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大学を休学、ふらっと来てみた島体験。そこには仕事と暮らしの発見があった。

関東の大学に通う4年生。
昨年の夏から休学し、2023年の4月から島体験に参画。
日本が大好きでふらっと来てみた島体験。そこで彼女が気づいた発見とは?

島根県の離島、隠岐島前地域で大人の島留学・島体験に参画した皆さんの来島前・来島後、そしてこれからについてお届けする「私、島で働く。」

来島のきっかけから島での仕事・暮らし、自分自身の変化など
1人1人のストーリーをお届けしています。

 小川さん 取材当時22歳 新潟県出身 
2023年度4-6月期の島体験生として来島


R5年度島体験4-6月生として知夫村に来島。
「農業と養鶏のITADAKI FARM(いただきファーム)」とフレンチレストラン「Chez SAWA(シェ・サワ)」で働く、小川桐奈さんにインタビューしました。


ボランティアで知れた自国愛

大学では国際系の学部に入学しましたが、コロナ渦で海外へ行けず…。
「代わりに国内で何かしたい!」と思い、国内ボランティアに参加しました。

石川、三重、奈良、愛媛に行っていて。 
参加する中で、「日本でもこんなに知らない場所や暮らしがあるんだ...。」「参加者も同じ学生なのにこんなに活動的な人がいるんだ…。」と知って、日本がみるみる好きになりました(笑)

国内ボランティアでみかん農家へ


コロナもだいぶ落ち着き、2022年の夏から大学を休学しています。

コスタリカのホームステイにも行きました。
実際に行ってみると、イメージしていたよりも生活や自然環境がとても豊かで、何よりも自国愛が強いことに驚きました。

コスタリカにホームステイ


自分は日本が好きだけど、「どんなところが好き」で「どういう差があるのか」を改めて知りたいなぁって…。

残りの休学期間、何をしようか考えていたらInstagramで島体験をみつけて、「あ!これだ!」と参画することに決めました。


発見と変化。そして、思いを持って働くことの大切さ


私の大好きな自然もある。暮らしや人を身近に感じやすいという理由から知夫村を選びました。

国内ボランティアで農業をしていたことや食べることも好きで...。
食を通じた地域コミュニティーに興味があったので、「農業と養鶏のITADAKI FARM(いただきファーム)」とフレンチレストラン「Chez SAWA(シェ・サワ)」で働くことになりました。

ITADAKI FARMでは野菜や軍鶏しゃもを育てています。

育てている野菜を見に行くたびに毎回違った成長が面白くて!
「農業って大変じゃない?」「楽しいの?」と聞かれるけどそんなことなくて、本当に楽しい!(笑)

ITADAKI FARMで農作業


ひよこも3カ月という短い期間だったけど、タマゴを孵化させるところから始まって。
日めくりカレンダーを作って、毎日成長を見守りました。

生後3週間を過ぎるとひよこの可愛さよりも、軍鶏しゃもらしさが増えていって、うれしい気持ちと少し寂しい気持ちで世話をしています。

普段、ひよこを見る機会なんてないから、「こんな形なんだ」「こんな大きさなんだ」という衝撃もありました。

ひよこの餌やりと水換え


働く中で、仕事に対する思いにハッとさせられることもありました。
はじめて働かせてもらったときに、「思いを持ってするのが仕事で、そうじゃないのが作業だよ」って言われたことが記憶に残っています。

事業所の方との対話も欠かせません


この場所でしか作れない、採れないものをレストランで使っている。
それを地域のみなさんに提供する思いとか地域愛を事業所の方からすごく感じて。

正直、最低限の水や餌を与えれば野菜も軍鶏しゃもも育てられる。
けれどそうではなくて、土地や地域の人、お客さんへの思いがあるから良いモノができる。
この場所でしか作れない、採れないものの、ありがたさを感じて働くようになりました。

レストランの準備


収穫した野菜を美味しく食べてもらえる喜びもあります。
レストランでは、育てた食材がフレンチ料理になると切り方や盛り付け方で同じ野菜も「こんなに変わるんだ!」と驚きながら毎回料理を運んでいます(笑)

Chez SAWA(シェ・サワ)で提供されている料理

ちいさなコミュニティからつながる暮らしと交流

休日は同じシェアメイトと映画をみたり、島留学生だけでなく、地域の人も遊びに来て、一緒に団らんしています。

地域のみなさんとの距離が近いから、夕飯に呼んでもらえたり、赤壁を見に船を出してもらったこともありました。

船から見た赤壁


シェアハウスでの苦労はなかったけど、シェアメイトとのコミュニケーションスピードが違って。
私は喋ることが好きでついたくさん話してしまって。
そのたびに情報量が多くて、シェアメイトに「意味わからない」と言われ、カルチャーショックでした。(笑)

でも、その子もすごく人との対話を大切にしていて。
人以外に物事だったり、自然の感じ方や感性が豊か。

その子の目線に立ってみたら「あ、同じように生活していたけどこういう視点があったんだ!」とか「綺麗な海を見たときに、こう思うこともできるんだ!」と新しい発見につながりました。
なにより、出会えてよかったです。

出会えてよかったシェアメイト

知夫村での生活は、地元が新潟県なので風景が違うことにびっくりしました!
新潟は田んぼだったり、お米のイメージ。
知夫村には田んぼがないので、生活していてちょっと違和感があって(笑)

たまに隣の海士町で田んぼをみると「あ‼落ち着く」と感じるときもありますけどね。(笑)

でも知夫村は海が近いし、綺麗だし。特に、島津島しまづしまがお気に入りです。

大好きな島津島

自分と向き合えた3ヶ月

島体験を通して、「自分のことを言語化することができない」とハッとさせられました。

島では、「ここにきてどう感じているの?」「あなたってどういう人なの?」「幸せってどんな時?」と考えさせられる機会が多くて…。

考えれば考えるほど、自分に向き合っていなかったことに気づきました。


島に来たら、地域のことや島のことを考えるだろうなと思っていました。
でも意外とそうじゃなくて、自分自身の変化が大きかった
だからこそ、新たな自分と向き合えた3カ月間だったと思います。         

これからは、大学があと1年半残っているので、関東に戻ります。
卒業したら就職する予定です。

人と関わることが好きだし、どんなアプローチがいいのかはまだ模索中。
人と関わる仕事が何かしらできたらいいな。

「大人の島留学」を見つけたのであれば、
とにかく1度来てみたらいい…
思ってもいなかった発見に出会えるかも。




(R5年度 大人の島留学生:渋谷)


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