#離島にもっと若者の還流を
農業という環境に、贅沢に関わった1年間だった
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農業という環境に、贅沢に関わった1年間だった

#離島にもっと若者の還流を

2021年4月より、1年間のお試し移住制度である「大人の島留学」に参画するべく、徳島県から来島した妹尾さん。海士町役場 地産地商課で働きながら、島の生産現場から、直売所での販売、料理学校のサポートなど、生産から料理になるまでの過程に携わってきました。

1年間「食」と向き合ってきた妹尾さんに、仕事に対する向き合い方や、島暮らしについて取材しました。

妹尾さん:徳島県出身。大学4年生。海士町役場 地産地商課で働きながら、食について知るべく、島のあちこちを駆け回っている。


農業は絶妙なバランスで成立している

――この1年間、平日も休日もすごく楽しそうに、農業に関することに取り組んでいる姿が印象的でした。「農業に携わりたい。」と思ったきっかけは何だったのでしょうか?

実家が農家なので、ずっと身近には農業があって。だけど、高校生までは、農家を継ぎたいとか農業するとか考えたことがなかったんです。

でも大学生のころに、ふと農業に関する仕事がしたくなりました。なんでかは忘れちゃったけど、農業に関する仕事に携わって、生産からその先に繋がっている大きな枠で農業を知ってみたい。生産者さんと関わる仕事をしてみたい。

そう思っていたので、この1年間は、直売所の「しゃん山」や、生産者さんのもとで働かせていただきました。

▼妹尾さんが綴る、この1年間をまとめた記事はこちら


―― そうだったんですね。直売所や生産者さんのもとでは、どのようなお仕事をされていましたか?

週3日ほどは、「しゃん山」で、接客や野菜の梱包をしていました。
給食センターや隠岐島前高校の寮から注文をいただいた時には、海士町の生産者さんに直接連絡をして、野菜入荷の調整のお仕事をさせていただきました

また、生産者さんのところに伺って、生産状況の把握や、食材の予約に備えて日々畑を見て回ったり、タイミングによっては、生産者さんと一緒に、ぶどうや梅、みかん、シイタケの収穫をサポートさせていただきました。


――生産と販売の両方から、農業に携わってみてかがでしたか?

もし、しゃん山だけで働いていたら、見えてなかったことが多かっただろうなと思います。しゃん山としては、野菜がないと成立しないところ。島外から仕入れていないし、島内の野菜があって成立するので、おおもとの生産者さんの考えを少しでも知っておきたいと思ってました。

生産と販売の両方を知ってみて、なかなか難しいことも多かったです。両方の現場を知れたからこそ、本当は生産者さんの意見をしゃん山に反映させたかった。でも、生産者さんの意見もあるし、しゃん山のスタンスもある。

なかなか難しくて、どちらも蔑ろにしてはいけないことが、両方の現場に携わってみてやっとわかりました。


―― 実際に働いてみて、農業のイメージは変わりましたか?

食べ物がないと生きれない。それをここでより感じました。本土だとスーパーで食べ物が揃うけど、ここだと時期によってはないものも多い。生産者さんがいるから、自分たちの食が成り立つんだなと思いました。


―― 生産現場や販売のほかにも、料理学校の「島食の寺子屋」にも携わっていましたね。どのような仕事をされていましたか?

島食の寺子屋(以下 寺子屋)の生徒さんからいただいた案を、しゃん山が実現するための体制を作る、ということをしていました。僕がしゃん山と寺子屋さん、島留学・島体験生と寺子屋さんの窓口になるといった感じです。

例えば、寺子屋さんが作るお弁当の予約を取ったり、島食の寺子屋さんが作るおにぎりを学習センターさんに協力していただき販売したり。

和食というピンポイントなところだけど、農業の延長線上にある「食事」の面も知ることができ、農業の幅が広がりました。生産している人も、販売している人も、料理をする人も知ってる。「食」という環境に、贅沢に関わらせていただきました。


――「生産・販売・調理」へと、つながっていく過程に携わってみていかがですか?

改めて、生産・販売・調理・消費のすべてが1つもかけてはいけないと思いました。絶妙なバランスで成立している。どこかが、ばたっと倒れたら成立せんくなる。その重大さがわかりました。


強くなりたいと思って島に来た

―― 1年間、島暮らしをしてみていかがでしたか?

全部が素敵でした。シェアハウスの生活も、仕事も、休日も、すべての日常がすごく楽しかったです。特別なことはなくても、それが楽しいし落ち着く。

来島前と比較すると、本土は物が充実しているけれど、案外、本土にしかない大事なものってそんなにないし、むしろ大事なものを見落としてしまっていました。

自分の周辺にいてくれるみんなや、シェアメイト、職場など、自分の小さい範囲に大事なものがある。もっと早くわかっていればよかったです。遅かったけど、分かっただけで十分ですね。

みんなでお昼ご飯☺


―― 確かに。今まで気づかなかった大切なものを噛みしめて過ごした1年だったような気がします。一方で1年間島で働くことを経験していかがでしたか?

もともとは、周りに影響されて周りに合わせてしまう性格だったんですけど、今回の来島にあたっては、周りのアドバイスにそのまま頼らずに自分の意志で来ました。

大学を休学せず、卒業論文も就活もここでする。本来だったら周りの意見を聞いて、大人の島留学を諦めていたかもしれない。でも、それを気にせずに来てみたい。強くなりたいと思って、わがままを言って来ました。

だからこそ大人の島留学に参画して、自分の思ったことを自分のためにする。その行動が大事だなと思ったきっかけでもありました。


―― 来島するときに持っていた目標があったんですね。

でも、僕の場合はそのモチベーションが自分のためだけだと続かなくて、だんだん「誰かのために」という気持ちが一番の原動力だったように思います。

周りに合わせることと、僕がしゃん山のためにしたいことのバランスが良くなったなと思います。昔はよく環境に流されて迷子になっていたけど、ようやくいいバランスになった。

自分のためにしたことが、結果として誰かに届くこともあるし、周りのためにしたことが、結果として自分のためになる。その両方が分かったことが大きいと思います。いいモチベーションになっています。



自分の頑張りがまわりまわって島の人に届くはず

―― 来年度(2022年4月)の予定は決まっていますか?

4月からは就職先が決まっていて、農業関連のお仕事をするつもりです。
島に来てすぐの、4・5月は就職活動をしながら働かせてもらったので、両立は難しかったですが、上司の方のサポートもあり、無事内定をいただきました。

仕事も覚えないといけないので、夜の時間も使って就職活動したりと、大変な時期だったけど、職場に戻ったら、支えてくれる職場のみなさんがいて、救われてました。周りの人の支えがありがたかったです。

職場のみなさん


―― これから挑戦したいことを教えてください。

お米を作ること!いつになるのかは分からないけれど、これだけは絶対にします。

―― いつもお米愛を感じます(笑)日記にも綴られていますね。

お米は一番食べる、原点のようなもの。それを作れるのは、すごいことだと思います。食の原点を支えているのがかっこいいし、自分も支えたい。島に来て、やっぱり自分はお米が作りたいと再確認しました。自分で作ったお米を食べたいし、お世話になった人にも食べてもらいたいです。

精米するのもお仕事のひとつ


―― いつか島のみなさんに食べていただける機会があるといいですね。

そうですね。直接的か間接的かは分かりませんが、自分の仕事がいつか届いたらいいなと思います。
本当はもう1年島に残って仕事をし続けたかったんです。どんな業務も、来年はもっと早く仕事をできるようになって、新しいことにも挑戦できる余裕が生まれる。前はこうしたから、次はこうしてみようと具体案ができる。

ようやく業務がわかってきたところだったので、もう1年あれば、あんなことや、こんなことができたなと、少し心残りです。

写真:刑部さん

でも、その心残りをどうやって消化・納得させていこうかと考えたときに、直接ではないけれど、就職先で自分が頑張ると、まわりまわって島でお世話になった人に届く日がくるかなあと思ったんです。それが島を出たあとの頑張るモチベーションになるかなって。

この1年間、将来の軸になる経験をして、大切な人にたくさん出会いました。だからこそ、いつか島に恩返しできるように、自分のやるべきことと、やりたいことに一生懸命向き合っていこうと思います。


LINKS

妹尾さんのこの1年間を振り返り、何をしてきたのか、何を感じたのかが綴られています。


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