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視覚に囁く『小ご絵』

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いつも大きくて立派な扉ばかり見せられてきたように思う。 深く考えることなく、大きくて立派な扉ばかり追いかけてきたように思う。 だけどいつもうまく開けられるわけじゃない。 ある… もっと読む
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2022年4月の記事一覧

楽器に支えられて。

『あの歌はもう歌わないのですか』なんて問わないで。あの歌もこの歌も、歌という歌はもう歌わ…

張りつく。

 老婆がよその客のレジ打ちにかまうことなく、横から消え入る前に絞ったような震える声で「セ…

ボタンはかけ違い合う。

 日々の暮らしに起こりうるボタンの掛け違い。  絵にすると、こんな感じ。  もちろんボタ…

あ。ん?

「あ」  なに? その感嘆符。  閃いたの?  それとも、忘れ物?  まっさらななまこ壁…

家路。

「GW、そろそろ帰ってみるか」  ……自粛、長かったからなあ。  ……玉手箱は持ってないか…

抜け殻を思う。

 かつてこうせつ君は「古いコートを捨てて」と歌った。確かに着古せば捨てざるを得なくなるの…

死神が最初にすること。

 死期を測る計器は体の内側に組み込まれてる。呼吸の数・深さ・質、心音、心拍、腕白、血流、血圧、血糖値ーー医学の検知はそれらを可視化する。統計学でわたしたちに科学的生き装束を纏わせる。  検査の数値は生死の境目、いい結果は死期への抗い、生き力という抵抗勢力。  そのことを知ってか、死神が最初にすることといったら。エグい。とってもエグい方法で、生き力を足元からひっくり返そうとする。  恐怖心を水で薄め、痛覚を間引き、思考歯車の潤滑油を拭い去っていっちまう。  そうさ、感覚の

とるかかくか。

 写真のすごいところは、険しくて行けないところや、生来の間の悪さゆえ見落としてしまいがち…

下に立つ。

 かつて村上春樹氏が、人生折り返し地点を過ぎて、人々が機能しあって社会が蠢いていることを…

問う。

 人は主張する。人の主張を認め、大きな流れができれば主流になる。だけど、主張には困難がつ…

時短と時長。

「太郎は恋の中よ」と乙姫は風の歌を謳う。竜宮城の歓待に酔った太郎は、過文に過ごした時間で…

進む道。

 お馬の稽古に没するのは甚だしい時間の無駄遣い、熊使いになっていたほうがよっぽど儲かるの…

浮かぶ景色。

 目には見えないものを描いている。心に浮かぶ景色を描いている。  たまに写真や絵画を参考…

社会が窮屈と感じた時に開けるもの。

 広い世界と忙しい社会で暮らしているわたしたち。  ふだんはなんら疑問を抱くことなく、淡々安穏時々楽々たまにはドキドキあくせくドタバタ、それでものびのびスッキリくったり能天気にやってはいるけれど、たまに息苦しさを感じることってある。  あなたにもあるでしょ? そんな時。  そのワケを知っている?  ふふふ。  それはね。  単純なことなんだ。  私たちはこれまで「外に出る」「社会に出る」とは、狭小な世界からの羽ばたきと教えられてきた。だけど、実は違っていたんだな。社会を牛耳る