見出し画像

なぜ、睡眠時間が短いと肥満になりやすいのか?

アメリカ保健福祉省による大規模調査:National Health Nutrition Examination Surveyでは、7時間以下の睡眠不足の人たちは、充分に睡眠がとれている人よりBMIが高いことが示されています。それも10年連続で。

睡眠は肥満と密接な関係があります。

今回は肥満研究を専門に行う医学雑誌Obesity Reviewsに掲載されたコロンビア大学による研究内容から、

睡眠時間と食欲、脂肪の量、買い物の量の関係性をご紹介していきます^^

■睡眠不足で食欲が上昇!?


・食欲『促進』ホルモン:グレリンの分泌量が増加↑↑ 

・食欲『抑制』ホルモン:レプチンの分泌量が低下↓↓ 

・空腹感 = 24%上昇

・食欲 =25%上昇


食欲はグレリンやレプチンだけで調節されている訳ではないので、実際の結果はもうちょっと複雑ですが、睡眠不足が少なくとも食欲に関係しているというのは間違いないと考えられています。


■ダイエット中にしっかり睡眠をとると脂肪がみるみる減っていく。

123人を集めて、15~24週間における栄養士との共同ダイエットを行った実験で、

・睡眠時間が1時間増えるごとに脂肪は0.72kgほど減少した

という結果が出ています。ダイエットしてる人の中で、睡眠時間が少ない人には朗報ですね!睡眠時間が少ない人は1~2時間増やすだけで脂肪の減少が増やせるかもしれませんよ。

ただし、この実験では7時間程度が対象なので、寝すぎてはいけないということにも注意が必要です。


■睡眠不足なだけで、買い物の量が増えちゃう!?

8時間以下の睡眠をとった人に、50ドルを渡してスーパーマーケットで買い物をしてもらう、という実験では、睡眠不足の人は1日に300~550kcalも多くの食事を摂取してしまうことが明らかになっています。

睡眠不足の人では脳内報酬系のバランスが崩れてしまうので、ハイカロリーな食事による快楽がより増してしまうため、どんどんカロリーの多いものを摂ってしまうと研究者たちは考えているようです。


■睡眠借金という考え方

睡眠時間が短くても2週間ほどはレプチンの分泌量は変化しないものの、3週以上からは優位に減少してしまうことが明らかになってきています。

『睡眠借金』とは、短時間睡眠の継続により、レプチンの減少を引き起こすことで、やがて引き返すことのできないくらいの大幅な体重増加をもたらしてしまうという考え方です。


■では私たちは何時間寝たらいいのか。

厚生労働省の推奨睡眠時間は6~8時間とされています。

ただし、最近では遺伝的に寝つきやすい時間というものがあり、社会的に夜寝なければいけないという習慣自体が体に合ってない人も一定数いることが分かっています。

ただし、6時間以下の睡眠では交通事故など別のリスクも増えてくることが明らかになっているので、最低でも6時間程度の睡眠はとるべきなのでしょう。

寝だめはほとんど意味がないという研究結果も出てきているのであくまで規則的な生活を心がけましょう。


もし、それでも眠れないんだ!という方がいれば睡眠時間を延ばすためにとるべき行動も追記していきたいと思いますので、ご連絡ください。


睡眠不足は万病のもとです。スマホを夜中までガンガンいじっている人もいると思いますが、しっかり休んで健康で幸せな人生をつかんでくださいね♪


オススメ記事


引用

1.World Obesity Federation
https://www.worldobesity.org/
2.St‐Onge, M‐P. "Sleep–obesity relation: Underlying mechanisms and consequences for treatment." Obesity reviews 18 (2017): 34-39.
3.Taheri, Shahrad, et al. "Short sleep duration is associated with reduced leptin, elevated ghrelin, and increased body mass index." PLoS medicine 1.3 (2004): e62.
4.Nedeltcheva, Arlet V., et al. "Insufficient sleep undermines dietary efforts to reduce adiposity." Annals of internal medicine 153.7 (2010): 435-441.
5.Chapman, Colin D., et al. "Acute sleep deprivation increases food purchasing in men." Obesity 21.12 (2013): E555-E560.
6.厚生労働省:健康づくりのための睡眠指針2014
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf


私の記事は、ほとんどが無料です。 それは、情報を皆さんに正しく、広く知っていただくため。 質の高い情報発信を続けていけるよう、 サポートで応援をお願いします。