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めぐる。

こんにちは。
大人の島留学生の妹尾蓮太郎です。久しぶりに島食の寺子屋さんのnoteを担当させていただきます。よろしくお願いします。

早くも3月も中旬を迎えようとしています。
「1月往ぬる。2月逃げる。3月去る。」
そんなことを言ったりしますが、本当にそうだなあと思います。これを考えた方はすごい。きっとずっと続いていくような表現だと思います。

寒い時期を超えて、少しずつ暖かい日が春の近づきを感じさせてくれるのがまたいいなと思っています。
春になる、いつもだったら嬉しいことですが、今年に限ってはそうはいきません。昨年の4月に大人の島留学生として海士町に来させていただき、3月をもって島留学期間を終えることになりました。春の近づきは、自分にとってはお別れと新しいステップに進むことになります。

ですので、島食の寺子屋noteで投稿させていただくのも今回が最終回になります。今まで読んでくださった皆さま、ありがとうございます。

今回の妹尾のnoteは島食の寺子屋の皆様をはじめ、関わってくださった皆様への感謝と1年間の総まとめです。1年間海士町で何をしてきたか、それで何を感じていたかを書き残しておきたいと思いました。令和版タイムカプセル。そんな感じです。

このnoteが誰に届くか、どこに届くかは分かりませんが、苦手なりに心を込めて書きます。よろしくお願いします。

まず、1年間で何をしてきたか、仕事の振り返りです。1年間でさせていただいた仕事をキーワードで大きくまとめると「食」「農」「売る」この3つです。

「食」

島食の寺子屋さんとの仕事
・留学弁当
(島留学・島体験生を対象に週1回で弁当予約販売)
・おにぎり販売
(学習センター・しゃん山)

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「農」

5月・6月:梅の収穫作業
8月・9月:ワイン用ぶどうの栽培
10月:さつまいもの収穫作業
11月・12月:みかんの収穫作業

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「売る」

しゃん山店舗業務
(接客・野菜の梱包計量・島内での予約の野菜の調整)

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1年間の仕事内容をざっくりまとめるとこんな感じです。何をしたかと同じくらい、もしくはもっと大事なことかなと思っているのは、その結果何を思って、次何をするかかなと個人的には思っています。だから、仕事内容はざっくりとにしました。

改めてこうして1年間で関わらせていただいた仕事を振り返ると、色々な経験をさせていただいたなと感謝の気持ちでいっぱいです。
当初から「農業」「食」の分野で働きたいという思いがあり、結果として直売所であるしゃん山を軸に、時期によって農家さんのお手伝いや島食の寺子屋さんと仕事をさせていただき、農業・食の両面から少しだけその現実を見ることができました。

「作る」→「売る」→「それを使って料理を届ける」

1年間を通して、食材が作られて、売られて、形を変えて皆さんに届くまでの一連の流れを見させていただき、少しだけ関わることができました。よく「地産地消」という言葉を耳にしますが、実際に本気で実現しようとするとめちゃくちゃ難しいなと感じました。だから、その価値やありがたみがより一層分かったような気がします。

1年間で農業の現場、野菜を扱う販売の現場、食の現場、各現場を少しだけ見れたからこそ気づいたこともありました。
どの現場もそれぞれに時間と手間がかかっていること。
関わる方々の本気の仕事の上で今の生活が成り立っていること。
当たり前のようにある今の食生活、実は、作る人・売る人・そこから作り出す人がそれぞれの場所で頑張ってくださった結果として絶妙なバランスで保たれていること。

それが何となく分かったような気がします。
海士町にこなかったら、ここまで仕事の先にいる人のことを見る・気づくことができなかったです。売られている野菜も作られている料理もその「モノ」だけしか見てなかったように思います。23歳でそれに気づきました。遅いかもしれませんが、それに気づけただけでも、1歩進んだように思います。

今までは本土ですれ違う人の9割9分くらい知らん人で自分とは接点のない人だと思ってました。でも、直接的ではなくてもその会ったこともない知らない方の仕事のおかげで今の生活が成り立っているんかなと思えるようになりました。見えてる人・見えてるものだけが全てじゃないかもしれんなと思いました。もちろん、仕事をするのでもあの人のためとか「人」が見えた方がよし、頑張ろうと思います。すごくエネルギーにもつながります。

けど、実際は自分の仕事がどこに届くか、誰に届くかは見えにくいことも多々あります。その中でも、実際に届くかは分からんけど、あの人に届いたらいいなと思って仕事をできる人に僕はなりたいです。

正直なところ、海士町のことも関わらせいただいた農業や食のことも1年間で知るには短かすぎました。長い時間をかけないと見えてこないものの方が多いと思っています。だから、ここで1年間かけて感じたこと、考えたことが自分にとっては出発点となり、入口となります。

向こう10年、15年のことは1ミリも想像ついてませんが、農業や食に関わっているんだろうなあと思っています。将来、農家になってるかもしれないし、農業の機械を売ってるかもしれないし、農業への関わり方は何通りもあるので、先のことはまだ分かりません。分からないくらいが自分にとってはちょうどいいです。自分が納得するまで、腑に落ちるまでやろうと思っています。

最後になりましたが、1年間の仕事・暮らしの中で数え切れないほどの方にお世話になりました。自分が気づいていないところでも、助けていただいたことも数多くありました。本当にありがとうございます。皆さんに恩返ししますみたいにかっこいいことはまだ言えないので、今の場所で今の生活・暮らし・仕事を丁寧にまっすぐ向き合っていこうと思います。その結果、めぐりめぐってお世話になった方の生活に1ミリくらい良い影響を与えられたら最高に幸せだなと思います。

かっこいい方に囲まれて暮らし・仕事が送れたこと、これが全てです。ありがとうございました。

(文:大人の島留学「島食枠」妹尾蓮太郎)