マガジンのカバー画像

深夜、堕落したブルーライト、ぼくら勝手に孤独になって輪廻。

208
散文詩/自由詩まとめ。
運営しているクリエイター

2021年9月の記事一覧

猫、レゾンデートル。

哲学者の名前をじゅうにんぶん、言い終わるまで降りれない電車、中吊り広告の美人はたぶんわたしより美人、いつまでもできないフリック入力で検索した次の満月、知ったところであなたが本当は欠ける日なんてないことを思い出すだけ、四角かったらきっと欠けるだの満ちるだの言われないのにね、たしかにね、人間ももう少し四角かったら、よかったね。

シュレーディンガー、
結局のところわたしは海から生まれてなんていなくって

もっとみる

0921億回目の報復性夜更かし

正しさなんてどこにもなくて、そこら中のどこにでもある、おっきなハンバーガーにかぶりつくこいびとの姿がいちばん正しいことだけはわかっているけど、それ以外の全部がわからないね。欲張りが悪いことじゃないってだれか言ってほしい、言ってくれなくてもわたしだけはずっと言い続ける、
それぞれの抱きしめる(捨ててもいい)地獄をどうか軽んじずにいられますように、すきなひとの地獄を見せてほしくて今日も短い指でつくった

もっとみる

溶けないでドーナツホール

哀しみをのぞけない望遠鏡ばかりが売られている、きみの胸の中はきっと夜空みたいに、要は宇宙みたいにめちゃくちゃでやけに広いはずなので、奥の奥のほうにぽつんと浮いてる、誰もいない惑星みたいな哀しみを見たいなら望遠鏡を買うしかないのだ。
仕方がないからかわりにドーナツを買っていった。ドーナツは穴があるからドーナツで、みんなそれでいいって、それがいいって知ってるから、わたしの穴もおんなじように価値があるっ

もっとみる

未・革命

タイムイコールマネーのくらし喫煙所には寿命屋がたまにいるらしい

有り金をはたいて買える数日じゃ消化できない積読の丘

病名がつくのもつかないのもこわい病院は隣町にしかない

降りたことない駅が減っていくたび逃げ場をうしなうような気がする

馬鹿にしか見えない電車ぼくだけをおいて列車は幸福駅へ

別れたら死ぬって泣いてた別れても死なない元カノより重い病

ご近所の夫婦喧嘩で心臓が逆再生

もっとみる