マガジンのカバー画像

視覚に囁く『小ご絵』

1,340
いつも大きくて立派な扉ばかり見せられてきたように思う。 深く考えることなく、大きくて立派な扉ばかり追いかけてきたように思う。 だけどいつもうまく開けられるわけじゃない。 ある… もっと読む
運営しているクリエイター

2021年9月の記事一覧

突き当たり? まさか。

 たかだか半世紀の間に、時代の色彩がガラリと特色を塗り変えた。黒はブルーライトに、灼熱そ…

世捨人。

 生きてきた紆余曲折の一筆書きを、立ち止まり振り返る。  たいした線など描けちゃいない。…

タイムトンネル。

 秋になると、肩の力を抜いた時間から風が生まれ、人肌にぬくもった頬を涼しく撫でていく。頭…

ちっちゃな男になりたかないさ。

 運命の比重が偏ると平常心が乱れるのは、感情が地場の引力に歪められるからだ。体幹が揺さぶ…

ミクロコスモス。

 ひとりひとりは小さな存在でも、結びつきは miracle で vast だ。  万華鏡よろしく紋様、…

帰ってくるウルトラマン。

 気候変動砲にCOVID軍団。最近の地球ときたら、地球規模で物騒だ。  この星は想定になかっ…

トレース。

 お手本はいく通りもあった。 「おぎゃあ」と生まれ出でたる時すでに、魂惑わす歌い手も、財に胡座をかくようになる成り上がりも、その身を捧げ人柱となった英雄もいた。しかも、おそらく、無数に。  私らはそれら偉人印の先人を示され、自由意志で選び、憧れてきた。 「だから歌手になりたい」 「命を助ける仕事につきたい」 「豪邸に住める身分に」 「海賊王に俺はなる」  各様に未来を描き、お手本を見定めて自身をトレースし始める。  筆致巧みに鮮やかに、自分を描いていく。  人生の筆

「おかえり」

 また秋が来てキミはきれいになった。去年よりずっと綺麗になるのは、思い出は色彩を欠き、モ…

追えば逃げる。

 猫も、恋も。  でも、つかまないことには始まらない。  猫も、恋も。  うまくいくこと…

音速、光速。

 故郷から届く報せは、ネット時代だもの、光速ほど早い。  報せは、花火だった。  どれだ…

死は思考の臨界点か。

 死んでしまうことについて考えることがある。  詳しくは語り合わないけど(あ、この人も…

行く道。ーー幸せに生きるーー

 自分のため、人のため、会社のため。行く道も多様化し、どれ選んでも、咎めもされなきゃ、後…

認識視角。

 モノの見え方、見方で変わる。  この目、右目? それとも左目?  懐疑心から入ったら、…

あの日に早くかえりたい。

♪泣きながらちぎった写真を、手のひらにつなげてみるの〜  ユーミンが遠い花火に目を細めて歌い上げた『あの日にかえりたい』。  歌は続く。 「青春の後ろ姿を人は忘れてしまう」 「あの人」との時間が終わってしまったことを、人は頭で理解できても、気持ちが認めたくないのだ。そういうことって現実に起こるし、通ってきた道だからよくわかる。  終わったものは、そのままの形で取り戻すことはできない。だけどせめて同じような日々にかえりたい。 ♪何気なくちぎったカレンダー、思い出につなげ