音成葉子

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音成葉子

yoko_otonari / writer / OITA.Japan https://otonariyoko.tumblr.com/

最近の記事

宇宙空間に漂う時

今夜も歩く。 外へ出ると冷えるけれど、短パンでサンダルを履いている。 ペタペタと足音をさせて、道路と並んだ川上の方へと進む。 2.3軒過ぎると、街路灯も無くなり、足元も見えないほど真っ暗になるが、同時にホタルがちらほらと見えはじめる。 ふわーっ、ゆらーっと軽く、無重力のような動きで目の前を横切ったりする。 草むらに止まっているのもいる。 立ち止まるとその風景に自分も溶けこんで一部になるみたいだ。 『いま』という時間しか無いような気がしてくる。 そのままを認めれば良かったんだな

    • 苗に手を出した

       やってみたいなあと思いつつも、今までは、店先で苗を見つけても素通りだった。 というのも、畑は姑専用という感じで、踏み入ってはダメなような気がしていたからだ。  ところが、家の草むしりや農機具まわりの片付けや整理をしていて、作物を作ってみたいなあと思いが湧きあがり、たまたま見つけたナスの苗を買った。続けてオクラ、ラベンダーの種。干渉されず、大雑把にせず、道具を大事にして、少量でもいいので自分の好きなように丁寧にやってみたいと思った。  数日後に、友人からもらった宇宙アサガオの

      • 部屋で聴く

        何もかもかっこいい〜。 見つけたのでとりあえずメモ。家で聴く用。

        • 野いちごの季節

          ゴールデンウィークを過ぎるとソワソワする。待ちに待った野いちごの季節だからだ。 逃してはならぬと心に決め、去年採れた場所や新たに採れる場所はないかと車に乗っていても路肩ばかりに目がいく。 毎年同じ場所で採れるとは限らない。薮になって実がならなくなることは年々増えている。今年も少しだけ。ジャムにすると小瓶に半分しか入らなかったけれど、県外に住む長女のところへ持って行こうと思った。 よく晴れた昼下がりに家を出て、いつもは通らない道を走る。高速道路は使わずに下道でのんびり行こうと思

        宇宙空間に漂う時

          そよそよ

          以前の自分は何であんなに頑張って頑張って無理をしていたんだろう。朝から晩まで分刻みで動いて。 世の中のお母さんへ。 できない自分もゆるしてあげてください。誰もあなたのことを責めていません。『私』を責めている自分にごめんなさいをするととっても楽になります。あなたはいつもお子さんに(周りに)愛されていますから安心してください。 世の中のお母さんに限らず、現状がきついと感じるみなさんにも。 一日何もせず新緑の中に身を置いているとふと、そんな気持ちになりました。 行き止まりに

          ドライブの末

           先日、山形からひとりで帰る際に東京や神戸にも泊まり、のんびりと南下しながらもどってきた。  東京でレンタカーを借りて、行くあてもなかったが、ふと富士山を見に行ってみよーと思いたつ。飛行機から目にしたことはあるけれど、間近で眺めたことはない。  父が20代のころ(まだ独身のとき)、富士山の見えるところで暮らしてみたくて静岡に住んでいたという話を思い出したからだ。毎日、富士山に向かっていくように自転車をこいで仕事へ行っていたと聞いて、うらやましいなあと感じたのを覚えている。

          ドライブの末

          うちの会長

           大好きな人が亡くなった。知らせを聞いたとき私は東京に居て、通夜も葬式も間に合わず、昨日ようやくお宅へ行きお線香をあげてきた。もう骨つぼ。まいっちゃうなあ。 あーすれば良かったなどという後悔はあまり無い。けれど、また、会いたいなあ。  九重町文化財調査委員会長の内恵さん、調査委員としての50年お疲れさまでした。 5年前、無知な私に「歴史のこと? 何もわからんでいい。10年は遊べ」と言って文化財調査委員に誘ってくださりありがとうございました。 スーパーで買った刺身を酒の肴に部

          うちの会長

          謹賀新年

           おっと、ブログが滞ってしまっていた。 動きに慣れない体を毎日使って、夜は熟睡という日々が続いていた。 このことは近いうちに書こうと思うけれど、とにかく楽しい。元旦の朝は家族みんな遅起き。今朝は久しぶりに珈琲を淹れてゆっくりする。 今年もいろんなことが変化していくんだろうなあ。 昨年もたくさんの方にお世話になった。正直しんどかったことも自分の存在から見つめ直すいい機会だったと思う。出会ったすべての方に感謝です。ありがとうございます。 あぁ、好きな人たちとお酒を飲みたいなあ。と

          今日から一つ新しいことを始めてみる。わくわくしている。いってきます。

          今日から一つ新しいことを始めてみる。わくわくしている。いってきます。

          静と動

           昨夜は福岡空港まで娘たちを迎えに行き、食事をして帰宅したのは夜の11時。眠かったけど、今日はいつも通り5時前に起きて弁当を。  雨じゃない音にハッとして外を見てみると、雪が舞っている。 あっという間に真っ白。アラレ雪がどんどん降っている。寒いけどなんだか嬉しい。 それにしても、昨日見た夜の滑走路、きれいだったなあ。全便1時間近くの遅延。雷雨の中、展望デッキから滑走路を眺めていたけど、飛行機も離発着を間髪なく繰り返し、手荷物を運ぶカートも無駄がなく動いている。毎日、往来する

          今日は久しぶりに福岡空港へ。私は飛ばずに見送り。行ったついでに牧のうどんのテイクアウト。うどんとかしわめし。おいしいのですコレが。帰路のドライブはひとり。一寸寂しくなるけどこれはこれで。一瞬一瞬にわくわくするスイッチを見つけたような。腑に落ちたことがあった。寝酒に余りの冷酒で。

          今日は久しぶりに福岡空港へ。私は飛ばずに見送り。行ったついでに牧のうどんのテイクアウト。うどんとかしわめし。おいしいのですコレが。帰路のドライブはひとり。一寸寂しくなるけどこれはこれで。一瞬一瞬にわくわくするスイッチを見つけたような。腑に落ちたことがあった。寝酒に余りの冷酒で。

          夕暮れ。不思議な色の空に思わずドキッとした。行くたびに立ち寄る上人が浜にて。別府の夜は海から始まるんだなあ。その後、娘を迎えに学校へ。夜のグラウンドを初めて見た。母校でもある高校の夜の姿、あんなにいい景色だなんて知らなかったなあ。遠くに見えていた別府タワーが綺麗だった。

          夕暮れ。不思議な色の空に思わずドキッとした。行くたびに立ち寄る上人が浜にて。別府の夜は海から始まるんだなあ。その後、娘を迎えに学校へ。夜のグラウンドを初めて見た。母校でもある高校の夜の姿、あんなにいい景色だなんて知らなかったなあ。遠くに見えていた別府タワーが綺麗だった。

          日々のあれこれ

          日々のあれこれメモ ・お気に入りの杉まな板にこんにゃくのアクがしみついたこと(思わぬ失敗、落ち込む) ・サンダーでやすり、まな板の復活を機に包丁の手入れに目覚めたこと(まな板も包丁も自分で手入れできる嬉しさ、発見) ・包丁の切れ味に感動し、毎日の料理時間が楽しくなった ・刺身包丁の研ぎにも挑戦し、刺身のさくを切ると、切れ味、切り方によって刺身の味(食感含め)が変わると気づいた ・ベッドを作った時の切れ端(杉板)に紙やすりを貼り、包丁用研ぎ石を研ぐやすりを自作(平らに研ぐことが

          日々のあれこれ

          家出先の三叉路

           決まりの家出先がある。家から10メートルほどの三叉路だ。鋭角の空き地に電柱が立ち、見上げると古びたカバーの蛍光灯が付いている。ほの暗い電球色の外灯だ。  電柱の元へ行くと、目の前に田んぼが広がり、奥には山が悠々とこちらを見てそびえたっている。空は広い。自分の背には、斜面の雑木林がうっそうと茂っており、隣家とも50メートルぐらい離れている。田舎家に4世代で暮らして15年以上が過ぎたが、私にとっては、唯一ひとりになれる三叉路であった。  よく、デジタルカメラを持って、星空を撮っ

          家出先の三叉路

          17年目の秋

          ゆっくりと過ごす週末。ここに暮らすようになり、10月の紅葉シーズンにこれほどゆったりとした週末を過ごすのは初めてかもしれない。子育てに追われることもなく、接客仕事で体がクタクタになることもなく、朝、近くのドライブインへ野菜を買いに行き、帰りに長者原のいつもの場所でぼーっと山を眺める。 中学生のころ、父が勤めていたホテルのすぐそばにあるこの場所へ一人で歩いて来ていたことを思い出した。あの頃はインスタントカメラを持って歩いていた。 その写真の紅葉も、円かさがあり柔らかい。自分を包

          17年目の秋

          あがり症

          いやー、ほんとにあがり症な私。 先日の文章塾でも自分のエッセイを音読するのに、すっかり上がってしまって息ができない、声がうわずるわで、散々な音読に。 昔から変わらずで、小学校の国語の時間に「ここからの文を読んでください」と先生にいきなり当てられ、漢字でつまずく、文字を追えずたどたどしい、自分の読みやすいように文章を変えて読む、同じ行を読んでアレ?って文がおかしくなる、こんなふうにうまく読めなかった記憶が未だに残っている。その失敗のせいで苦手意識がついたのかはわからないが、人