『芸は身を助ける』の考究。
経験は森林の奥地に佇む湖の底に積もる澱のようなものだ。撹拌すれば舞い上がり、心を乱す。しばらくすれば沈殿し、あてのない約束をするみたいにして儚い透明度を哀れに見守る。澄んでいるだけではない。濁っているだけでもない。共に在り、共に拒み合う。
『芸は身を助ける』ほど現代は稼ぐのに安易ではなくなった。大道芸人は路上パフォーマンスするのにも申請を要しかしこまってしまったし、玉簾を披露する宴会に誘えばパワハラだと拒否られる。芸は身を助けるどころか、身を削られるか滅ぼす種になってしま