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人に巻き込まれ、人を巻き込んでいくと見えてきた私のこと

2021年4月より、3か月間のインターンシップ島体験に参画していた村松さん。ひと月が経った5月ごろには、「3か月では足りない!1年間この島で働きたい!」と思い、7月から大人の島留学生として延長することになりました。

2021年4月から2022年3月までの1年間、海士町役場 人づくり特命担当に所属。7月からは、JICAのみなさんと一緒に業務を行っていました。

JICAのイベント設営など、0から生み出す仕事をしている村松さんに、この1年間を振り返っていただきました。

村松いろはさん:22歳(取材当時)。静岡県出身。

海士町でJICAの方々と一緒に働く

3か月間の島体験から1年間の大人の島留学へと延長した村松さん。延長してからの9か月間は、JICA(国際協力機構)に関する業務を行っていました。
 

――7月からJICA関連のお仕事をされていましたが、具体的にはどのようなお仕事をされていましたか?

1つ目に、オリンピック・パラリンピックのホストタウン事業をサポートしていました。ホストタウンであるミクロネシアと海士町を、ミクロネシアと隠岐全体をつなぐ架け橋のような、つながりを濃く、継続できるようなプロジェクトを考えていました。

例えば、ミクロネシアのオリンピアンの方々との交流イベントや、演奏家さんを島に呼んだクラシックライブの運営です。他にも4か国に対する海士町の英語によるリモートトリップの企画や翻訳作業などを行っていました。

JICAで関わらせていただいている業務は、無いと困る仕事というよりは、参加者のみなさんに少しでも楽しんでいただけるような、プラスαの部分を作っていく仕事のような気がします。

イベントの開催がいつのまにか自己満足にならないよう、「3方良し」を心掛けていて、どんな人にもご迷惑にならないことを、そしてイベントをきっかけに、さらに次につながることを意識しています。


――そうだったんですね。最近では、100万人のクラシックライブという財団から演奏者さんをお呼びした企画を考えられていましたが、これは村松さんが考えられた企画なのでしょうか。

以前、ホストタウン事業の一貫として始まったプロジェクトが、島民や隠岐の島々、また演奏者にも好評で、「またしてほしい!!」という声をいただき、前回の流れを汲みながら、今回私は立案から運営まで携わりました。

演奏者の方々に1週間、海士町に滞在していただいて、小学校やEntô、隠岐神社など合計10箇所で演奏していただく1週間のスケジュールを考えました。

それに加えて、自分を含め大人の島留学を3月で修了する若者が多かったので、普段お世話になっている島民のみなさんに感謝を伝える会として「大人の島留学の感謝祭」も企画し、その中でも演奏を行っていただくことにしました。


――たくさんの企画運営されていたんですね。プレッシャーを感じることはありませんでしたか?

「この企画をさせてください!」とお願いすると、いつも職場の方が背中を押してくれました。その企画を良くするために、何が必要なのか。答えをそのまま教えてもらうのではなく、何をしたらいいのか疑問を投げかけてくださる。

私も答えを教えてもらうのではなく、「この2つの案があって、悩んでいます。」と色々な側面を考えて、何がベストかを相談するようにしていました。頼りすぎないように、自分の考えなきゃいけないところを、間接的に考えさせてくださって、これから先の仕事の仕方を学んだ気がします。


0から100を作る経験が大きかった

――1年間仕事をしてみていかがでしたか?

とてもよかったです!1番はたくさんの人に出会えたこと。
JICAというお仕事のおかげで、島外の方と接する機会が多く、島の方も島外の方にも、出会うことができ、大きな財産となりました。

海士町での仕事で携わった関係者のみなさんと、東京で会う機会をいただけたことが次の仕事に繋がったり、仲良くしてくださる島民の方が増えたことで、新しいプロジェクトへ賛同や協力をいただいたりと、つながりが大きくなり、続いていくことは、自分にとって大きな経験でした。

 
――1度お会いするだけで関係が終わらない、人の輪がつながっていくこと素敵ですね。こういった企画を通してうれしかったことはありましたか?

クラシックライブの演奏者さんを2度アテンドした時は、本当に多くの方から感謝の言葉を頂きました。

一週間、演奏場所から島内案内まで全てをアテンドさせていただいた時は、来られたお客さんの中に、涙を流して音楽を楽しんでくださる方がいてうれしかったです。

演奏者のお2人も島を去るときには、涙を流しながら「ありがとう」と伝えてくださり、演奏者のみなさんが無事楽しんで帰っていただけたのだと安心しました。

100万人のクラシックライブによる演奏の様子

普通なら学生の私に大きなプロジェクトを任せるのは不安しかないと思うけれど、私に任せていただける環境を作ってくださった職場の方に感謝しかありません。


――大きなプロジェクトを0から完成まで、責任を持って運営するという挑戦に至ったきっかけは何だったのでしょうか。

職場の方に「AからZ(初めから完成)まで全部やってみない?」とお話をいただいたのがきっかけでした。すこし背伸びをして、1から100(完成)までを企画運営することに挑戦したことで、やればできるじゃん!と思うようになりました。(笑)

そして、今回、100万人のクラシックライブの企画を提案させていただいたのは、島民のためにも、今後の島のためにも、100万人のクラシックライブの財団・演奏者さんにとっても良いことがある!と思ったからです。

今までに何度か、目的や方向性が決まった企画、言わば1から100(完成)までを企画運営することには挑戦してきましたが、何も決まっていない0から100までを企画運営することは、挑戦したことがありませんでした。

0からなのか、1からなのかでも難しさが全然違っていて、0からでは、目的・目指す結果なども考えないといけない。そのような、いち社会人のような挑戦ができたことが、すごくいい経験になりました。


――「0から100まで」に挑戦する中で、大変だったことはありましたか。

どんな企画も、賛同してくれる仲間・巻き込んでいく人を探さないといけないことが大変でした。共感・応援がないと企画が構想のままで終わってしまう。

実際に企画が動いたとしても、未来がうまくいっているのか想像もできないし、どうなるか分からないことを想像しながら、仮説を立て、進めていかないといけないことが不安でした。


――周囲を巻き込んでいくときに、意識していることはありましたか?

特別に意識していることはありませんが、普段からイベントやお店に顔を出すようにしていて、「昨日はここであったけど、この間の○○にも来ていたよね!」と顔見知りになっていただけるように参加を心掛けています。

イベントに呼んでいただけることがあれば、できるだけ伺ったり、島では「イエスマン」でありたいなと思っています(笑)

実際に、私から声をかけさせていただくときは、「3方良し」を心掛けていて、自己満足にならないように、相手のメリットを考えるようにしています。

稲刈りも体験!

 
――巻き込むとき、緊張したり不安になったりしませんか?

正直こわいです。自分が責任者だから失敗できない…。
でも、お声がけするときに、断られたらどうしよう…という不安はありません。もし賛同していただけないとしたら、そもそも企画として成り立っていない企画なんだと思います。賛同していただける限り、その想いに応えるために、とにかく動くしかないですね!



島に1度来てみなきゃわからないと思う

――村松さんは、仕事終わりの夜に、島の飲食店でアルバイトされていたそうですね。なにかきっかけがあったのでしょうか。

島の飲食店を3つ掛け持ちしながら、地元のみなさんとの関わりを楽しませていただいています。きっかけというよりは、ただただ島のみなさんとの関わりを増やしたかった。大人の島留学生としてだけでなく、いち島民として、色んな人と会いたかったんです。

実際にバイトさせていただき、役場で働きながら見える島と、地元のみなさんが集う飲食店で働きながら見える島には違いがありました。それぞれ島民のみなさんが島の未来を見て、熱く語っていることもあって、時には、町の取り組みに対して議論していたり。

島を大切に思っているからこそ、深い考えを島民のみなさんそれぞれが持っていることを知って、興味深かったです。

ご近所さんと一緒に。お揃いの洋服。


――大人の島留学生を経験して、これからの人生に活かしていきたいことを教えてください。

大きく3つあって、1つ目はとにかく動き続ける推進力。2つ目は自分が経験したもの、挑戦したものを先へ広げていく、つなげる力。3つ目に常に変化し続けるチャレンジ精神を持つことです。

今がいいからと、その状態に捉われない。7月に職場の方から「今が十分だから、今のままでいい。じゃなくて、もうちょっと背伸びしてみたら?」とアドバイスをいただいた時に、すごく悩んだことがありました。

大きな変化があるということは、今自分が持っているものを一旦手放さなければいけません。できないと思ったことに挑戦するのは怖いけど、そこから変えていかないとできるようになっていかない。

だから、居心地のよい状態で満足しないようにしていきたいです。


――最後に、大人の島留学を検討している方々へひと言お願いします(笑)

難しい!(笑)でも、島にきてよかったです!!!この島には1度来てみなきゃわからないと思います。私の友達にも島の自慢をしたいけれど、伝わるのは2割程度だろうなと思います…。

島についても、自分についても、「自分ってこういう一面があったんだ」って。島に来てみたら再発見できるはずです。ぜひ来てみてください!

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前回の村松さんの「わたし、島で働く。」はこちら!


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