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福岡市の歴史

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福岡在住の光山忠良が連載する、福岡市の過去・現在・未来。
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2021年1月の記事一覧

福岡都市計画③博多国際展示場&カンファレンスセンター

福岡都市計画③博多国際展示場&カンファレンスセンター

2019年まで7年連続で市税が過去最高を記録、人口が160万人を突破するなど、コロナまで絶好調だった福岡市。もっともコロナが起きても、土地開発の動きにブレーキはかかっていません。2021年の福岡市土地開発について、解説したいと思います。今回は博多国際展示場&カンファレンスセンターです。

MICEってなあに福岡市には一級河川がないため、これといった製造業がなく、商業の街として発展してきました。かつ

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福岡都市計画②天神ビッグバン第1号の話

福岡都市計画②天神ビッグバン第1号の話

なんか恐ろしいくらいの速度で土地開発が進む福岡市ですが、その中核となる再開発プロジェクトが「天神ビッグバン」です。天神は福岡市の中心街なのですが、ご存じの通り、福岡空港から地下鉄で10分と近接されているため、これまで高層ビルが建てられませんでした。その規制緩和に立ち上がったのが高島宗一郎市長。天神地区の航空法高さ規制に特例を設け、高層ビルへの建て替えを促したのです。その結果、現在まで実に47棟もの

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2代目に引き継がれるジャパネットの「厳選集中主義」

2代目に引き継がれるジャパネットの「厳選集中主義」

ジャパネットといえば、テレビ通販番組での商売っ気丸出しのトークと親しみやすいキャラクターで庶民を魅了した髙田明氏。しかし明氏は2015年1月に、長男の旭人氏に社長職を譲っています。旭人社長は父親には経営のことは一切相談せず、父親からは「本当になにも相談しに来ないな」と呆れられているといいます。カリスマのリーダーでありプレイヤーであったトップを失う形となったジャパネットですが、旭人氏がバトンを継いで

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著書だけで想像する、高島宗一郎・福岡市長のポリシー

著書だけで想像する、高島宗一郎・福岡市長のポリシー

ここ10年で人口は増えるは、市税収入は増えるは、地価は上がるは、ベンチャーは次々立ち上がるはと、コロナ・ショックまで絶好調だった福岡市。その立役者といわれているのが、2010年に史上最年少の36歳で就任した高島宗一郎市長です。10年前の彼のキャッチフレーズが「とりもどせ元気!とりもどせ信頼!」だったころからは隔世の感があります。

私は2019年末に故郷である福岡市に帰ってきたのですが、確かに福岡

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『ふくおか経済』から探る2021年福岡市の行方

『ふくおか経済』から探る2021年福岡市の行方

福岡に引っ越してきて丸1年、はじめて福岡県の経済誌『ふくおか経済』2021年1月号を買って読んでみました。いやあ、なかなか読み応えありますね、288ページ。産官学のトップ122人のインタビューも載っている。元業界誌記者としては、これはインタビュー形式の依頼原稿なんじゃないかなあと勘繰ったりもしますが、仮にそうだとしてもトップの公式メッセージをこれだけ集めたのはすごいし、貴重な情報です。

現在は不

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にわかの私が解説する「筑後地方」について

にわかの私が解説する「筑後地方」について

雨の日は「しるしかろう」私は生まれは福岡県糸島市ですが、中学・高校の5年間を除いては東京、札幌、高松、京都と点々としておりました。1年前、40代の半ばになってようやく家業を継ぐべく福岡市に帰ってきたので、福岡県民としては新米になります。

父母の住む実家は一駅隣になるので、時々晩ごはんを食べに行くのですが、帰る時に雨が降っていたりすると「しるしかろう」と言われます。なんのことかなと調べてみると「め

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福岡天神よ、セレンディピティの街になれ!

福岡天神よ、セレンディピティの街になれ!

天神から博多へ買い物客が流れる?福岡天神はデパートから商店街からファッションストリートから大型家電店からなんでもそろう福岡の中心街でしたが、私にとっての天神と言えば大型書店のジュンク堂福岡店でした。西日本最大級の140万冊という品ぞろえ、19年という短い間でしたが、東京から遠く離れた福岡でも東京なみの文化的生活が送れたのは、ひとえにジュンク堂のおかげだったと思います。
そのジュンク堂福岡店がくだん

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