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宇宙空間に漂う時

今夜も歩く。
外へ出ると冷えるけれど、短パンでサンダルを履いている。
ペタペタと足音をさせて、道路と並んだ川上の方へと進む。
2.3軒過ぎると、街路灯も無くなり、足元も見えないほど真っ暗になるが、同時にホタルがちらほらと見えはじめる。
ふわーっ、ゆらーっと軽く、無重力のような動きで目の前を横切ったりする。
草むらに止まっているのもいる。
立ち止まるとその風景に自分も溶けこんで一部になるみたいだ。
『いま』という時間しか無いような気がしてくる。
そのままを認めれば良かったんだなあ。

ある。ある。ある。
とても満ちている。
ここには全部あるなあと気づいた夜だった。
お酒も呑んで自宅の温泉にも浸かって本当にいい気分だ。

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