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『ふくおか経済』から探る2021年福岡市の行方

福岡に引っ越してきて丸1年、はじめて福岡県の経済誌『ふくおか経済』2021年1月号を買って読んでみました。いやあ、なかなか読み応えありますね、288ページ。産官学のトップ122人のインタビューも載っている。元業界誌記者としては、これはインタビュー形式の依頼原稿なんじゃないかなあと勘繰ったりもしますが、仮にそうだとしてもトップの公式メッセージをこれだけ集めたのはすごいし、貴重な情報です。

現在は不動産業の片手間にライターをやっていますので、どうしても福岡市の今後の土地開発の情報に目がいきがちですが、その他にもいろいろイベントがあるんだなあと、福岡市民としては新米の私は感心しました。

というわけで、今回は、2021年の福岡市の5大ニュースを、勝手に選んでみます。

① 「天神ビッグバン」第1号案件が竣工

まあ、もう記事にしてしまったのですが、天神の高層ビル建て替えプロジェクト「天神ビッグバン」の第1号案件「天神ビジネスセンター」が今年9月に竣工します。1フロア716坪ですが、ジャパネットが3フロアを賃貸ではなく区分所有することになりました。
「天神ビジネスセンター」を皮切りに、福ビル街区(福ビル、天神コア、天神ビブレ)、大名小学校、イムズ、MMTビルの跡地での高層ビル建設も進んでいます。天神のシンボルでもある新天町商店街も、隣のパルコと一体になって再開発されるというニュースも新年早々飛び込んできました。

② 人工島『アイランドシティ』に都市高速直結

博多港の航路の海底をさらって取り除いた土を使って埋め立てた土地が、東区にある人工島「アイランドシティ」です。なんか地元の人によると、福岡市の西の副都心がももち浜地区を背後に備える西新で、東の副都心がこのアイランドシティを背後に控える香椎なんだそう。というわけで約400ヘクタール(東京ドーム85個分)の滅茶苦茶でかい土地が1994年からずっと開発されてきました。
そのアイランドシティが2021年春にも福岡高速6号線で本土と結ばれることになりました。これにより都市化は加速することになります。2020年中に西鉄グループによるマンションがすべて完成したほか、積水ハウスによる48階建てのツインタワーマンションも建設中だそうです。

③ 九州大学箱崎キャンパス跡地の再開発事業者決まる


福岡市東区の九州大箱崎キャンパス跡地を再開発する事業者の公募入札に、九州電力、西部ガス、JR九州、西日本鉄道(いずれも福岡市)の「地場企業連合」が、大手商社の住友商事と共同で参加することが分かった。ペイペイドーム7個分に及ぶ約50ヘクタールの敷地に、自動運転など先端技術を駆使した次世代モデル都市「スマートシティー」の造成を目指す。同跡地再開発を巡り、入札予定のグループが判明するのは初めて。
西日本新聞2021年1月3日


④ 国際金融機能の誘致を目指す

香港のような国際金融機能の誘致を目指す産学官の「TEAM FUKUOKA」が2020年9月に発足しており、政府が候補地として東京・大阪・福岡の三都市を挙げているそうです。東京・大阪と張り合っていること自体すごいことですね。

⑤ 申請書類3800種類で「ハンコレス」完了

国や他の自治体に先行してオンライン申請の導入「ノンストップ行政」を目指してきた福岡市。2020年9月には市単独で見直し可能な申請書類3800種類すべてで「ハンコレス」が完了しました。デジタル化を推進する「DX戦略課」も立ち上げています。


というわけで、土地開発・デジタル化・国際金融機能誘致と、なかなか勢いがすごいですね。土地開発が急ピッチすぎで心配なのと、さすがに金融都市は東京だろうと、東京に住んでいた私は思うのですが、果たして2021年の福岡市はどうなるんでしょう。

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