短歌集第3弾
これまで詠んできた短歌がある程度まとまったので18首を載せます。
揚げたてのからあげクンを盗むから国に死刑で殺してほしい
風呂上りふやけた顔のおうとつを両手で触り生を感じる
「いたんだと」見えているのに映らない無色の僕は道端の石
ぬちょぬちょと2人はやがて一体へ24日の夜のいちゃいちゃ
フォロワーを助ける人と思ってはいけない僕は一人のままだ
左手に君の右手がくることを願って今日も荷物は右手
綿棒についた大きな耳垢を愛しく思う大寒の午後
人前で射精することなく死んでゆく俺だけど愛してほしい
押し波と引き波が来て灰色の僕は黒へと染め上げられる
ポケモンのキャラの名前を好きな子にして遊んでた小4の夏
路上には捨てられている頭頂部 アンパンマンに芽生えるカビ(悪意)
先生「登校(投降)しなさいさもなくばプルトニウムを投下します。」
多目的トイレのカギが閉まってる 木曜の午後 市立図書館
安売りの化粧品で誤魔化した世界でいちばん美しい母
一軍の女子が座った体温がまだ残ってる5限の机
「この前の約束のこと覚えてる?」 「動物園に行く話だろ……?」
10円をグラスの底に入れたまま眠る私は神戸在住
「天邪鬼(これ)なんて読むの?教えて」「いやだ」「ケチ、あまのじゃくだね」「うん、読めてるよ笑」