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西洋出版史たんのこと

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Twitterの学術たん「西洋出版史たん(@publishtan)」について
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記事一覧

弱いメディアが人間の行動を喚起する

弱いメディアが人間の行動を喚起する

公園の辺り一面に並べられる本。
原爆で没した方の名簿はその数117冊に達するそうだ。

風化を避けるため、毎年梅雨に入る直前の時期に作業が行われるらしい。
職員が頁1枚1枚を繰って手入れする。
気が遠くなりそうな作業だと思うのと同時に、アナログな何かに触れているから催されるありがちなセンチメンタルさとは別の、途方も無い時空の中で「所在」とは何かを考えさせられた。

未来のメディアは果たして電子なの

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二子玉川の本屋博はなぜ熱狂のうちに終わったのか?

二子玉川の本屋博はなぜ熱狂のうちに終わったのか?

1/31(金)午前、二子玉川は静かにざわめき始めていた。
日本各地に点在する書店が、大手もインディペンデントも関係なく一挙に集合し、本棚を広げる『本屋博』が始まろうとしていたからだ。

2日間に渡るイベントが終了し、感想を聞いて回ると、どうやら本が多く売れたようだ。
また、普段の商業では起こらないような読み手-書店の会話、コミュニケーションも多く生まれたようだ。
実際にイベントに訪れた自分も、それ

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【完全版】西洋出版史に興味がある全員に読んで欲しい15冊

【完全版】西洋出版史に興味がある全員に読んで欲しい15冊

Twitterで西洋出版史たん(@publishtan)というアカウントを始めて1年少しが経った。

もう趣味に近いのだが、中世ヨーロッパ(特にイタリア)における印刷、出版の歴史を勉強し、発信するためのアカウントだ。

西洋出版史と言うと歴史色が強く、紙の本が前提であるように見える。
しかし、実際のところは現代の諸問題を解くアプローチとしても非常に有効な情報史、コミュニケーションしと言っても良いの

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歴史はアルゴリズムを生むための学問だ

歴史はアルゴリズムを生むための学問だ

アン・ブレアの『情報爆発 初期近代ヨーロッパの情報管理術』を7割くらいまで読んだが、ああ…面白い。

5,000円はたいて購入する価値が十分にある。(さすがに勇気がいった)
中で触れられている史料や史実はさておき、物の見方捉え方で大いに参考になったのは以下3点である。

・テクノロジー(印刷術)の功績を過大評価していない
・既存概念(情報管理術の概念)が過去から存在し、今も変わらないことを証明した

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西洋出版史たんが「はじめてのこみけ」に挑戦しようと思ったわけ

西洋出版史たんが「はじめてのこみけ」に挑戦しようと思ったわけ

突然ですが、2020年の目標を立てた。
そう、「はじめてのこみけ」だ。

こみけ(コミックマーケット)とは?一言で言うと、同人誌を頒布する場所。(勘違いしていたのだが、コスプレをするだけの場所というわけではないようだ)
数10サークル(出展グループ)程の小規模なものから、3万サークル程の幕張メッセなどで開催される大規模なものまである。
書店のようなお店とお客という関係性は存在せず、皆が対等な関係性

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