伸ばした平たい過去を
唯々なぞって生きています
こんなあたしは一体だあれ

甘い一時、過ぎ去りて
過去の香りは遠のいて
微かな微香も残らぬ窓辺に
枯れたる花は沈丁花

寝床はしんと、謐りて
雪はこんこん、鳴りまする
乳房はだんだん、絞りて問えば

愛も斜陽へ沈殿します
あいも変わらず爺婆なりて
あたしの人生、いったいだあれ